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法律で定められた大人と子どもの最も近い境目に立つ年
大人の姿を持ちながら子どもの考えを持ち合わせる
不安定で繊細な存在
大人が言うことに
考えを汲み取るように分かるけど
それを昔のようにわざわざ否定してしまう

もう何もかも分からないぐらいめちゃくちゃにしたくて
野獣のように暴れ吠えたくなる

あと一歩で届く大人の世界
でもその一歩が遠すぎて
手をいくら伸ばしても届かない
あと一年という檻が私を子供という監獄の中へ突き落とす

少し背伸びして大人ぶっても所詮は子供の世界の住人
そのささやかな幸せと時間に気づかなくて
大人になろうとする

大人になってもまた監獄が待っているのに
その新たな監獄を自由と見間違えて憧れる

それが分かっているのに憧れてしまう
それが捨てきれない本能だから
子供は大人に憧れて
大人は子供の頃を懐かしむ

無邪気で何に対してもきらきらしていたあの頃に戻りたい…
でも所詮は叶わぬ夢のまた夢
せめてあの頃の懐かしさに浸かっていたいんだ

 

作者コメント→あと一日で二十歳になるので、ふと10代に対する思いを綴ってみました。ってほとんど綴っているようには見えませんが…。

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