ホーム 作品集 プロフィール 事務所案内
最近の建築業界の様子(2009.06)

 建築不況は今に始まったことではないが、かつてないほどの仕事不足が迫っている
そのため、少なくなった中規模以上の仕事に対する受注合戦が過熱しているようだ。

昨年からの仕事はひと段落し、現場から所長が上がってきている。
問題は次の現場がないことだ。

建築への投資はいまだに様子見がつづいている。
銀行も積極的に融資に応じないようだ。

「100年に一度の大不況」と政府のトップがのたまうものだから、
不安を抱えている建築主も多いことと思う。

実績やデーターより、ムードのほうが市場に及ぼす影響は大きいことを
知るはずの政治家のトップの発言とは思えないが、、、それは他の方におまかせする。

本来、建築を創るかどうかはこの数年の状況だけで判断するものではなく、
少なくとも30年以上のスパンで考えられるべきものだし、
すでに建て替えの時期を迎えている建物が多いという状況がある

都市として計画的な建て替えができるものであれば、
不況はないはずだし、極端な市場の乱高下は減ると思う。
しかしながら、そうはならないところが、難しいところである。

実は、これから建築を建てる方にとっては、実は好機到来ともいえなくない。
コストが下がっているからだ。

建築資材の値下げ以上にコストダウンにチャレンジするゼネコンは増えている。
この1年で建築単価が大きく変動しているが、ここにきて大きく下がってきているようだ。

しかしながら、コストが下がることはよいことばかりではない。
その中で、品質を守ることがより厳しくなるということに繋がるからだ。

職人さんたちの日当が削られないことを祈るばかりである。


(2009.02)

 2008年はマンションの急騰とガソリンの値上りのなか、サブプライムローンの破綻に端を発するアメリカのバブル経済の崩壊で、投資環境はかなりダメージをうけた。それに伴う心理的なダメージはとても大きく、直接被害を受けない方にも先行きが読めない状況となり。これから建築を考えておられる方にとっては、いま建てたほうがよいものか不安なことと思う。

建築業界はいま我慢比べの最中である。
具体的には、高値時の原料コストを転嫁したいメーカーと、安値で買いたい事業者側との綱引きの最中ということ。
年が明けてようやく折り合いがつき始め、鋼材とかも3年前の価格に近づいてきているようである。
というのも、昨年の夏は瞬間的ではあるが、3年前の3倍近くまで鋼材が値上がりしたからだ。

他の材料も値上げしたがっているのだが、この状況では値上げは難しい。
しかし各メーカーとも我慢できる限界を超えつつあるらしく、廃業や生産中止を打ち出す企業が増えているのも事実で、どっちに転んでも、値上げは避けられないのではとの見方もある。特にコンクリートとボード類の動向が気になるところである。

いま建築を建てたほうがよいかどうか。

個人住宅なら今の生活で建てることができるときが建て時といいたい。さきゆきが不安の方もいることと思うが、それは今だけでなく、常にある問題である。実は建てられるタイミングは、ほとんどの方にとってあまり時間はないのである。
また、建築コストはこの1年前のコストに戻るものの、それから下がることはなく、緩やかに上昇すると考えていただいたほうがよい。

事業主の方は、賃貸住宅なら条件が合えば勧めるが、分譲は再開発を除き勧められない。
賃貸住宅はこの不況の中でも他の業種と比べるとあまり影響は受けていない。ただし、賃貸住宅も厳しい選択の時代に入ったことは忘れてはならない。これまでの質の高い分譲マンションがライバルになってくるからだ。
とはいえ、恐れることはない。十分に対抗は可能だからだ。

実は今心配しているのは消費税の3年後の値上げが法案にまとめられていることだ。
駆け込み需要で一瞬の盛り上がりの後には、厳冬が待ち受けているからだ。
このままではまっとうな職人さんは全滅してしまう。

もし政権与党で心ある方がいたらぜひ他の先進国の住宅の消費税率を見ていただきたい。
一律10%なんてことはないはずである。