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■いい建築をつくる

 「個人で依頼できるのでしょうか」という質問を何度かいただいたことがあります。
もちろんYesです。むしろ依頼いただくのは個人の建築主のほうが多いのです。

でも、なぜこういう質問があるのでしょうか。入りにくい雰囲気があるのかも知れません。しかし、それ以上に建築を
建てる建築主の中には設計事務所の役割をご存じない方が結構いらしゃるのではないか、と思うに至りました。
なぜなら、建築主にとっての建築のつくり方について、学校教育の中ではまったく教えていないし知る機会もないからです。

そして、はじめは良い建築を建てたいと想っているものの、建ってみれば、いい建築もあれば、そうでないものもあります。
これは予算の問題とは別にあります。まさにデザインの問題です。デザインには形だけでなく機能も含まれるのです。

いい建築をつくるにはどうするのが良いのでしょうか。

 まず建築を建てる際には、住宅メーカーや建設会社に行く前に、まず設計事務所に相談するのがよいと私は考えています。
なぜなら大半の独立した設計事務所は施主側の利益を守る立場に身を置き、いろいろな建築の長所・短所を知った上で
中立の立場で適切なアドバイスを行う指南役の専門職だからです。
住宅メーカーや建設会社に依頼するのは、設計事務所の話を聞いてからでも遅くはありません。
いいものを安くつくるなら、実は設計事務所の方が可能性が大きいのです。

 設計事務所に依頼する場合には、できるだけ信頼できる、有能な設計者を選んでください。
なぜなら、設計者は施主に次いで最も影響力のある役割であって、作品の良し悪しは設計者にかかるといっても過言ではないからです。
建築はお金をかければいいものができるとは限りません。お金がなくても設計(デザイン)が良ければ、よいものができる可能性が高いのです。
「お金がないは知恵がない」という言葉があります。知恵を実践するのが設計者です。

良い設計者を選ぶには、面談の上で人柄をみて、作品などを実際に見せてもらい、判断するのが理想であると思います。
いたずらに設計を競わせ、事前に費用のかかるものを要求するのは結果的には建築主のメリットにならない場合があるので
注意が必要です。
設計者を選ぶために設計者の考え方などをまとめたものなど、最小限必要なものを求めることは良いアイデアだと思います。

青山設計でも、建築についての相談をいただく際には費用をいただいていません。気軽に相談ください。


■設計事務所の役割

 設計事務所の役割にはどういうものがあるのでしょうか。
その役割を簡単にあげてみましょう。

0.事業計画作成のサポート
1.建築主の希望に合った建築をいろんな角度からデザインし設計する
2.建築費が予算を超えないよう可能な限り調整
3.行政手続き
4.施工者の選定のアドバイス
5.工事監理(品質確保、検査立会、技術指導など)
6.竣工検査と建物引渡しの立会い
7.設計者としてのアフターケア

 建築を建てるとき、非常に煩雑な規制や手続きや、建築デザインのほかにコスト調整、建物がきちんと建てられているかなど検査立会い等
膨大な量の協議、調整や手続きが必要となります。
それをクライアント(建築主)の代理人として、クライアントの立場に立ってまとめていくのが設計事務所の役割です。
その上でクライアントにとって、さらに社会的にも良い建築をつくることが設計事務所の能力のあり方ということになります。

■設計料について


 設計料について考えましょう。
よくゼネコンと設計事務所をセットで考えている方や、工務店に頼めば設計料はタダと考えている方がいらっしゃいますが、
これは誤解です。

どこに頼んでも実際には設計の費用はかかります。ただそれが見積もり項目に出ているか否かの違いに過ぎないのです。
設計費が工事費に振り替えられている場合にタダと見えるわけです。
いい建築はそういった流れの中では生まれにくいことは建築関係者はみな知っていることですし、
設計施工でよいものをつくるゼネコン等は、きちんと設計料を計上しています。

 一般的に設計料と監理料は合計して考えますが、基本的には経費以外はほとんどが人件費です。
そのため、設計料・監理料は建物の規模や用途に応じて国土交通省の告示の推定値に基づいて人件費を予測して算出するため、
その都度見積もらないと正確な費用はでません。

最近、建築行政の厳格化に伴い建築設計業務が増えたため料率の改定が行われましたので、今までよりは高くなりました。
また、設計料には、設計が決まるまでの施主との打ち合わせの時間が大きな部分になっています。
最も大切な時間ですがここを短縮する努力が、よりよい設計や設計料のコストダウンにつながることを理解する必要があります。
どの事務所もそんなに大きな差はないと思いますが、良い設計事務所に巡り会った場合は設計料以上のメリットは期待できると思います。
メリットをあげてみましょう。

1.品質確保をより厳しくできる
2.いいデザインを期待できる
3.施工者を自由に選定できる
4.入札等による競争的なコストの享受

 極端に言えば、建てた建物が施主にとって価値ある建築にならなければ、すべての工事費用が無駄になってしまいます。
設計料が安いのも良いかもしれませんが、それ以上に少しでも良い設計を行うことが大切であるはずです。
設計事務所の選定は、金額より設計事務所の能力や信頼性に重きを置くべきです。
なぜなら、与えられた条件の中で少しでも良い建築を建てることが、設計事務所の施主に対する最大のサービスであると考えられるからです。

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