銚子電気鉄道 訪問記

「廃業の危機を救った、奇跡の“ぬれ煎餅”」

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銚子駅JR線の2,3番ホームの東側に

かわいらしい銚子電鉄の入口がある


2011年 8月24日(水)


銚子電気鉄道(略:銚子電鉄)が経営赤字で電車の修理代を稼がなくてはいけないと、副業として“ぬれ煎餅”を製造・販売して危機を救ったとの話で、訪問をする事にした。





(左)銚子駅に入線をした2両編成の列車からは
多くの乗客が降りて来た

(右)仲ノ町駅にある車庫には
日本一小さい機関車がある

2011年8月24日(水)JR総武本線を利用して銚子駅に向かう。終点の銚子駅に近付くとヒゲタ醤油工場のタンクが目立つ、ゆっくり電車を転がす様なスピードで銚子駅に到着した。銚子駅の東側にはヤマサ醤油の工場があり、ここ銚子は醤油の町でもある。

銚子電鉄の起点である銚子駅はJRと共同使用であるが、ホームはJR線ホームの2番線と3番線間に有る。このホームを東側へ歩いて行くと、とんがり帽子の屋根をした銚子電鉄ホームの入口がある(無人)。

11:14発の電車に乗る事にした。11:03頃に緑色の車体を左右に揺らしながら2両編成の電車が入線してきた。夏休み中なので子供連れ等、結構多くの乗客が降りて来た。折返し電車は定刻に銚子駅を発車、JRの車輌基地を抜けると大きなヤマサ醤油工場がある。今度は銚子電鉄の車輌基地が見えて来て、待機車輌が点検をしていた。そこが銚子電鉄の本社がある仲ノ町駅で、車両基地には日本一小さな機関車デキ3も置いてある。


(左)何ともメルヘンテックな観音駅
ここでもタイ焼きを売って、売り上げ貢献

(右)観音駅に入るとそこがタイ焼き売り場
女性2人で売っている

仲ノ町駅を出て市街地を1分30秒も走ると観音駅に着く。この駅舎はスイス風の駅舎に出来ていて、中では名物のタイ焼きが販売されていた。(1個90円)

観音駅を出ると、今までと雰囲気が異なり山の中と言う感じの坂を登って行く、1分40秒位で本銚子駅に着く。駅の前方には清愛橋が架かっており、そこからの写真撮影はベストポイントの一つである。


(左)本銚子駅の前方には清愛橋がある
電車の撮影ポイントである

(右)清愛橋からの写真です
銚子駅からの電車で本銚子駅に到着する所

本銚子駅を出ると2分で笠上黒生(かさがみくろはえ)駅に来る。ここが中間点となる駅で、ここで行き違いが行なわれる。ここまでは車掌が乗車しているが、この先はワンマン運転になる。ここから両サイドが田園風景となり1分位走ると西海鹿島駅に着く、更に1分弱直進すると海鹿島駅に来る。ここが関東最東端駅であり、駅前にある案内板によると、昔は近くの岩場にアシカがいたらしい。海鹿島駅を出るとすぐに右へ大きく曲がり南下する。約2分で君ヶ浜駅に来る。そして次が犬吠駅である。


(左)犬吠駅の改札を出ると右側に
“ぬれ煎餅”コーナーがある

(右)犬吠駅前広場
立派な駅舎と旧型車両が展示してある


今回の目的である“ぬれ煎餅”がこの犬吠駅で売られている。ポルトガル風の駅舎の中で“ぬれ煎餅”が売られていた。ここには案内所お土産や等があり、所狭しと観光宣伝がされている。当然ここで“ぬれ煎餅”を買った。味見サンプルを頂いたら、しっとりとした感じで、たれが煎餅の中までしみ込み、軟らかく美味しい、人気になるのは当然に思えた。今日はこれで満足をした感じになっていたが、折角なので犬吠埼灯台を見学に行く事にした。


(左)犬吠埼灯台の入口
入場料は寄付として200円

(右)灯台の展望台より太平洋を眺めると
何だか地球が丸く見えませんか?

犬吠駅を出て左・左へ行くと犬吠埼灯台の案内があり更に進むと灯台の入口に来る。早速灯台を登るがエレベーターが無いので99段の階段を上り展望台まで来る。思ったより中は狭く、上の方に来るとすれ違えないので譲り合いで行くしかない。『高さは地上から27m、水面上から52m。初点灯:明治7年11月15日。光度110万カンデラ。』(周知版より)

『犬吠と言う地名のいわれは義経の伝説がある。兄頼朝に追われ奥州へのがれる途中、銚子へ立ち寄った義経は、その愛犬を残して去ったが、主人をしたうあまり七日七夜岩頭で吠え続けたところから犬吠埼と名付けられたと言い伝えられています。』(周知版より)


(左)終点外川駅前にはNHK朝連
「澪つくし」の説明書きがある

(右)外川駅はホーム1面1線と留置線
その先には車止めが見える

犬吠駅から2分弱で終点外川駅に着く。この外川駅は単式ホーム1面1線と留置線1線あり、駅員配置駅である。近くに外川漁港があり、沖釣りの遊漁船の基地、観光客向けイルカ・くじら観察、サンセットクルーズ等を実施している模様。またNHK朝連「澪つくし」(1985年4月1日〜10月5日放送)のロケ地となったところでもある。

乗客の数、副業の取り組み、従業員の応対等を見る限りでは近未来は赤字経営を解消できるのではと思われるが?今後を見守る必要がある。

銚子電気鉄道:営業開始、大正12年。営業距離:6.4km。駅数:10駅。軌間:1067mm。電源:直流600V。全区間:単線。所要時間:21分。

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