アドビからCIDフォントに関する詳しい資料がでていました。(98/1)


・CID-Keyedフォントファイルフォーマット

文字形式は「アドビType1フォントフーマット」で記述され、従来のOCFに比べシンプルになっている。各種の文字配列(エンコーディング)をCID番号で管理するCMap(キャラクターマッピングファイル)と、字形、ヒント情報など関連情報を管理するCID Fontファイルの2つのファイルで構成されている。

・CID-Keyedフォントファイルフォーマットのメリット

構成がシンプルになったため、画面描画やプリント速度が向上。ファイル容量がOCFフォントに比べ約10%減少している。ただし教科書体等のスクリプト系はヒント情報を強化したのでファイルサイズが増加している。

低解像度の制限が600dpiから1200dpiになった。

CD-ROMで供給される。

CMapで文字配列を管理しているので、将来新しい文字配列に変わった場合、ファイルを追加することで違う文字セット、エンコーディングに対応できる。

・今後発売されるアドビのフォントはすべてCIDになる。

現状でもCIDフォントは他のアプリケーションで使える。(7月の説明では一部のアプリケーションで不具合があったため、モリサワはCIDの発売を延期した。12月発売の雑誌に、これはクォークだったと書かれていた)ただしCID特有の機能を使うには、現在アドビイラストレーターとページメーカー、Lightning Draw GXしかない。(イラストレーターは5.5J/7.0J、ページメーカーは6.0J/6.5Jでフォント自体が持っている詰め情報を利用し、詰め組を実現している。異体字への変換情報を含んでいるので、旧字体等への置換が可能。使えるアプリはLightning Draw GX、イラストレーターは5.5J/7.0J)

ATMは4.0J以降、Windowsは3.2以降が必要。

MacOS8では丸漢は不要。

・プリンタにCIDフォントをインストールする

OCFフォントを残すか、削除するかを選択できる。ただしOCFフォントの実体がハードディスク上に残っても、プリント時はCIDフォントが優先されるので、事実上使用できない。

モリサワ書体は従来どおりコピープロテクトされている。パッケージはインスールディスク1枚とCD-ROMで構成されている。

OCFフォントしか扱えなかったプリンタにCIDフォントをインストールすると、CSL(CID Support Library)が同時にインストールされ、ポストスクリプトインタプリタが拡張され、CIDを扱えるようになる。ただしポストスクリプトインタプリタをROMで持っていたプリンタはハードディスクからの起動に変更され、起動に時間がかかるようになる。

アドビ純正ポストスクリプト日本語プリンタ以外のクローンでは使用できない。(フォントのダウンロードが正しく行われない。つまり古いプリンタやクローンは買換えろということだろう)

Type1コプロセッサが搭載されていプリンタの場合、Type1コプロセッサの処理がさらに向上する。

・マックにOCF、プリンタにCIDがインストールされている場合

基本的に問題ない。OCFフォントはJIS83をベースにした漢字Talk6のものだが、CIDフォント(ATL2.0J)の文字配列も従来どおり。ただしJIS90で追加された2文字、「凜」「熙」が追加された。

モリサワ書体の文字・別字改訂が8文字、データ改訂が17文字、異体字改訂75、合計100文字が改訂された。

・文字・別字改訂が8文字----太ゴB101=2、新正楷書=1、リュウミンM-KL=1、リュウミンB-KL=1

・データ改訂----太ゴB101=3、じゅん101=2、見出ゴMB31=3、見出ミンMA31=4、新正楷書=4、新ゴB=1

・異体字改訂----太ミンA101=4、太ゴB101=6、じゅん101=9、じゅん34=5、リュウミンB-KL=1、見出ゴMB31=9、見出ミンMA31=8、新正楷書=2、新ゴL=2、新ゴR=1、新ゴM=8、新ゴB=8、新ゴU=7

・OCFとCIDの混在

基本的にできる。ただし上記のとおり改訂された文字がある。さらに、アドビタイプライブラリー2.0Jは、一部のATMアウトラインスクリーンフォントの最大文字幅情報を改訂した。リュウミンL-KL、太ミンA101、見出ゴMB101の3書体。一部アプリケーションと上記3書体のOCFフォントで縦書きレイアウトしたファイルを、CIDの上記3書体がインストールされたマックで開くと字間が広がって表示される。

ATL2.0Jに付属しているスクリーンフォント(ビットマップ)とATM用アウトラインスクリーンフォントのメトリックス情報が違っている。縦書きレイアウト時にこの情報を参照する一部アプリケーションでは、文字送りが従来フォントと異なる場合がある。アップデートされたスクリーンフォントはアドビのWebサイトからDL可能なので、ATL2.0Jに付属しているスクリーンフォントは使用しないでほしい。(ようするにパッケージを作ったあと、不具合が分かったということだろう。モリサワではこの問題のためパッケージの出荷を延期したが、アドビは発売したわけだ)

リュウミンL-KL、中ゴシックBBB、見出ゴNB31の3書体で横幅情報が従来と違っている。OCFでレイアウトされたものを、CIDで開くとチルダ「~」の字間が広がってプリントされる。


モリサワが公表したCID対応、CPSI製品リスト---97/12

以下の資料から、3Mのレインボーを簡易校正に使い、フィルム出力する場合は、現状ではCIDフォントは使えそうもありません。またサイテックスのDolevなども未対応です。

・モリサワおよびアドビ社によりインストールの実機検証済

・ソニー

PostArt (SONY NEWS [UNIX])
PostArt Pro (SONY NEWS [UNIX])

・大日本スクリーン製造

Flash RIP-AD310PM(v1.5.4, v2.0.1 Macintosh)

・日本アグフア・ゲバルト

Viper (1.9 Macintosh)

・日本システム技術株式会社

PS-GATEWAY (SPARCstation [UNIX])

・富士写真フイルム

LUXSETTER 5600 (v2.5 SPARCstation [UNIX])

PostArt Pro for LUXSETTER (SONY NEWS [UNIX])

・セイコーエプソン

CPSソフトリッパー 3 (v3.0 Macintosh)

・インストーラで理論的にインストールが可能な製品、実機未検証

・PrePRESS SOLUTIONS / 日本エーエム

Panther / Macintosh用 (2015.108)

Panther / PC / WindowsNT用 (2015)

・Scangraphic Prepress Technology / ニチメン・メカトロニクス

Scantext Presto

Scantext Prestinc

Scantext Combo

Scantext MiniCombo

・モノタイプ

RipExpress

・ライノタイプ・ヘル

Delta Technology

・日本アグフア・ゲバルト

Cobra

Taipan

・富士ゼロックス

DocuStation DP 300

・富士写真フイルム

Celic用RIP

・ULTIMATE Technographics / サカタインクス

Trapeze

Flight Simulator

※対象書体--リュウミンL-KL/R-KL/M-KL/B-KL/H-KL/U-KL, 中ゴシックBBB, 太ミンA101, 太ゴB101, じゅん101/34/501, 見出ゴMB31, 見出ミンMA31, 新ゴL/R/M/B/U, 新正楷書CBSK1, ゴシックMB101 B/H/U, 教科書ICA L/R/M

・各メーカーからUPR情報が供給されればインストールが可能。

・住友スリーエム / イメーション (Mac版)

3M モデル 2715

3M Rainbow 2730

3M Rainbow 2740

スコッチプリント

・CACTUS / 住商エレクトロニクス

カクタス デジタル プリントシステム

・Colossal Graphics / サン・エンジニアリング

Colossal Kanji PS-RIP

・PrePRESS SOLUTIONS / 日本エーエム

Panther / Macintosh用 (2013.114)

・セイコーエプソン

CPSソフトリッパー 2 以前

・神鋼電機

ProofPositive

・大日本スクリーン製造

Flash RIP-AD210

・日本アグフア・ゲバルト

Viper 1.3 以前

・日本サイテックス

V.I.P.-J
V.I.P.-J/Lite

・富士ゼロックス

SM ICS Server M
SM ICS Server H

※対象書体--新正楷書CBSK1, 新ゴM/B, リュウミンR-KL/M-KL/B-KL/H-KL/U-KL, じゅん34/501, ゴシックMB101 B/U, 教科書ICA L/R/M

※リュウミンL-KL, 中ゴシックBBB, 太ミンA101, 太ゴB101, じゅん101, 見出ゴMB31, 見出ミンMA31, 新ゴM/B, ゴシックMB101 H は、現バージョンではUPR情報があってもインストーラが対応していないため、これらの製品へはインストールできません。対応次期については当社フォント流通課へお問い合わせください。

・将来対応予定のCPSI製品。インストーラの次期バージョンで対応予定

・COLORBUS / ビジュアル・プロセッシング・ジャパン

Cyclone PS Print Station

・Indigo / 東洋インキ製造

E-RIP

・PrePRESS SOLUTIONS / 日本エーエム

Panther / PC / WindowsNT用 (2013.114)

・日本サイテックス

Dolev PS/M-J
Dolev PS-J
Star/Dolev PS-J

・住友スリーエム / イメーション (NT版)

3M モデル 2715
3M Rainbow 2730
3M Rainbow 2740
スコッチプリント

・未対応機種--CIDフォントのインストールはできません。

PrePRESS SOLUTIONS / 日本エーエム
Panther / PC / Windows用
大日本印刷
Approach IRIS Software RIP

・住友スリーエム / イメーション (Mac版)--98/6

3M Rainbow M2730ソフトウェアV.5.0で対応
3M Rainbow M2740ソフトウェアV.5.0で対応
3M Rainbow M4700ソフトウェアV.5.0で対応