“「いすみ鉄道」”訪問記

菜の花にぴったりの黄色い車輌

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東総元駅・久我原駅の間




2011年 4月3日(日)



いすみ鉄道は元国鉄木原線が1988年3月24日廃止となったが、地元やファンの人々の「ぜひ存続を!」との熱い思いに支えられ、第三セクター化された鉄道である。この路線には特別な観光地がなく、東京方面からの観光客を招くには何か名物を作る必要がある。利用者は地元民と学生さんが中心で、乗客が減少の一途をたどり赤字経営が続いている。そこで経営立て直しの為に社長を一般公募して再スターを切ったので確認をしたいと思い訪問をした。




(左)いすみ鉄道・大原駅ホームに待機中の車輌

(右)沿線には今が盛りの菜の花が咲いている


2011年4月3日(日)外房線を利用してJR大原駅へ9:22に着いた。JRのホームから2両編成の黄色いディーゼル車が待機しているのが見える。通常は1両で運転しているが、この時間帯は2両運転なのかもしれない。今は菜の花が真っ盛りで線路の両サイドにいっぱい咲いて、車輌の黄色とマッチしている。国道465号線に沿ってJR大原駅から小湊鉄道と接続する上総中野駅まで行く。全距離:26.8km、単線、全14駅、途中交換可能駅:3駅、となっている。


(左)カーブした西大原駅

(右)上総東駅で待機中の上り列車



いすみ鉄道、上総中野行きは定刻の9:42に大原駅を発車した。200m位北の方向にJR線と並走するが直ぐ北西方向へ向きを変え田園風景の中を淡々と走る、線路の両側には菜の花がいっぱい咲いている。カーブした小さな西大原駅を過ぎると次の上総東駅に着く、ここでは交換設備があり上りの列車が待っていた。


(左)菜の花の中にポツンとある新田野駅

(右)たまたま撮影中の演歌歌手


この駅近くには小さな工場や民家がある。列車は町の中から田園地帯へ進むと菜の花が満開の新田野(にったの)駅に来る。この駅は菜の花の真中にポツンとある感じで絵になる様な駅である。ここでは女性の演歌歌手が菜の花の中で撮影をしていた。




(左)国吉駅にはいすみ市商工会館が併設されている

(右)菜の花に囲まれた城見ヶ丘駅


次の国吉駅は、近くにいすみ市の市役所、郷土資料館等があり交換設備もある立派な駅舎である。上総中川駅を過ぎると城見ヶ丘駅に来た。ここも小さな駅であるが周りは菜の花で囲まれている。ここにも5〜6人のアマチュアカメラマンが菜の花の中を走る黄色い車輌の写真を撮っていた。



(左)大多喜駅では多くの乗客が降りた

(右)大多喜駅の車輌基地とキハ52-125号車(右端)


始発から30分位乗ったであろうか、大多喜駅に着いた。この駅には本社と車輌基地がある。今日はタイミングが良いのか、JR大糸線で活躍をしていたディーゼル車キハ52-125号車が転属して大多喜駅で公開試運転及びチャリティー撮影会がある模様で、多くの家族連れが来て駅はごった返していた。2両編成満員の乗客が6〜7割位が降りてしまった。



(左)東総元駅で菜の花と列車の写真を撮りに多くの方が来ていた

(右)東総元駅屋根には大吉の文字が書いてある


子供達はほとんど降り、座席に座り一息入れたら発車をした。次の小谷松駅を過ぎ東総元駅に着く、この駅舎は平成20年にTVチャンピオン大工王によって建てられた開運駅である。ここも菜の花がいっぱい咲いており、大勢のカメラマンがチャンスを狙っている。そこには桜の木も沿線に多く、まだ桜の花は咲いていないが一週間後頃には満開になり、菜の花との共演になると思われる。


(左)鉄橋の上から釣りをするムーミン

(右)運転席の横には、ムーミンのパパとママ


ひっそりたたずむ久我原駅を過ぎ、山を登りながら右方向に曲がって行くと夷隅川を渡る鉄橋がある、そこでムーミンが釣りをしているのが見える。2009年10月には経営立て直しの一環でムーミンをあしらった列車の運行を開始している。車内のあっちこっちにムーミンファミリーグッズが置いてある。



(左)趣のある西畑駅

(右)終点近くにある菜の花


列車は山間を登り総元駅に着く、ホームの端には菜の花やスイセンがいっぱい咲いていた。そこを出発すると菜の花がいっぱいある畑の中を通り西畑駅に着いた。次は終点の上総中野駅である、車内放送で、『いすみ鉄道は地球温暖化が懸念される中、環境にやさしいバイオディーゼル燃料を軽油に混ぜて運行している。これは地元の家庭で使用済の天ぷら油を再生して油に混ぜ利用している、二酸化炭素の削減に協力している』とのアナウンスがあった。


(左)上総中野駅で小湊鉄道と並んでの写真である

(右)上総中野駅前では子供達がハイキングに出かける所である


始発から55分位乗ったであろうか、終点の上総中野駅に着いた。隣のホームには小湊鉄道の列車が入っている。大多喜駅からは途中の乗り降りがあるものの、人数はあまり変わらずであった。本日は日曜日なので、ウイークデーは分らないが、全体的に見れば廃止をする様な状況ではない様に思えた。

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