あさひへいわ文芸(十五年八月) |
短歌 沖縄の願いはひとつ米軍の 基地も兵士も日本にはいらぬ 尾上 郁子 七十年一人も殺さず殺されず この道ずっと続きてほしき 桑山真珠子 人間を狂気となせる戦場に 又若者を往かすと言うか 市川 節子 俳句 猛暑中国会見つつ背筋冷ゆ 重富佐久子 白日殺伐無辜の霊かな陽炎は 島 八十一 生家跡訪えばビル街終戦日 寺岡 敦子 いくさなど知らぬ風情の蝉時雨 西田 公明 川柳 終戦日あの反省は忘れまじ 猪口 茂 自らは戦さ場に立つ覚悟なし 井上 正道 わが軍は専守防衛隊である 江島谷勝弘 世界から仮想敵国なくなる日 太田 芳男 安保法不戦の誓い忘れたか 奥埜 秀夫 終生に友一人あり宝物 上 由比 競技場だれが儲けてだれが損 川端 一歩 碇石海埋めるなと訴える 近藤 正 隊員の命を軽く見積もるな 阪井美世子 片隅に伸びたアロエに平和あり 白井 文子 美ら海に似つかぬ魔物お断り 田中 邦夫 棺も備品の戦争法だ若者よ 中里はこべ 世の無常ビールの泡になぞらえて 板東 元紀 九条を曲げた解釈許さない 平嶋美智子 今の今反戦平和守るとき 山田 保 知事よりも市長が上の大阪府 山本 一幸 ジジババがくれた平和を大切に 山本 信子 |