DTPの基礎知識-1
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DTPの基礎知識-1-画像

・ラスター画像

    ラスター画像はビットマップ画像とも呼ばれる。通常フォトショップはビットマップ画像を扱う。ラスター画像は、ピクセルと呼ばれる画像の構成要素が、ひとつの平面上に位置と色彩の値に従って配置される。

・ベクターグラフィック

    ベクターグラフィックはあらかじめ格納されている一連の数式に従って作成される。複雑なベクターグラフィックはさらにコンポーネント、別名オブジェクトに分解できる。各オブジェクトは線の折れ曲がりや太さなどの属性を持つことができ、それぞれのオブジェクトに色彩やパターン、透過性などの異なった属性が与えられる。通常イラストレーターはベクターグラフィックを扱う。

    ベクターグラフィックは常に出力デバイスの最大解像度で印刷する。600dpiのプリンターで72dpiのビットマップ画像を印刷すると72dpiの粗さでしか印刷されないが、ベクターグラフィックは600dpiでプリントされる。

・TIFF

    写真などのグレースケール画像を表現する方法として、アルダスやその他のベンダーが共同開発した、ラスター画像ファイルフォーマット。

・PostScript

    ASCIIコードでベクター画像を記述したテキストファイルで、ファイルを作成したアプリケーションがなくてもPostScriptダウンローダーユーティリティを使えばPostScriptプリンターでファイルを印刷できる。

・EPS

    PostScriptテキストファイルにベースとなる画像の低解像度PICTプレビューが付属している。テキストファイルはASCII形式かバイナリのいずれかで記述できる。バイナリファイルのほうがサイズか小さく印刷も高速に行える。

・EPSF

    正確にはEncapsulated PostScript File(カプセル化されたポストスクリプト)。基本的には他のソフトウエアに、その画像を割り付けられるための画像フォーマットである。プレビュー用として72dpi のビットマップ画像を持っている。データ形式はアスキー形式(コンピュータで文字を記述するための標準的なコード体系で、プログラムの記述の判読が可能)とバイナリーデータ(コンピュータ用に記述されたもので人間には判読できない)のどちらかを選べる。バイナリーデータで保存した場合、アスキーデータの半分近いデータ容量ですむ。

・CMYK TIFF

    このフォーマットで保存されるのは画像のピクセルとサイズならびに解像度だけであり、スクリーン角度やラインスクリーンなどを提供するのはプリンターやイメージセッターで、カラーを別々に印刷する場合ファイル全体が各カラーごとに4回プリンターに送られ、そのつどプリンターが1色だけについて適切な情報をとりだすのでブリント時間が長くなる。

    *ディスクトップカラープリンターで印刷を行う場合、解像度の低い代用ではなく高解像度の画像が出力される。

・CMYK EPS

    CMYK EPSはEPSファイルと同様にPostScriptコードと、CMYKカラーデータを格納した部分と、低解像度のPICTプレビュー画像でできている。

    CMYK EPSフォーマットはユーザーがクリッピングパスやスクリーン角度、ラインスクリーンなどを指定できる。ユーザの設定は印刷デバイスに優先する。

    *ディスクトップカラープリンターで印刷する場合高解像度のデータではなく、低解像度のプレビュー画像が印刷される。

・DCS-<Desktop Color Separation>

    クォークエクスプレスに割り付ける画像を対象とした、DCSフォーマットは多くの点でCMYK EPSフォーマットと共通点を持っている。DCSフォーマットはカラーを5つのファイルに分解する。4つは各カラーごとのEPSファイル。
    もうひとつは「マスター」低解像度PICTプレビューファイルだ。

    マスターファイルに加えられた変更は印刷のさい他のファイルに反映される。

    *ディスクトップカラープリンターで印刷する場合高解像度のデータではなく、低解像度のプレビュー画像が印刷される。

    *この形式で保存するにはフォトショップで画像をCMYKモードにしEPSFで保存する。

・デバイスインディペンデントとは

    マッキントッシュで作成するポストスクリプトページ記述では出力機に依存するような記述を行わなくても出力できるということ。

・ポストスクリプトインタープリタとは

    ポストスクリプトページ記述言語でかかれたプログラムを解釈するソフトウェアを「ポストスクリプト・インタープリタ」と呼ぶ。ほとんどのマッキントッシユ用アプリケーションは、LaserWriterドライバがポストスクリプトページ記述を作り出しているが、クォークやイラストレータなどの一部のソフトはアプレケーション自体が作り出している。

・PostScript Printer Descriptionとは

    PostScript Printer Description (PPDとも呼ばれています)は、テキスト形式のファイルでPostScriptプリンタ−で使用可能な特殊機能のための情報が納められている。
    これらのファイルに納められている内容はアプリケ−ションソフトウェアが使用できる特殊なフォ−マットで書かれている。
    PPD情報はプリンタ−ドライバ−が状況の判断をしたり、プリンタ−の特定機能を使用する判断に使用される。

    PostScript Printer Descriptionはそれぞれのバ−ジョンのプリンタ−に用意されている。(多くのドライバ−はバ−ジョンが違っていても機能に大きな変更がない場合一つのPPDを共通使用できる。)

・ポストスクリプト、レベル2とは

    ポストスクリプトは当初モノクロで、しかも欧米の1バイト文字のみに対応したものだった。後にカラー出力を可能にしたカラーポストスクリプト、日本語の出力を可能にする、コンポジットエクステンションを搭載した日本語対応ポストスクリプト、ディスプレイポストスクリプトなど次々に開発され、多様化したポストスクリプトを統合するため、機能をさらに拡張したポストスクリプトレベル2が開発された。

・その機能は

    2バイトコードへの対応。レベル2は日本語版と英語版のプログラムが同じで、フォントの有無だけが異なる。

    各プリンタごとにカラーデータを持つため、同じファイルを異なるプリンタで出力しても色の違いが最小限に抑えられる。

    データ圧縮、伸張アルゴリズムのサポートにより、印刷速度の向上が図られた。

    メモリ管理機能の改善。メモリの空容量をプログラムが有効に使用するようになったため従来よりも、メモリ容量に起因するエラーが減った。

    オペレータコマンドの拡充。

・ダイミックレンジとは

    ダイミックレンジとはハイライトからシャドーの濃度差をいい、原稿やスキャナ、プリンタ、ディスプレイとそれぞれ違ったダイナミックレンジを持つている。それダイナックレンジの数値が高いほど表現できる階調が大きいことになる。ポジフィルムが持つダイナミックレンジは2.8から3.2ぐらいだ。

・スキャナにとって最も重要な要素は原稿の持つダイナミックレンジをいかに落とさずにデジタル化できるかである。

    ダイナミックレンジがたりないとシャドーが表現できづ、暗い部分がすべて黒になってしまう。またハイライト部は、すべて白になってしまう。このようなデータはフォトショップでも補正できない。

・スキャンされた画像は「ねむい」画像が多く、フォトショップでは「レベル補正」機能を使ってねむい画像を補正できる。

    補正する場合、ハイライト・シャドーをきちんと入力しないと中間トーンしかない画像になってしまう。

・ガンマ

    モニターやプリンターはブラックやホワイトの再現性は高いが、その中間は任意に変化する。この中間調シフトのことをガンマという。ガンマ値が大きくなればモニター上に表示される画像はガンマ1.0のものと比べると、陰影がさらに細密になる。画像では、「ガンマ」が高いとコントラストが強くシャドーがつぶれ、ハイライトが飛びぎみになる。「ガンマ」が低いとコントラストが弱く、ネムイくなる。

・画素(ピクセル)

    主に、ディスプレイ画面を構成する最小単位の点を画素(ピクセル)ともいう。画面の横方向をX、縦方向をYとして格子状に区切り、1 つ1 つの画素を扱う。ディスプレイの解像度が640 ×400 の場合、横に640 個, 縦に400 個あり、1 画面で25万6000個の画素になる。

・スクリーニング

    製版フィルムに「網点」を発生させることを「スクリーニング」という。「スクリーニング」にはスクリーン角度、スクリーン線数、ドット形状の3 つの要素がある。画像の濃淡を網点の大小により表し、またCMYK各版に対してスクリーン角度をCyan版は15°, Magenta版は75°, Yellow版は 0°, blacK版は45°のように設定する。この方法は「ハーフトーンスクリーニング」と呼ばれている。

・ドットゲイン

    印刷時に、刷版の網点の面積が印刷物のインキの面積と同じではなく、印刷物の網点の方が大きくなることを「ドットゲイン」という。よい印刷再現を得るためにはドットゲインをなるべく小さくする必要がある。通常刷版を作る工程で、あらかじめ網点を小さく再現する方法が行われている。

・CIE(Commission International del'Eclairage)

    「CIE 」は「国際照明委員会」の略。カラーDTP を実現するためは周辺機器のカラースキャナ、ディスプレイ、 プリンタなどのカラーの統一が不可欠である。そのためには装置に依存しないカラーモデルが必要になる。コンピュータは色を数値で処理している。色を数値的に表す方法として客観的基準により決められた「CIE 色度図」がある。この数値を用いて色を図に表し、 CIE 基準で作られたものが「CIE 表色系色度図」である。色度図は同じ輝度をもつ全ての色を一つの平面上に表したもので、この平面上にすべての色は配置される。一般にいわれている「CIE 色度図」は「CIE XYZ 」のことで、装置に依存しないカラーモデルとして使われている。この「CIE XYZ 」は、PostScript(レベル2 )に採用されている。