朝目覚めてみたらそこは全く知らない場所
ここはどこ?
どうしてここに僕はいるの?
目の前には古びた分厚いドア
僕はそのドアノブに手をかけて開けてみた
そこにはずらいと並ぶ蝋燭の通路
そうか
僕は僕自身を試す為に試練を受けに来たんだ
それは昨日の夜思い知ったこと
未熟な僕
目の前の現実を逃げる僕
そして 誰にも心を開かない僕
ずっとずっと嫌いな自分
それと決着がつけたいんだ
僕は自分と戦う
そうすれば少しだけでも自分のことが好きになれるから
自分を好きになればきっと他の人も好きになれる
そうすれば僕の世界は広がっていく
そして僕は新しい世界に向かって羽ばたくんだ!
でも現実は違う
弱い僕は本当に悔しくて憎たらしいほど卑しい奴だった
自分自身を見て今までの夢を打ちのめされた
怖いよぉ……
あんなの僕に出来るわけないよ…
誰か僕の代わりにやって……
ここから早く逃げ出したいよぉ……
楽をしたい……
なんて卑しい自分だろう
僕はその現実を無我夢中で割っていく
そう…弱い自分に戻ってしまった
こんな自分なんて嫌い!
なんでこんな自分になったんだろう
この僕は嫌い!
僕はもっと辛い現実にもめげない奴になりたいんだ
全てを割り尽くしたときそこには新たな僕がいた
その僕はすっと僕に手を差し出した
どうすればいいの?
その手を掴めばいいの?
僕は戸惑いながらもその手を取った
もう一人の僕はどこかへ僕を連れて行く
こっちだよ
早くおいでよ
待って
どこへ連れて行くの?
こっちだよ…
連れて行かれた先は澄んだ世界だった
ここは一体どこなの?
そこにもう一人の僕はは一つの飴を僕に差し出した
僕の口の中でレモンの甘酸っぱさ広がる
まるで試練のことを指しているように…
おめでとう…もう一人の僕
もう一人の僕は笑顔で言った
そのとき僕は悟った
僕は弱い自分に戻ったんじゃない
新しい自分へと殻を割って這い出たんだ
そう思ったときにはもう一人の自分は消えていた
きっと後戻りしそうな僕の背中を押してくれるために出てきたんだ
ありがとう…もう一人の僕
僕は甘酸っぱいレモンキャンディーを口にしながら新しい道へ進んで行く |