会員7名から220名へ

旭区平和委員会11のあゆみ

 

20111030 大阪・旭区平和委員会会長 近藤 正

 


 

 大阪・旭区平和委員会は5月21日(土)、千坂純事務局長を迎えて「創立十周年記念講演会」を開催、会場いっぱいの80人が参加しました。

 私は「2001年の夏に7人が相談して準備会を立ち上げた会が、200人を越える会員で十周年を迎えることが出来た」と挨拶しました。

 千坂事務局長が「どうする どこへ向かう 日本と世界の平和」と題して、第3回理事会決定・全国大会議案をもとに講演。千坂事務局長は「大震災・原発事故で生まれている国民的な大きな変化を、どの方向に発展させるかが、いま間われている」と指摘。その際、大震災での自衛隊、米軍の「トモダチ作戦」の活動をどう見るのかが重要だとし、自衛隊・米軍の災害救助活動への国民の評価は「批判のエネルギーに転化する可能性を持っている」と強調しました。

 千坂事務局長は最後に、日本の進路が鋭く問われているもと、平和委員会の役割が重要になっていると訴えました。

 話を聞いて「情熟的な話しに感動した」「憲法を活かした平和な日本へカを併せて行かねば」「廻りに訴え、変えてゆくため、もっと知らなければ」などの感想が寄せられ、会場で1人の入会者がありました。

 

〔T〕大阪・旭区平和委員会の11年間のあゆみについて紹介いたします。

旭区は人口93000人。ゆたかな淀川に接した平和な街です。

旭区平和委員会は2001年の「9・11ニューヨーク同時多発テロ事件」の直前に7名で準備会を立ち上げました。第11回総会は220名の会員で迎えることができました。次期総会までに250人会員をめざすことを決めました。

日本平和委員会の「1000人に1人」という会員拡大目標基準からすれば220%を越えています。

しかし、会員拡大という課題は、一朝一夕になるものではありません。「平和運動に参加する仲間を増やす」。確固たる決意が必要です。しっかりと具体的な目標を持つこと。みんなの力を寄せ合って挑戦する事ではないでしょうか。10人増やしたが、亡くなられる方や引っ越しされる方、退職する方、減る方も10人と尋常ではありません。この1年で新入会員は26人、退会者は9人です。それを恐れず、平和の一歩一歩を倦まず弛まず進めていけば、「捨てる神有れば、拾う神有り」です。

「ちょっと、考えさせて」という人には、折に触れ三顧の礼を尽くして、入会を勧めます。平和が嫌いな人はいないんですから。十中八・九入会して下さいます。

 

1)まず、「平和委員会」にどうよびかけて、会員になってもらうか。

「あなたも平和委員会へ」という旭区平和委員会独自の入会申込書リーフをつくっています。「平和を願うあなたに心からよびかけます。平和への思いで心をあわせ、平和の願いを声にし、形にし、ひろげましょう。ぜひ、ご入会下さい」。「平和のために私たちにもできることがある。平和について学ぶこと。平和を誇りかけること。平和のために歩くこと。中和の仲間をふやすこと」というよびかけです。そして、裏面には「こんな活動をしています」と、具体的な活動内容の写真を7枚掲載しています。気軽によびかけ、「私にも何か出来ることがあるかも」と感じてもらうことが大切だと思います。平和委員会会員が身近にいると感じ、普段から平和運動の「見える活動」を継続的にやっていくことが求められています。

 

2)学習活動がとりわけ重要だと考えています。そして意識的に組織拡大と連動させることを重視しています。昨年度は「日米安保が見える」連続講座、「大阪の平和運動の歴史」講演会(若林伊太郎大阪平和委員会元副会長)を開催しました。

 

3)「ヘルスコープあかがわ生協診療所の社保平和委員会」と旭区平和委員会が共催して診療所の組合員ホールを使って、「あかがわシアター」という「平和の映画を観るつどい」を2ケ月毎に開催しています。大阪で唯一の平和施設「ピースおおさか」から借りた「にんげんをかえせ」、「はだしのゲン」などをはじめ、最近では京都大学の小出裕幸準教授の「福島原発で何が起こっているのか」のインタビューなどを上映、14回を数えています。

 

4)旭区における平和運動の他団体との協力関係についてです。

@ 2002年に旭区原水協が再建されました。夏の亡霊と言われた「6・9行動」は、毎月駅頭で宣伝署名活動が定期的に行われるようになりました。

昨年5月のNPTニューヨーク行動には、旭区から3名が参加。旭区原水協定期総会で苦労話や多彩な行動のリアルな報告が行われました。

 

A 市民の中に打って出る活動を意識的に取り組んでいます。3年前から旭区役所内の展示コーナーで旭区原水協が行っている原爆写真展を支えています。今では多くの振興町会の回覧板に実施内容のビラを挟んでくれるようになりました。

 

B 8月開催の「旭区平和のための戦争展」も毎年充実されてきました。旭区内で開かれる最大のイベントの一つです。2日間開催され、各民主組織の結集の場ともなっています。来年は10周年を迎えます。

 

C10月には「あさひ福祉まつり」が開催され平和コーナーを担当します。

 

D 2009年からはついに、8月末に開かれる旭区内官製団体が中心の「旭区民まつり」に初参加し、「平和のコーナー・旭区平和委員会」という展示場所を確保し、旭区内の団体としての市民権を得ることができました。これは画期的な第一歩になりました。

 

E 旭憲法センターは、9団体が集まり、定期的に街頭宣伝署名行動を行い、地域を設定して地道に各戸訪問署名も行ってきました。現在活動が休止状態となっており、再会をめざしています。

 

F 旭区では、9条の会が小学校区毎に作られています。旭区内10小学校中9校下にまたがる9条の会が3〜4ケ月サイクルで活動しています。

 

G いずれの運動や課題にも平和委員会のメンバーが深く関わっています。「縁の下の力持ち」の役どころや音頭取りの役割を果たしてきました。

 

5)旭区平和委員会が着実に前進してきた力は何でしょうか。私たちが誇りに思い、大切にしていることについて述べます。

@ 旭区平和委員会は結成11年目ですが、一番の誇りは、6年前に「百名会員目標」を達成(平和委員会組織拡大指標人口1000に1人を突破)したことです。

 

A 私たちが握って放さずやってきたことは、毎月の定例会議を欠かさず、続けてきたことです。参加者はかならず意見を述べ合う「全員発言」を大切にしてきました。例会では講師をお招きしています。講師の方はその後ほとんど入会していただいています。

 

B シベリア抑留問題で、実態は政府の棄民棄兵政策であった事実が明らかになりました。旭区にはシベリア抑留国家賠償裁判をすすめる原告のうち3名の会員がいます。裁判は現在最高裁にかかっています。大阪大空襲訴訟にも取り組んでいます。

 

C 紙芝居「捨てられた兵隊さんたち」これはシベリア抑留問題をテーマにしたものですが、青年会員がシナリオを書き、絵の好きな会員の仲間との協力で作り上げた傑作です。

 

D 「ピースあさひ」:貸本屋をしておられる会員さんが店を「平和の展示会場」に作り替え、地域の「平和の拠点」にしようという試みで、平和委員会としても共同をすすめています。さらに今、「じっと待っているだけでなく、出前の語り部として展示をしていこう」と模索しておられます。

 

E 「旭区平和委員会ニュース」の定期発行も会員をつなぐ大きな力を発揮しています。3年前からA4サイズ4貢建てのものに拡充されました。現在(11年11月)126号となっています。平和新聞や「旭区平和委員会ニュース」、「例会案内」なども理事を中心とした手配りが基本です。毎号紙面の半分をさいて「会員登場」のコーナーを掲載しています。すでに百名をこえる会員が登場しており、戦争体験や入会の動機・抱負などを語って下さり、交流の場となっています。

 

F 「旭区平和委員会ホームページ」も立ち上げました。担当者は大変苦労してリニューアルをしています。アクセス数も6972を越えています。

 

G 「200名を越える会員」の組織を保つには、役員の存在が欠かせません。旭区の場合は15名の役員がその支えです。大事な問題について意思統一を図るため、昨年からは理事会を毎月定期開催し、「理事会ニュース」を発行し「旭区平和委員会ニュース」と車の両輪の役割を果たしています。

 

6)世界に例を見ない日本平和委員会は、戦後の平和運動の原点であり、一番歴史のある組織です。同時に、全国統一したカを持っています。だからこそ他の平和サークルとは違った非常に大きな役割を果たす力を持っているのです。平和の筋を一本通した個人加盟の組織として、平和委員会が平和に関わる活動でキラリと光る存在感を示していきたいと考えています。

 

7)役員をはじめとするこの1ケ月間の会員増やしの奮闘で一気に7名を拡大し、目標でありました220名を達成し、本日の総会を迎える辛が出来ました。皆さんとともに喜び合い、新たな峰への挑戦をはじめようではありませんか。

 

*〔参考〕旭区平和委員会発足から今日までの軌跡(会員数)

☆準備会発足  (2001年 8月15日 会員数   7名)

☆結成総会   (2001年11月13日 会員数  31名)

☆第2回総会  (2002年11月16日 会員数  45名)

☆第3回総会  (2003年10月10日 会員数  60名)

☆第4回総会  (2004年12月 4日 会員数  87名)

☆第5回総会  (2005年11月11日 会員数 101名)

☆第6回総会  (2006年10月16日 会員数 116名)

☆第7回総会  (2007年10月20日 会員数 130名)

☆58全国大会 (2008年 6月28日 会員数 141名)

☆59全国大会 (2009年 5月12日 会員数 165名)

☆60全国大会 (2010年 5月29日 会員数 193名)

☆第10回総会 (2010年10月17日 会員数 203名)

☆61全国大会 (2011年 6月25日 会員数 205名)

☆第11回総会 (2011年10月30日 会員数 220名)