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雅楽の種類A-大陸系の楽舞- |
| -大陸系の楽舞-(唐楽と高麗楽) |
| 5世紀頃から9世紀初までの約400年間にわたって朝鮮、中国などから伝来したアジア大陸諸国の音楽舞踊に基づき平安時代にした器楽と舞です。 大和時代から奈良時代までは種々の外来楽舞はそれぞれ渡来したときの形で演奏されていましたが、平安時代には次第に整理統合され、日本化されてゆきます。すなわち、まず、その伝来の系統により「左方」と「右方」とに分けてその楽器編成が区別されました。左方は中国、中央アジア、インド方面に起源を有する楽舞に基づくもので、これを唐楽(とうがく)と呼び、右方は主として朝鮮、満州方面に起源を有する楽舞に基づくもので、これを高麗楽(こまがく)と呼びます。また、演奏の形態により「管絃」と「舞楽」とに分けてその演奏技法が区別されました。さらに、多種の外来楽器は取捨選択され、楽器編成は小規模な室内楽形式に変わりました。このような外来楽舞の一大変革と同時に、日本人による作曲、編曲、作舞も盛んに行なわれ、ここに極めて繊細、優美な日本独自の雅楽が完成したのです。 |