あさひへいわ文芸(十六年七月) |
短歌 海兵隊の殺す訓練身につきし 基地の男は娘を餌食とす 市川 節子 竹やぶのはるか向こうの落柿舎へ 語らい行きし友すでになく 尾上 郁子 俳句 病み病みて胎内愛せよ青山河 島 八十一 地震続く地に容赦なき梅雨荒るる 寺岡 敦子 歩行器の母を見送る夏帽子 黒田 淑子 川柳 参院選悪政つぶすよい機会 猪口 茂 結果には責任持たぬ離脱組 井上 正道 川柳に仲間入りして指を折る 岩谷よし子 聞こえてくるものはしっかり聞いておく 江島谷勝弘 認知症俺のことかと首かしげ 太田 芳男 第三者仮面かぶった弁護人 奥埜 秀夫 近づいて頬染めている星がる 川端 一歩 選挙戦明日の形が透けて見え 近藤 正 真剣に子どもの命守る知恵 阪井美世子 増税で福祉よくなる保証なし 田中 邦夫 銭湯で足を伸ばせば済む話 中里はこべ 一人立つやむにやまれぬ母だから 長谷川八坂 ふらつかず右へ右へと突っ走る 板東 元紀 どっちなど言えぬ貧しい国の子ら 平嶋美智子 |