チェンバロ


 高校生の頃、チェンバロは遠い存在で、レコードでしか音を聴いた事がなかったものであった。
しかし、千葉県の大学に進学した頃、(市民オーケストラでビオラを担当していた頃)
チェンバロに出会う事になったのである。
市民オケのフルートやファゴットの仲間がリコーダーもたくみに弾きこなしており、
その仲間たちとチェンバロを自作していたM氏のお宅にしばしばでかけた。
スピネットと、イタリアチェンバロ、2段のフレンチチェンバロがすでに完成していた。
夜遅くまでアンサンブルを愉しんだものです。
ファゴット氏がリコーダーやオーボエを担当するときはチェロで通奏低音を担当し、
自分がバイオリンを弾くときはファゴット氏が通奏低音を担当した。

 埼玉県の毛呂山町に転居した後も、千葉からスピネットを運び、同じ仲間たちとコンサートを開いたりした。
昭和49年だったと思うが、TOKAIが国産のスピネットを発売したので、
生活苦にもかかわらず、昭和50年頃これを購入した。製造番号が7300017なので国産17号かもしれない。
我が家ではまだ、このスピネットが活躍している。小さなアンサンブルには充分である。

 数年前に中古の2段鍵盤チェンバロ(フレンチ)を手に入れることができたので、今ではこちらが主役である。
女房よりもメンテナンスには手がかかるかもしれません。なにしろ弦の数はスピネットの3倍以上だし・・・
しかし、簡単なメンテナンスはスピネットで経験していたので、
それほど苦にはならなかったのではないかと思う。

 最初に購入するなら一段鍵盤のほうが良いかもしれません。理由は軽いからです。
コンサート会場に持ち運びができる利点があります。
我が家では2階に設置してあるので簡単には運び出せません。
業者さんにお願いする手もありますが、レンタルの方が安く上がります。

今では日本にも製作者が増えているようです。
鳥居正人さんという若い職人さんが数年前、工房を開きました。
コンサートの時などは彼に相談するのも良いかも知れません。
連絡先をお知りになりたいときはご一報下さい。

          
  長年、愛用したスピネット (TOKAI)                最近手に入れた中古のフレンチタイプ (KAWAI)