あさひへいわ文芸(十六年十月) |
短歌 議場での総立ち拍手は重なりぬ 兵士を送るバンザイの声に 市川 節子 青リンゴかじりつつ行く木曾街道 甘く酸っぱき高三の夏 尾上 郁子 構内で倒れし夫に駅員が 走り寄り来て声かけくれし 桑山真珠子 俳句 戦わぬため闘いし生身魂 黒田 淑子 ビラ撒きて行きつ戻りつ虫の声 寺岡 敦子 川柳 政治屋の金権政治なぜ止まぬ 猪口 茂 起立して拍手求める三代目 井上 正道 深寝せずファーストソング夜が明ける 岩谷よし子 どきどき感失ってもう二十年 江島谷勝弘 卒寿来たアベちゃん睨み生きている 太田 芳男 伏魔殿そんな都庁にだれがした 奥埜 秀夫 名月に済まぬすまぬと千鳥足 川端 一歩 琴線にふれて心が通い合う 近藤 正 あちこちに子ども食堂できうれし 阪井美世子 蕪村翁芭蕉慕いて旅をする 田中 邦夫 戦あり父勇士にと仕立あげ 中里はこべ ノグチゲラ飛び行く空に迷彩機 長谷川八坂 株高も実経済をおろそかに 板東 元紀 アベノミクス恩恵受ける富裕層 平嶋美智子 |