2001年9月11日米同時多発テロ以後の
米軍岩国基地の動きの特徴














(岩国・玖珂原水協、岩国平和委員会編、基地パンフ二〇〇二年八月版より) 

最近の特徴的動向

1)2001年9月11日 同時多発テロ以後

 米軍岩国基地は、最高水準の警戒態勢をとり、127ミリの重機関銃を装備した車輌を正
門と北門に一定期間配置し、滑走路は
24時間運用とし、あらたにCH53 D大型ヘリコプター
・シースタリオン
8機・兵員180人をハワイから移駐しまし た。一方、EA6Bプラウラー電子
戦機
5機を6カ月ぶりに配備し、化学兵器攻撃を想定した演習をくりかえすなど、戦闘即応態
勢をきわだって強化しています。

2)繰り返される化学兵器攻撃想定演習

 米軍は200111月、日本人従業員、兵隊や軍属の家族ら基地内の民間人全員を対象に、
工業用のガスマスクを支給する方針を明らかにし、ひとりずつガスマス

クのサイズを測り、着用方法の講習をおこないました。

3)化学物質検査機RSCAAL(リモート・センシング・
ケミカル・エイジェン
ト・アラーム)

正門に配置されたRSCAAL装置車両

 この検査機は、70度の円弧内を3マイルに及び気体状
の化学物質を検知するも
ので軍用車両の上に取り付け
られ正門の横に配置されていました。

4) 非戦闘員退避訓練

 200110月、米軍は米兵の家族500人以上が参加して
非戦闘員退避訓練(
NEO)をおこない、12月中旬と2002
1月中旬あわせて8日間、生物、化学兵器攻撃に対応す
る民間防衛訓練をおこないました。

5) 情報収集機能の増強

 20021月、6カ月ぶりにEA6Bプラウラー電子戦機が5機、2月には写真偵察機RF184
配備されました。岩国基地は海上自衝隊の電子情報収集機
EP3や画像情報収集機OP3Cなどと
ともに、
5月には「航空衛星地球局」を開設し、情報収集機能をいちだんと増強しています。
(6) CH53D大型ヘリコプター シースタリオンが新たに配備

 海兵隊強襲侵攻作戦用に開発された米軍最大のヘリコプターで、普天間の海兵第36飛行大
隊の
CH53Eヘリ部隊の指揮下に入る。(沖縄普天間基地には、CH53E15機配備されてい
る。)
155ミリりゆう弾砲など重装備品や車輌、兵員55人をいちどに輸送できる。CH53D
70
年代後半製造の耐用年数をこえ、老朽化したもので、事故率は全海兵隊ヘリ5機種の中で
最高。

 2002314日にはさっそく「エンジン系統の異常表示」で広島空港に緊急着陸するという
事故を起こした。

CH53D大型ヘリ02.2.7着陸寸前のCH53D大型ヘリ(ここまで基地
パンフから



(7)基地内を13のセキュリティゾーンに金網で仕切って
 昨年12月20日付け米海兵隊のホームページで、岩国基地内を13のゾーンに分け、生物化学
兵器に対応する新防衛体制を導入したこと、このことが全海兵隊の新計画の「モデル」にな
ることを明らかにしている。現在、岩国基地は黄色に赤色でゾーンを示すアルファベット
(A〜M)が書かれているプレートが各所で見られる。
(日本共産党久米けいすけ県議のHP,へ)



(8)市民の基地監視を米軍が監視?
 
2002年2月突如として基地監視のポイント二箇所に木製と
鉄骨の二種類のやぐら上のものが建設された。一箇所は滑
走路の延長線の少し南、船だまり付近の監視地点。もう一
箇所は基地東端市のし尿処理場の奥突き当たりフェンスの
二箇所。監視用としか考えられない。






















○ R F18写真偵察攻撃機

 全天候戦闘攻撃機FA18Dホーネットを改良したもの。 機首に光示撮影機やデジタル記録
装置。 データリング装置を装備。
FA18Dの攻撃能力を維持し、昼夜・全天候偵察が可能。
212戦闘攻撃中隊に4機編入。)

 ○ EA6Bプラウラー電子戦機

 電子情報収集、電子妨害、目標攻撃の三つをこなせる多機能機で、現代戟ではきわめて重
要な任務をもつ。

 
○ AV8Bハリアーについて

 岩国基地にいるハリアーは、「沖縄に関する特別行動委員会」SACOの最終報告で20機が
6機になっている。
岩国のハリアーは、佐世保に配備されている強襲揚陸艦「ベローウッド」に搭載されるもの
で、そのため岩国には一年のうち
4カ月ぐらいしか滞在していない。ベローウッドに載ってい
るか、沖縄の嘉手納基地で訓練していることが多く、そのときは基本的に
31海兵遠征隊
31MEU)の指揮下にはいる。 事故の多い欠陥機である。


市民に銃口むける米兵
岩国基地ーテロ攻撃への対応訓練

 山口県の米軍岩国基地で二十八日、米軍による民間防衛訓練がおこなわれました。昨年の米国多発
同時テロ以後、三回日の訓練となります。
 この訓練は、非常事能にたいして基地内民間人の人命、財産を防護する目的でおこなわれていますが、
今回は「テロの脅威にたいする基地の対応能力を試すため」と米軍は発表しています。
 午前九時前、基地正面ゲートに防弾チョッキのような服を着用し、自動小銃で武装した米兵が、テロに対
抗するようにコンクリート製の防護ブロックを盾に、市民の方に銃口を向けていました。近くには、このよう
すを多くの自衛隊員が視察していました。
 基地内のラジオ放送では、断続的に「エクササイズ、エクササイズ」と訓練の実施を意味するニュースを
報じ、基地内の消防車や救急車も出動していました。
 北門ゲートには、基地が警戒体制(アルファ)に入っていることを示すボードが置かれていました。
 訓練を監視していた久米慶典党県議は「このような訓練がおこなわれ、実際に警破体制がしかれてい
るということは、米軍岩国基地が攻撃をうける可能性が大きいことを示している。住民の平和と安全を守
るために基地をなくす、さらに大きな運動が必要だ」と語っていました。(赤旗02.8.28)

米兵住宅の屋上(左)
ゲートボックスの左と右コンクリートブロックの所で銃を構える米兵
28日付け朝日新聞が大きく報道 
岩国市などは特に申し入れをしていないことを指摘していました。
テロ訓練朝日新聞28日付朝日新聞より
















戦闘攻撃機パンクで滑走路を閉鎖

02年7月18日午前9時半ごろ、米空母キティホークの艦載機(厚木基地所属)FA18Cホー
ネット戦闘攻撃機が、米軍岩国地に着陸した際にパンクして、滑走路が一時的に閉鎖され
る事故があったことが明らかになりました。

 これは岩国市へ、基地内で消防車が走りまわっていると市民から通報があり、岩国市から
米軍へ照会して初めてわかったものです。岩国市は米軍に対して速やかな情報提供を求めま
したが米軍からの明確な回答はないとのことです。

 

在日米軍のPCB本国へ数年で移送

在日米軍全体で3100トン

 東京の米政府当局者は828日在日米軍施設内で保管されている、有毒のPCB(ポリ
塩化ビフェニール)を含んだ廃棄物が、現在使用中のものを含めて総量が
3118トンで
あることを明らかにしました。そしてすべてを米本国へ移送を計画中であるとしまし
た。しかしこのうち
2238トン(総量の72%)は現在も使用中であり移送には数年かか
るとの見通しを示しました。

 岩国基地内にも保管倉庫があることが日本共産党の久米県議の調査でわかっており問
題になっていたものです。今後どこにどのような形で存在しているのか、また廃棄計画
の見通しなど究明していく事がもとが求められます

 

岩国基地所属機がまた事故

エンジン部分の油漏れが原因と

 02.8.29、岩国基地所属のプロペラ連絡機UC-12ヒューローンがエンジンから白煙が出たと言うこと
で石見空港に無連絡で緊急着陸すると言う事故を起こしました。

 米軍によると同機は岩国基地から、韓国のオーサンに向かう通常の飛行訓練中に、煙霧を確認し
たこと、通信ができない状況も発生していたため緊急着陸した。そしてCH
53が援助のため出動した
……等岩国市に連絡してきた。

 岩国、由宇、山口県の三者は安全確認など徹底するよう30日米軍に申し入れた「その際事故原因
はエンジンのシール部分のオイル漏れであった」事を明らかにしました。