N700系新幹線

あんちゃんの旅TOP 鉄道訪問一覧

東京駅にて、写真に入らなかった“のぞみ1号”の鼻先

N700系新幹線

2007年 9月23日 (日)

まだ薄暗い朝、5:03発の丸ノ内線に乗るため新宿御苑前駅へ行ったら、ホームには既に20〜30人位の人が一番電車を待っていた。しばらくしたら定刻通りに電車が入線して来たが、空いているかと思ったら意外と多くの人が乗っていて、早朝の利用者は結構いるものだと思った。四ッ谷駅でJRに乗換え東京駅に向かった。

今年7月1日より東海道・山陽新幹線に営業運転が開始されたN700系に乗るため、東京駅から新神戸駅まで行く事にした。この“のぞみ1号”は東京駅〜新大阪駅間を2時間25分で走る。

東京駅には5:20頃に着いたが、改札までちょっと時間があるので地下コンコースにある売店でランチパックとペットボトルに入ったお茶と缶コーヒーを購入した、いつものパターンである。新幹線用改札機の前で待っていたら5:30ジャストに改札機が動き始めた。

14番ホームには既にN700系が入線していた、早速外観と先頭部分を写真に撮ろうと思ったが先端部分が長すぎて写真に納まらなかった。発車間際になってから急に乗車をする人が入ってきて、半分位の人が乗車をした。

東京駅を6:00定刻に出発した。今までの新幹線では気が付かないうちに、いつの間にか走り出していた、という感じであったがN700系は通勤電車と同じ感覚の加速度でスタートをした。背中が背もたれに押し付けられるような感じでスピードを上げていった。

『N700系の起動加速度2.6km/h/s、700系は2.0km/h/sで、発車から東海道新幹線最高速の270km/hに達するまでの所要時間がN700系は約180秒。700系は300秒を要する。2.6km/h/sとは通勤電車の領域である。』パンフレットより。

すぐに品川駅に到着し、そこで乗客が乗り込み、新横浜駅でもまたまた大勢の人が乗り込んで来た、満席である。東海道新幹線はドル箱路線と言われているのが良く分かる。新横浜駅を発車するとスピードは今まで以上に加速度を増して、高速運転中でも更に背中を押される感覚でハイスピードになって来た。

相模川を渡った後トンネルの前後にR=2500mの所がある、ここは大きく右に傾斜する。新丹那トンネルを出てからと富士川を渡った所、等。鉄橋やトンネルは出来るだけ直線で造りたい、その為、その前後にはカーブがある。以前の会社にいた時、客先が掛川駅近くにあり通った事がある、その掛川の前後にもR=2500mがある。

新幹線はもともとカーブを少なく設計されているが、東海道新幹線はカーブが多い、最小曲線半径はR=2500mである、良く注意してみていると、車体傾斜装置が働いているのが分かる(最大1度)。しかし在来線の振り子形列車、小田急50000系傾斜制御装置列車のような窓に地面が近付いて来る傾斜感はない。山陽新幹線では曲線半径もR=4000m以上がほとんどで車体傾斜装置を働かせていない(出来ない)。東海道新幹線は2006年の3月にデジタルATCに変わったが、山陽新幹線は旧来のATCであるため対応が出来ない。要するにレールの傾斜角(カント角)と同じ角度に車体が傾くようになっている(従来通り)。

7:10頃、浜松駅を通過、N700系の座席には窓側(グリーン車は全席)に電源コンセントがある、以前パソコンの電源がなくなり困った事があった、次回は使用してみたいものだ。

名古屋駅、京都駅と順調に走って、8:25定刻に新大阪駅にすべり込んだ。東京駅―新大阪駅間は2時間30分から2時間25分と5分短縮された。車体傾斜装置を働かせた事により、R=2500mの所を250kmに減速をせずに270kmで通過が出来た事と、スタート時の加速度が上がり、早く定速の270kmに達したからだと思う。

N700系車輌の入口と全周ホロ 普通は高速になると、トレードオフの関係にある乗り心地、騒音、省力化、等があるが、N700系車輌はそれらのマイナス点は感じられなかった。むしろ乗り心地は車体傾斜装置の働き、セミアクティブ制振制御装置を全車両に取付けた事、車輌接続部に全周ホロを設置する事により、風きり音が減少して快適であった。省力化に関してはJRのデーターからであるが、時速270km/hの電力消費量は700系100%とすると、N700系は81%である。等を考えると現段階では最高級の車輌であるように感じられた。

* セミアクティブ制振制御装置・・・車輪にはフランジが付いておりレールから車輪が逸脱しないようにしている。レールに乗った車輪踏面はわずかな勾配が付いていて、フランジから遠ざかると車輪の径は小さくなる。カーブにさしかかると、車軸は遠心力により外軌側に押し付けられ、外軌道は車輪径の大きい部分で、内軌道は小さい部分に接触する。これにより車軸は曲線に沿って転がるよう自己操舵機能が働き、カーブ走行を可能にしている。直線部分を走行する時は、踏面勾配が影響して、車輌中心を軌道中心に合わせようとする復元力を与えるが、何らかの変化があると蛇行動しやすい。その蛇行を高性能ダンパーで制御をする装置を言う。

新大阪駅までと当初は考えていたが、デジタルATCでない(車体傾斜装置動作ナシ)部分も乗車してみたいと思い、新神戸駅まで行く事にした。

新大阪駅―新神戸駅間ではカーブ時、やはり体が若干ではあるが外側に寄せられる感じがした。車体傾斜装置が働けば、これがなくなると思われるが、もともと山陽新幹線はカーブが少ないので必要が無いかもしれないが・・・。

2011年春に山陽新幹線が九州新幹線に乗り入れる予定であるが、デジタルATC、車体傾斜装置等、新技術をどうするのかは検討課題かも。もしかしたら直通用の新車両が開発されるかもしれない!楽しみである。

鉄道訪問一覧