墨色の家・伊川谷
震災にあった築100年以上の

民家の蔵・納屋を

住まいとして

再生させました。

おおきな被害を受けた蔵・納屋を補修、補強をしながら〈収納空間〉から新たな住み方に対応できる〈住まい空間〉へと再生させました。住宅は社会システムの変化とともに変わっていかざるをえませんが、先人が残してくれた〈知恵〉〈技術=伝統の合理主義〉まで捨て去る必要もなく、それらを有効に生かしていき、次世代に受け渡していくことが大切なことだと考えています。

所在地  神戸市西区

構造   木造2階建 一部RC造改修

規模   地上2階

延床面積 170u  

設計年  1997

   
     

既存建築物                 

外観
     
Before After  
     
          a 納屋
          b 納屋
          c 

          d 
          1 居間
          2 食堂
          3 台所
          4 蔵
          5 多目的室
 
     

納屋の梁は、洗いをかけ、一部側面を
製材することで全て再利用しました。   

     
下屋部分は日常のメイン通路なので、採光確保のためガラス屋根としています。
二階床面も光を通すグレーチング(FRP製)とし温室風の半屋外空間としています。
 
     

 食堂部分は掘りごたつとし、上部を吹抜け空間としました。更にトップライトをとることによって明るく、家の中の中心的なスペースになっています。床には温水床暖房をいれました。

 前山にあった槙の木(推定樹齢200年以上)が阪神大震災後に立ち枯れてしまいました。その木は製材され、3つのテーブルのほか、天板・手摺りなどに生まれ変わりました。
 また50年以上前に鋸で挽かれた松板(厚20mm程度)が保存されていたので、表面を製材、床フローリングの一部に使用しました。