宇宙海洋開発について

 

私は日本の将来にとって「宇宙開発」と「海洋開発」が必要欠くことのできない重要なプロジェクトであると常々思っていた。

島国で資源の少ない日本といわれているが広大な日本海域を含むとその面積は大変な広さとなる、その資源はまだ未知なる部分が多く、これからのその開発によってはけして小資源国家とは言っていられないことになる可能性を秘めている。

又宇宙開発についても同様ではあるが、今までの日本の宇宙開発はたびたびの宇宙衛星の打ち上げに失敗したことを見ても一目瞭然、その組織作りの失敗と人材の選択を誤りこの期に及んでいる。

ややもすると将来に対する夢と希望を見失いがちな今の日本で、国内の政治案件をきちんと処理することは言うに及ばずだが、この壮大なプロジェクトを国家の重要課題とし早急に再度体制の立て直しを行い我々にその夢と希望を与えてほしい。

ことごとく中国にその夢を奪われてゆくのを見るにつけ、我々の将来がますます悲観的になるような国家であってほしくない。

以下に宇宙開発専門委員の1人である山根一眞氏のコメントを紹介する。

 




 「有人宇宙飛行計画」の新たな論議を(ノンフィクション作家 山根一眞)

03.10.31

10月15日、中国が有人宇宙飛行に成功したニュースは、宇宙分野のみならず多くの先端技術者たちに体を引き裂かれるほどのショックを与えた。私も夜、眠れぬほどの悔しさを味わっている。

 日本は資源も土地もエネルギーも乏しい島国だけに、日本が今後も国力を維持していくためには、これからも高度の技術開発力に裏付けられたモノ作りに格段の力を入れていかねばならない。この日本の技術開発力にさらなるダイナミズムを加えていくためには、より大きな研究開発と人材や中小企業を育成していく環境が必要だ。

 
その目標として有人宇宙飛行以上のものはないだろう。格段に大きな緊張感と裾野の広い未踏分野の研究開発が求められるからだ。中国はそれを成し遂げたが、日本は実はその大きな目標を捨てている。2003年6月、総合科学技術会議の宇宙開発利用専門調査会が出した「今後の宇宙開発利用の基本方針」で、「有人宇宙活動について、我が国は、今後10年程度を見通して独自の計画を持たない」と明言したのである。

 
「何かをしない」とわざわざ明言したことは、今の日本が陥っている脆弱さを物語るが、この「夢の放棄」を中国が報じたことには、じくじたる思いだった。私はこの会議の専門委員の1人で、私も含め委員の多くが「有人」を強く主張した。だが宇宙開発予算の大幅削減や開発主体の民間移転が強調され「有人構想」はなぜか記されなかった。

 人類が宇宙への挑戦を続けてきたのは、人々が「宇宙へ行きたい」からだ。今日のジャンボジェットによる海外旅行のように宇宙旅行ができる時代を人々は求めている。宇宙観光は確実に大産業になるが、将来、日本が中国にお金を払い宇宙へ連れて行ってもらうだけの存在になるのでは、あまりにも情けない。日本の宇宙開発のありようを、改めて広く論議を重ねてほしいと願っている。


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