CIDフォント(99/9)

いよいよ、モリサワもOCFフォントの発売を2000年2月まで、
サポートは2000年7月までとしました。(9/28)

かなり強引とも思える方法で、CIDへの移行を押し進めている様ですが、世の中メーカーの思惑どうりにすすむでしょうか。雑誌などもCIDへの以降を促す記事が多くなく、危機感をあおっていますがいかがなもののでしよう。

最近はデータでの入稿が多くなり、自分でフイルムを出力する機会もなくなってきましたが、中小の製版屋さんのほとんどは、いまだにOCFフォントでの入稿しか受け付けていないようです。出力センターはかなり前からCIDへの対応を開始していました。これはデジタルデータからの出力で食べているのに対して、刷版を作ることで食べている、の違いでしょうか、大手以外の製版屋さんでOCF環境とCID環境の両方を用意している所もほとんど無いようですが、そろそろ必要な時がきているようにも思えます。

NewCIDのメリットはPDFへフォントを埋め込めることですが、いかにも便利で新しい制作環境ができたように思えますが、デザイナーとってはいい迷惑かもしれません。なぜならそのコストを誰も負担してくれないから。最近はデザイン業界も厳しく、すべてがカラーで進行していまます。カラーでのプリントはただではないのに、その経費を請求できないことが多くなってきました。こんな状態でPDFに書き出してくれなどと言われたら、ムットしますよね。CIDが普及しなかったのは案外こんなことが原因だったのかもしれません。



NewCIDが発売され、アップグレードも開始されたようです。(9/8)

NewCIDは基本的にアクロバットでフォントを埋め込むためのものです。そのために今までプロテクトがかかっていた、モリサワ書体のプロテクトが解除され、フォント名を変更しただけのようですが、発売されるパッケージの内容が変更されました。今まで低解像度のパッケージにはプリンタにダウンロードするためのフォントと、モニターにアウトライン表示するためのATMフォントが同梱されていましが、プリンタフォントパッケージとATMフォントパッケージが別れて発売されました。なぜ・・・。

ATM専用が20,000円、プリンタフォントが29,000円。発売されていたCIDフォントは49,000円ですので、料金は変わりません。高解像度はプリンタフォントが229,000円だそうです。NewCIDをインストールするとアプリケーションのフォントメニューには「A-CID・・・」と表示されます。パッケージにはATM4.5ライトが付属します。

プロテクト解除とは、インストラーの制限が無くなったことではなく、以前と同じように、1台のMac、1台のプリンタにしかインストールできません。インストールしたハードディスクのトラブル等でフォーマットする場合は、以前と同じようにインストーラーディスクをモリサワに送り、プロテクト解除を依頼します。NewCIDはプロテクトが解除されたというよりも、「アウトラインプロテクトが解除された」というのが正しい表現でしよう。



Page99で配られた、モリサワのパンフレットに
こんなことが書かかれています。(99/2/4)

NewCIDは発表されたとおり、アウトラインがとれるようになった。対象アプリケーションは、イラストレーター7.xJ、8.0J、など。これ以外のイラストレーター5.5J、フリーハント8.0J、クォーク4.0JなどのアプリケーションはATMの次のバージョン(4.5以降)で利用可能になる。アドビアクロバットの次のバージョン(4.0)を使用すればPDFにNewCIDフォントを埋め込める。

一台のMacにOCFとNewCIDフォントをインストールできる。同一書体でもOCFとNewCIDフォントは名称がちがう。<例>じゅん101→A-CIDじゅん101。

OCFとNewCIDフォントの両方をMacOSにインストールしてあっても、イラストレーター5.5J、7.xJ、8.0Jは、OCFとNewCIDフォントを同時に使用できず、常にNewCIDフォントが優先されるので、OCFフォントを利用する場合、MacOSからはずし、リスタートする必要がある。

Adobe Type Reunion1.2がインストールされていると、フォントメニューに同一書体が2段に表示される。OCFとNewCIDフォントは同一書体でも名前を変更したため、別フォントとして認識されるので、OCFで制作されたものをNewCIDフォントに変更する場合は、いちいち書体メニューから指定しなおさなければだめ。

CIDフォントで追加した2文字や、字体切り換え機能を使用していないドキュメントは、OCF搭載のプリンタでも体裁をたもったまま出力できる。

現在発売中のCIDフォントをすでに利用している場合でも、プリンタフォントは同じ物なので、変更することなく使用でる。

イラストレーターはOCF(ATM・ビットマップ)とCID(新・旧)によって、文字の詰め情報の取得方法がちがっているので、スタンドアロンで仕事が完結しない場合は、注意が必要。OCFフォントを使用して作られたファイルはイラストレーターのplug-inの情報に基づいて文字を詰めるが、CIDフォント(新・旧)を使うとフォント自体が持っている詰め情報に基づいて文字を詰める。

CIDフォントはビットマップだけでは、詰め処理ができない。OCFとCIDの両方のビットマップがMacOSにインストールされている場合は、イラストレーターのplug-inの情報に基づいて文字を詰める。

イラストレーター7.0と8.0JでNewCIDフォントを使う場合は、必ずATMフォントを使うこと。