ここ最近、某ファンド会社が某会社の株式を3分の1超取得したことが話題となっています。3分の1超を取得すれば、重要な決議に対し否決権を行使できる、と報道されています。
これをもう少し詳しく言うと、会社は重要な決定をする場合には、株主総会を開催しなければなりません。その際、決議事項を承認するか否かは株主が決定します。承認されるための要件は、決議事項の重要性により異なり、普通決議と特別決議に分かれます。より重要な事項の承認を受けるための特別決議の承認要件が、「総株主の議決権の過半数を有する株主が株主総会に出席していて、その出席している株主が有する議決権の3分の2以上の賛成を要する。」というものです。原則的に1株には1議決権があるので、3分の1以上を所有する株主が、決議に反対してしまったら、その決議は否決されてしまうことになり、結局、3分の1超の株式を有する株主は、その会社に対し、大きな影響力を持つことになるのです。
来年には、商法が改正され、新しく会社法が施行されることになります。新会社法は、使いようによれば、より容易に、企業の合併・買収などが行えるようになっています(一部適用が1年間猶予される条文も有りますが。)。今後、益々、外国会社による買収等が増加してくると思いますが、でも、やっぱり個人的には、人の感情や、思いを踏みにじるような、一方的なやり方は、最後には結果として、自分に返ってくると信じます。逆に自己の会社が敵対的買収の対処となってしまったら、どうでしょう(まあ、きっと、何らかの防衛策は既にとられているとは思いますが。)。自己の利益(金)のために、伝統や文化を無視して、突き進むのは、如何なものかといつも考えます。アメリカの資本主義が最も優れたものであるとは決して思えませんし。日本国民として広い視野で、物事を見て、考えていきたいと思います。
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