「一護君、思い出せたかなぁ〜?」

今、俺と目の前の少女は屋上にいた

何故かこちらを睨んでくる少女

俺は何かしたとか覚えはないんだが……

「……小さい頃、よく遊んだ子いなかったかな?」

「は?」

「ほら幼馴染みたいな、そんな子」

いきなりそんなこと言われても分からん

が、こいつが俺の名前を知っていることはそこにあると思った

……確かに、ガキの頃誰かと遊んでいた覚えがある

たぶんたつきより長い付き合いだ

でもいつしか遊ばなくなったんだよな

なんでだろう……

「やっぱり、君は思い出せないのかな?」

悲しげな少女の声

その声に反応したかのように出てくる記憶





――私、引っ越しちゃうんだ

え……

――ごめん

なんでっ! どうしてっ!

――ごめん……





、なのか?」

「え……?」

目の前の少女――は流れそうな涙を堪えながらも

こちらを見るようにしていた

だろ? あの時、引っ越していった」

「……思い出してくれたんだね」

「少し遅かったみたいだけどな」

の頬に一筋の光

そんなを俺は抱きしめていた

昔とは逆の立場だな

「私、ね。一護君に逢いたくて、頑張ったんだよ」

「そら、ご苦労だったな」

「一護君のこと、ずっと忘れたことは無かったんだよ」

「……忘れててごめんな」

ぎゅっと抱きしめる

が少し苦しそうだったけれども

「……私、“”だから」

「ん?」

「“”のままじゃないから。“”って呼んで」

俺の中では“”で止まっていた

けど、“”が言うなら



「……ありがとう」

は顔を上げ


ちゅっ


「な、な、なっ」

「私の初接吻。一護君の為に取って置いたんだから」





その頃の……

「な、さんのキッスを……っ!」

「やるね、一護」

「はわわっ。キスってあんな風にするんだ……」

野次馬根性丸出しの某クラスのメンバー

覗かれてるとも知らずに一護と

屋上でいちゃついていた