DTPの基礎知識-3-出力する
目的の出力機で最良の画質を得るためには、出力機にみあった画像解像度が必要だ。画像解像度は、プリンターなどが再現できる線数がわかれば、スクリーン線数の2倍という法則を利用できる。
・PSプリンターで印刷する
300dpiのPSプリンターが推奨する線数は、53-60ipi
600dpiのPSプリンターが推奨する線数は、71-85ipi
1200dpiのPSプリンターが推奨する線数は、75-133ipi
とされている。
・自分が使っているプリンターのスクリーン線数を知るには、システムフォルダーの中の、プリンタ記述ファイル(PPD)をテキストエデタィーなどで開いてみると確認できる。「*DefaultColorSep: ProcessBlack.85lpi.600dpi/85 lpi / 600 dpi」などのような記述があるはずだ。見たとおり、デフォルト値として、85線、600dpiになっている。
・通常の低解像度出力機のPPDファイルは、2・3のスクリーン線数が選択でき、高解像度出力機のPPDファイルは様々なスクリーン線数が選択できるようになっているそうだ。
・400dpiのAカラーなどのカラーレーザープリンターで、カンプ用などに出力する場合、その画像の解像度は、114dpiあれば十分だといわれている。
*ただし貼り付けたあとで拡大縮小すると、このルールが適応できない。
*縮小の場合は解像度が高くなるので問題ないが、拡大するとスクリーン線数の2倍に達しないので画質が落ちてしまう。
・出力解像度と線数がわかればそのプリンタが表現できる
階調数が算出できる
(600dpi ÷85lpi)の2乗+1=約50階調
(300dpi÷60)の2乗+1=26諧調
*同じ出力解像度なら、線数が低いほど表現できる階調数は多くなるが、一つの網点(ドット)が大きくなってしまうため、粒子の粗い画像になってしまう。線数を高くすれば階調数は減るが、粒子の細かい画像になる。
・出力解像度1200dpi・133lipでは、82階調
・出力解像度1200dpi・150lipでは、64階調
*つまり、1200dpiで出力依頼した場合、133線よりも150線のほうが再現できる階調数が減る。
*150lipで、256階調必要なら出力解像度を2400dpi以上にすればいいことになる。
画像を構成するハーフトーンセルの分割数は
使用しているプリンターのスクリーン線数で決まる。
単純に計算すると
(300dpi÷60線)の2乗+1=26諧調 を表現するには5×5のセル。
(300dpi÷80線)の2乗+1=15諧調 を表現するには3.75×3.75のセル。
※300dpiとは、そのプリンターが1インチの中に出力できる、ドットの数です。
スクリーン線数が高くなればハーフトーンセル数は多くなる。60線とは1インチの中に60のスキャニングライン(ハーフトーンセル)があり、80線の場合は1インチの中に80のスキャニングライン(ハーフトーンセル)があるので当然だ。そして表現できる階調数が少なくなる。たとえば、300dpiのプリンターで256階調表現しようとすると、約18線ぐらいのスクリーン線数になるが、1インチ=2.54mmに18個のハーフトーンセルが並ぶとかなり粗い出力になる。
・イメージセッタ(カラー)
イメージセッタで出力する出力解像度(dpi)は、たとえば1200dpiとか2400dpiなどは、線数と階調数によって決まる。通常フルカラー印刷は各版(CMYK)とも256階調必要とされるので、実質上、スクリーン線数で出力解像度が決まる。
256階調を出力しわけるには、256=16×16のドットをひとつの単位とする。
この16ドット幅を印刷のスクリーン線数の1ライン(line)とする。
たとえば、150線(lpi)で印刷するなら、1インチ幅に150本のラインが入っているわけだから、150×16で2400dpiの出力解像度が必要になる。
印刷の線数×16=出力に必要な解像度(dpi )となる。
*あくまでも256階調を前提としたことで、モノクロり線画や文字だけの場合は1200dpi / 133lpi で十分だとされている。
※通常、印刷するスクリーン線数をきめれば、解像度は自動的(175線×16=2800dpi)にきまることになる。
・サービスビューローでは
133線--1200dpiから2128dpi
150線--2400dpiから2800dpi
175線--2800dpiから4064dpi
としているようだ。
・昇華型プリンターの3Mレインボーは300dpiの解像度だが、1インチあたり、300の色の同一正方形の寄り集まりだ。3Mレインボーは全てのドットにカラー情報と階調がある。同じ300dpiのQMSカラープリンター(今もあるのかな)は、点と認識されるものの大きさがいろいろあり、しかも4色の別がある。QMSカラープリンターはビットマップによるデジタルハーフトーンで表現された4版掛け合わせである(印刷物と同じ原理)。
ハーフトーンスクリーン
階調を表現するために、従来のオフセット印刷では網点(ハーフトーンセル)の大きさを変えることで階調を表現している。例えば50%のグレーは大きめの網点が並び、10%のグレーは小さい網点が並ぶ。
デジタルでは、ハーフトーンセルの分割数により表現できる階調数が変わり、そのハーフトーンセルに出力するドットの数で階調の変化を表現している。
たとえば、縦4×横4のドットをひとつの ハーフトーンセルにした場合、
4×4=16諧調表現できる。
またその(300dpiのプリンター)線数は、300dpi÷4=75lpiとなる。
つまり、300dpiでスクリーン線数が 75lip のプリンターは、1インチあたり、75個のハーフトーンセルが並んでいることになり、表現できる階調数は16。
・通常フルカラー印刷は各版とも256階調必要とされるので
256階調=タテ 16×ヨコ16
でひとつのハーフトーンセルをつくる。
通常のオフセット印刷に必要な線数=175線で出力したいなら、
16×175線=2800dpi
256階調表現するには、2800dpiの出力解像度をもったプリンターが必要になるわけだ。