あさひへいわ文芸(十四年八月) |
短歌 シベリアに抑留されし善造さんの 口癖はいつも「ロスケは好かん」 尾上 郁子 「新婦人」の集金配達を担いてくれし 在りし日の友の誠実思いていたり 桑山真珠子 俳句 炎天や命つなぐも我が義務か 黒田 淑子 夕焼けただ見柳通りの紙芝居 島 八十一 葵手に独立祝し民群るる 堤 八寿子 〔朝鮮独立の日〕 七月の病室に聞く安倍暴挙 寺岡 敦子 川柳 世界中戦禍の嵐収まらず 猪口 茂 アクセルとブレーキ違え知らん顔 井上 正道 原発ゼロいけてますやん猛暑でも 江島谷勝弘 昔聞く邦人保護のためだとは 太田 芳男 増税で企業減税つけ回す 奥埜 秀夫 カラオケの老人パワー見直させ 上 由比 九条があり七十年の平和 川端 一歩 福井地裁国富が何か問い正す 近藤 正 敬老パス八月からは五十円 阪井美世子 ままごとの押す印鑑は草の幹 白井 文子 気がつけば戦の道へ連れこまれ 田中 邦夫 戦禍知る拳私のプラカード 中里はこべ 戦争を煽る人こそ平和ボケ 板東 元紀 戦争いや津波のようにうねり行く 平嶋美智子 右の手で戦煽るなこの国で 山田 保 |