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「たまこ」のひよこケアマネ日記 その6
(2006年10月4日)

『ご夫婦お二人とも薬剤師でケアマネで日々地元の方達に貢献している薬局』の特集記事があるではないですか!?

やったー。ここにお願いをしてみよう。駄目で元々だ!

と、よく読んでいくと、この薬局さんが加盟している薬剤師ケアマネの団体が存在し、その特集記事はその会からの紹介で、冒頭の薬局さんが紹介されたとわかりました。

「おおー!!薬剤師でケアマネ活動している方もいるし、その団体もあるんじゃないか」と大喜びで雑誌に連絡し、その会長さんの連絡先を教えて貰うことができました(勿論雑誌社は連絡先を私に教えていいのか確認してからです)。

私は、団体だときいてすっかりとっても大掛かりな組織を想像してしまい『○○会館』みたいなところかと電話をかけてみると・・・。

「はい○○薬局です」

とのお返事が・・・。

あれ? 『○○会館』じゃない普通の薬局さんだ。

と、ここで私が薬剤師ケアマネをやりたいのでという話と、どこか研修を受け入れてくださる薬局さんはないか、とお聞きすると、

「じゃあ、うちにおいでなさい」

というお返事が。

えーっ?! 会長さん自らが引き受けてくださる?! しかも普通の薬局さんの感じがするけど・・・

と、とにかく一度お伺いすると約束をとりつけ伺ってみると・・・やっぱり普通の薬局さんでした。会長さんといってもボランティア活動。介護保険導入時に一生懸命やってくれた薬剤師をフォローする気が都薬にまったく無いということで、ほとんど手探り状態で薬剤師ケアマネの活動をバックアップしてきたとのことでした。

その時点ではまだ私は他の薬局の勤務薬剤師でしたので、その年の夏以降に研修に伺わせていただくということでお願いをし、本当に感謝感謝で帰路についたのを今でもよく覚えています。

介護ってそんなに薬剤師から遠い分野なのかな? 

とか、

介護を必要とするような年齢になれば、ほとんどの人が薬を飲まないかな?

と、それから何度も考えるようになりました。

そしてその年の夏、本当に研修に伺わせていただくことになったのです。しかも約束していた時期より大分早くに。

その原因は「自己○ェッ○シート」が送られてきたから。そのお手伝いに来てください、とのことでした。

 

つづく・・・

「たまこ」のひよこケアマネ日記 その5 
(2006年9月2日)

 「えーっと、ところで、どうすればいいんだろう?」

ケアマネ第1回目合格者 (それまでケアマネは存在せず、かなりの数が合格したいわゆる特需合格者の内の1人) であるわたしは、介護保険についてほとんど何も覚えていないという体たらくぶりでした。

「どこかで研修でもさせてもらえないかな?」

と思ったのですが、

一体どこに頼めばいいんだろう? 薬剤師ケアマネとして働きたいんだから普通の居宅介護支援事業所じゃあ、駄目な気がする・・・etc・・・。あ、そうか、都薬に聞けば斡旋してくれるよね。だってケアマネ取る時すごい後押しだったもんね。

と思い出し、いざ都薬へ電話をかけてみる。

「そのような斡旋は都薬では行っておりません」

「え? 行ってない? ・・・じゃあ居宅介護支援事業所を併設している薬局さんだけでも教えてもらえませんか? 個人的にお願いしてみたいので」

「都薬では居宅介護支援事業所を併設している薬局の把握はしておりません。都庁のホームページに載っているのでご自分で調べてみてください。居宅支援事業所で調べて後ろに‘薬局’がついているところが多分そうですから」

「え? 多分って、何・・・・それ・・・・」

がっくり。

本当にがっくりしました。今まで自分も関心があまり無かったので大きな声では言えませんが、ここまで介護に都薬が無関心だったなんて・・・。じゃあケアマネを取得するときのあの騒動は何だったんだろう? ま、でもしょうがないか・・・。

どれどれ都庁のHPにアクセス。え・・・・っ! 3000件ヒットした・・・。この中から‘薬局’がつく事業所って・・・どうしたら。ここで軽い挫折を味わいました。

無理だーっっっ。この中からなんか探し出せない!!!!

じゃあやっぱり諦めるか・・・。どうしたらいいかわかんないもんね・・・。

とかなりの失望を味わいながら、また午後のあいた時間に薬関係の雑誌を読んでいると、なんとそこには!!

つづく・・・

「たまこ」のひよこケアマネ日記 その4 
(2006年7月21日)

 しかし、そこのおうちではおばあちゃんとお嫁さんはあまり仲良くなく、おばあちゃんのお部屋に入ったら薬だらけでびっくりしたと報告され、お嫁さんにすごく叱られたおばあちゃんがしょんぼりしている姿を目撃することになってしまいました。

そのおばあちゃんは昔、お金で苦労した記憶が鮮明に残っていて、1割払えばその10倍の金額の薬が手に入ると頭にインプットしてしまい、得をする、という感覚で毎月処方箋を持ってこられていたようでした。(飲みきれないお薬にお金払うほうがよっぽど損なのに・・・)と周りも私も思いましたがその感覚は本人にはまったく無いようでした。

薬局のすぐ近くに住んでいても本人の薬の管理には全く手が出せないんだ、とつくづく虚しい気持ちになってしまいました。あの薬に無関心なヘルパーさん達に薬を取りに行ってもらっている患者さん達も、もしかしたらこのおばあちゃんみたいに薬だらけだったり、足りなくなったりしてるかもしれない・・・・。じゃあ、私がしていることって全然意味ないじゃない・・・・。

そんな時、毎月購読している薬剤師向けの雑誌に、薬剤師でありつつもケアマネージャーとして活躍されている先生の記事を目にし、

「これだったら患者さんのお宅にも伺えるし、薬の管理についても気を付けてあげられるからいいかもしれない・・・」

と思いついてしまいました。

ちょうどその頃、眼科の先生の都合で午前中だけの診察になっており、午後は忙しくない状態が続いていたのと、自分の実家の薬局も手伝いたいと思っていたことも重なり、

「よし、実家の薬局で、昔取ったケアマネをいかした仕事をしよう」

と決心するにいたりました。

なんだか、簡単にすぐ出来そうな気がして、

「早速準備をしよう!!」

と思ったのですが、実はこれからがかなり大変だったのです。本当に甘かったと今でもつくづく思い出しては、苦笑しています。

つづく・・・。

「たまこ」のひよこケアマネ日記 その3 
(2006年6月24日)


 「あらーそうだったかしらねー、嫌ねー年取ると呆けちゃって・・・」

と、愛想良くお返事されるので、

「そんなことはないですけど、もし容態とお薬が変わらないようだったらしばらくは診察だけで処方箋はいらないってお医者さんに言ってみてくださいね」(でも、いつも診察せずに処方箋だけ貰ってくるようでしたが)

と、こちらも愛想良くお答えはしていたのです。

・・・・・が、なんとその次の月も同じ処方箋を持参してきたのです。カルテにだって毎月来てると記載があるはずなのに、お医者さんや看護師さんは一体何を見ているのかと、まず腹がたち、病院にすぐ連絡し、

「どうして毎月来院する患者に2カ月分ずつの処方箋を出すのか、毎月なら1カ月分ずつにするか2カ月に1度しか来なくていいとどうして言ってくれないのか」

と、かなりまくしたて、

「次から気をつけます」との言葉をもらい、

さて本人に・・・・

「あのですね、先月も言いましたがもう○○さんは2カ月の間に4カ月分の薬をもらっているのでお家にはもうお薬、たくさん余ってるでしょう?」

と、おだやかに聞いてみました。が、

「そんなこと無いわよ。毎日毎日ちゃんとのんでんだから余るわけ無いでしょ!」

と、怒り出してしまいました。

「ちゃんとのんでて余らなければ余計おかしいでしょ。たくさん持っていってるんだから。じゃあ、全部倍にしてのんでるんでしょうか?」

と、つい私もむきになってしまいました。

「そんなことないよ・・・わたしはちゃんとクッキーの缶にいれて間違えないようにのんでるんだから・・・・・・」

となり、

「ではその缶持ってきて見せてもらえますか? もし余っていたらその分差し引いて次に出してもらえるようお医者さんに伝えますから」

となり、

「じゃあ、ちょっと私が間違えたのかな?」

になり、

「ごめんなさいね」

と、なってしまいました。わたしは謝って欲しかったわけではなかったので、とても複雑な気持ちになってしまい、

「こちらこそむきになってごめんなさい」

と、この話は打ち切られ、そこのうちのお嫁さんに事情をお話し、気をつけていただくことになったのです。

つづく・・・

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「たまこ」のひよこケアマネ日記 その2 
(2006年5月20日)


 それでも、お腹の中のお味噌汁にお水を足してなんとか冷やし、笑顔をひきつらせながらも、

「どうしてお薬余ってしまうのでしょうか?うっかり忘れるのでしょうか? 飲み辛いとかでしょうか?」

と質問したところで、

「そんなこと分かんないわ」

とあっさり答えられ、

「では次回その理由を聞いてきていただけないでしょうか?」

 とお願いしてみても、

「はいはい」

のようなかなり心もとないお返事。

そこで、次回来局時、

「お薬余ってしまう理由は聞かれました?」

と質問すると、

「あれ、薬余ってるって私言ったっけ?」

「・・・・・・・」

理由を聞くのを忘れるどころか自分が言ったことも忘れてる。

処方箋を出しながら明らかに私用の電話を待合室で大声で話すヘルパーさんや、処方箋を出したらすぐに自分の知り合いをみつけ話に没頭し、名前を呼んでも気づかないヘルパーさん。

もちろん全員ではありませんが、圧倒的に薬に関心を寄せてくださらない方が大半でした。

そのうち代理のヘルパーさんが取りに来られる方には、自然にこちらも注意や指導をしないようになっていきました・・・・。

そのうち決定的に「患者さんのおうちに行って薬の管理を手伝いたい」と思う出来事が起きました。意外にもヘルパーさんが原因ではなかったのですが・・・。

その患者さんは薬局の近所に住んでいるおばあちゃんで、いつもちゃきちゃきした元気のいい方だったのです。ところがだんだんとお金の勘定の仕方がわからなくなったり、何度も同じ話を繰り返すようになってきて、とうとう2ヶ月に1回の割合で行っていた病院に1ヵ月に1回通い出し、そのたびに2ヶ月分のお薬の処方箋を持って来るようになってしまいました。

「おばあちゃん、先月病院に行っているのだからこの処方箋どおりに薬をだすと2ヶ月分薬が余っちゃうことになるよ」

わたしは、かなり必死にきつく言いました。

つづく・・・

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「たまこ」のひよこケアマネ日記 その1 
(2006年4月21日)

 はじめまして、ひよこケアマネの「たまこ」です。

本当は“たまこ”という名前ではありませんが、今のわたしは「ひよこ」どころかまだ何もできないタマゴ状態なので「玉子=たまこ」と名乗ることにいたしました。皆様よろしくお願いいたします。山鳥さとよ先生のすばらしい活動内容にびっくり仰天し、こんなわたしがコラムを担当していいのか正直困惑気味ですが、誰もわたしのコラムを参考にして仕事に活かそうとはされないだろうと開き直り、つらつらつづってみたいと思います。

では、はじめに、いわゆる典型的な調剤専門薬剤師だったわたしがどうしてケアマネをしてみたいと思ったのか、そのきっかけからお話したいと思います。

思い起こせば、もう2年も前になります・・・。その頃わたしは調剤薬局で眼科の処方箋を中心とした調剤を行っておりました。しかし隣の市の国立病院が院外処方箋を出すことになり、ちらほらと眼科以外のお薬の処方箋も舞い込むようになりました。わたしは、

 「よっしゃー! 今まで勉強してきたことを役立たせるぞ!」

と、DIクイズにまともに答えられたこともないくせに、はりきって仕事に打ち込むようになりました。

 しかし、当たり前のことですが、とても具合の悪い方は薬局まで足が運べず(それまでは眼科医院の近くの薬局だったので基本的にご本人様が来られていました)、代理の方が取りに見えます。そうした場合、ご家族なら真剣にお話を聞いて下さるものの、ヘルパーさんが代理で来られるとなかなかそうはいきません。

 「このお薬はアザなどに注意が必要で、服用後は体にアザができてないか注意してください」

と、どんなにお願いしても、次回来局時には絶対と言っていいほど確認してきてはくれませんでした・・・・。
 その上、

 「なんか薬、すごーく余ってるみたいよ」

などと軽々しく報告されると、お腹の中が、火をつけっぱなしにしたお味噌汁みたいになっていったのです。

 つづく・・・。

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