連れ去られたイオンを追って砂漠のオアシスへ辿り着いた俺たち。

こそで、いつものように頭痛が走ってるわけで…

 

《…応えろ…!応えろ!》

「いてぇ…」

「ルーク!また例の頭痛か?」

「例の頭痛?」

 

ティアが心配気に、ガイへ質問する。

 

「誘拐されたときの後遺症なのか、たまに頭痛がして幻聴まで聞こえるらしいんだ」

 

《応えろ!グズ!》

「…いつもと違うな…今度は誰だ?」

《わかってるだろうよ、そっくりさん》

「………誰だ?」

《…………アッシュだ!》

 

あぁ、そら失礼。

 

《どこをほっつき歩いてんだアフォが。イオンがどうなっても知らないぜ》

「…ん?」

 

何か、ツンツンしてるわりに…、イオンの事を気にかけてないか?

 

「…どこに居るんだ?」

《ザオ遺跡…。おまえには来られないだろうな、グズのおぼっちゃん》

「お前よりましだ」

《…》

「…まぁ、教えてくれてありがとよん」

《…ちっ》

 

おっと、通信終了。

 

「ご主人様、気分悪いですの?」

 

ありがとよ、ミュウ。

でも、正直しんどい…

 

「また、幻聴か?」

「…幻聴ってのは幻だろ。それじゃ俺が狂ってる様に聞こえるぞ」

「アッシュがどうとかって…仰いましたね。アッシュって、あのオラクルの…?」

 

やはりナタリアが一番気にしているか、同じ顔だからな〜。

 

「…さっきの声は確かにアッシュだった。イオンとザオ遺跡にいるってさ」

「ザオ遺跡!?そこにイオン様が!?」

 

イオンという言葉に反応するのはやはりアニス、まぁ彼女の目的はイオンだから当然か。

 

「ザオ遺跡…2000年前の、あのザオ遺跡のことでしょうか」

「どのザオ遺跡かは知らないぞ。ジェイド、どこにあるか知ってるか?」

「さぁ、残念ながら知りません。責任者の方が探して下さると助かりますが…」

 

…何やらジェイドさんに妙に突付かれます。

 

「大佐!ルークをからかうのはやめて下さい。

ルーク、オアシスの人に聞いてみましょう」

 

ティア、ジェイドをとめてくれてありがとう。君の高感度がボクの中で大幅アップだ(ぁ

 

「いや、そんなメンドイことはしない」

「え?」

「さっき話しかけてきた奴に聞けばいいさ〜」

 

さて、アッシュ君が俺に話しかけてこれるなら、俺だって出来るよな?

んじゃ、通信開始!

 

「お〜い、そこのアッシュ君」

《……ぐあああ!》

 

ん?どうしたのさ…

あぁ、頭痛に襲われてんのか〜♪

 

《くっ…誰だ!》

「ルークだ」

《何故貴様がコレを扱える!》

「仕様だ。てめぇに出来て俺に出来ない分けないだろ」

《…くっ!一体何のようだ》

「あぁ、ザオ遺跡ってオアシスからどっち方面?」

《…そこから東だ!》

「ははは、あんがとな〜」

《くそっ!》

 

はい、通信終了。

 

「よし、分かったぞ。ここから東に向けて歩けば、遺跡はあるらしい」

「…そうですか、ソレしか手がかりが無いですし、行きましょう」

 

と言う事で、今度はザオ遺跡を目指します!

…飛んで行きたい〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついたー!」

 

あぁ、日陰に入りたい…

 

「この中にイオンが居るのか」

「中は暗そうですわね」

 

日に当たり続けるよりいいですよ?ナタリアさん。

 

「ミュウが火を吹くですの」

 

やめとけ、疲れるだけだぞ。

 

「風があるせいか、周囲に陸艦の痕跡が残っていませね」

 

ジェイドの言う通り、辺りを見回すが、跡は残っていない…

立ち去った後か。それともまだ居るのか…

微妙なとこだが、まぁいるだろ。

 

「とにかくイオン様の手がかりがあるかもなんだから、行きましょうっ!」

 

アニスは勢いよく中へ入っていった。

それに続き、皆も入っていく。

 

 

 

 

 

しばらく進んでいると…

 

「…ん?何だこれ」

「ルーク!うかつに近づいては危険よ」

「でも、綺麗だな。…危険そうなものには見えにのだが…」

「フォニムですの!セカンドフォニムですの!」

 

あぁ、フォニムの結晶体か。

レアだ。

 

「え?なんでフォニムが目視できるの?」

「それだけ濃度が高いのでしょうね。恐らくここは、フォンスロットにあたるのでしょう」

 

う〜ん、確かこの世界の全ての生命体や構造物は、固有の振動とそれに伴う音を発していて、

それらは六つのフォニムに大別され、振動と結合の細かな差によって、個という存在が確立されている。

つまり、物質を構成する元素の一つと言うことであり、俺自身の体もフォニムと元素で出来てるってことだ。

で、こんな風に、目に見えるほど1つのフォニムだけが結合しているのは珍しい、だからレアだ」

 

「ルーク、お前…」

 

どうしたガイ

 

「勉強してたんだな」

「壊すぞコノヤロウ」

 

って、いい加減に思ったことを口に出る癖直さないとな〜。………実はサトラレ!?」

 

「口に出てるわ」

 

ティア、その視線は冷たすぎる(凍

 

「で、ミュウ。お前は何してんだ?」

「ソーサラーリングにフォニムを染み込ませているですの!

族長が言ってたですの!フォニムを染み込ませると、リングが強力になるですの!」

 

ほ〜、強力になるのか。

 

「で、実際どんな感じになるんだ?」

「みゅううううぅぅ。力がみなぎってくる!

…ような、そうでないような感じですの」

「ミュウ、ルークに似てきたな」

 

ガイ、どういう意味だ。

 

「みゅみゅみゅみゅみゅうぅ!」

 

ん?様子が変わった…

ミュウはそのままそこら辺の岩に体当たり!

 

ズガァンッ!

 

『…』

「すごいですの!何でも壊せそうですの!」

 

岩がぶっ壊れた。…きっと家の壁とか余裕で壊せるな(汗

ソーサラーリングが協力になったことで、装備者のミュウが新たな力を手に入れたってことか?

 

「ミュウ。ソーサラーリングを見せてください」

 

ジェイドが何かに気づき、リングを調べる。

 

「なるほど…、恐らく結晶体となったフォニムがリングを削ったのでしょう。文字が刻まれています」

 

文字?…多分ソレは、今までミュウが使っていたフィフスフォニムの力。

今回、新たな譜が刻まれたことで、新たな譜術を手に入れたんだろう。

 

「新しい力ですのー!!」

「よし、それでアッシュをぶっ飛ばせ!」

「はいですの!」

 

ははは、アッシュ君の運命は決まったな(酷

 

「このリングを見ると、もう1つぐらい譜が刻めそうですね」

「ほ〜、またフォニムが集まるところを見つけたら試してみようぜ」

「ボク、頑張って、もっともっとお役に立つですの!」

 

とまぁ、レアな出来事に出くわしたが、直ぐに目的を思い出して、更に奥を目指すことに…

 

 

 

 

 

 

 

最奥、そこには六神将の3人が居た。

アッシュ、シンク、ラルゴ。厄介な奴ばっかりだ…

なんでアリエッタとリグレットじゃないんだよ!」

 

「ルーク、口に出てるぞ」

「おぉ、ガイ。俺の心の声が聞こえたのか」

「ルーク様は寝喰らったの方がいいの!?」

 

アニス、確かに寝喰らいたいぞ(ぁ

 

「…導師イオンは儀式の真っ最中だ。

おとなしくしていてもらおう」

「なんです。おまえたちは!仕えるべき方をかどわかしておきならが、ふてぶてしい」

 

ナタリアがラルゴの言葉を聞き、反抗の声を挙げる。

 

「シンク!ラルゴ!イオン様を返してっ!」

 

え、アッシュは見ないふりですか?アニス…

 

「そうはいかない。奴にはまだ働いてもらう」

「…なら力ずくだな」

 

とりあえず、イオン奪還だな。

六神将はガイだけに任すか?(ぉ

 

「こいつは面白い。タルタロスでのへっぴり腰からどう成長し「余所見してんじゃねぇぞ?」何!?」

「吹き飛べ、紅蓮襲撃!」

 

ズガアアンッ!

朱緋で炎を纏わせた蹴りを上空から叩きつけてダウンさせる。

 

「はん…。ジェイドに負けて死にかけた奴が、デカイ口叩くな」

「くっ…。わはははっ、違いない!だが今回はそう簡単にま負けぬぞ小僧…」

 

体勢を立て直したラルゴは鎌を構える。

う〜ん、直撃を避けたか…

 

「六神将烈風のシンク。…本気で行くよ」

「同じく黒獅子ラルゴ。いざ、尋常に勝負!」

 

戦闘開始!

さて、俺はラルゴの相手をするか。

ガイとアニスにはシンクを抑えてもらおう。

 

「ティア、ナタリア、ジェイドは長距離より援護。ガイ、アニスはシンクを、俺はラルゴを潰す」

「ルーク!無茶だわ!」

「ティア。大丈夫、何とかなるから、根拠は無いけど」

「尚更駄目じゃない!」

 

もう、心配性なんだから〜♪

 

「まあ、見てなって。…行くぞ!」

「来い小僧!」

 

ダッシュ!…まずは、一気に距離をラルゴとの距離を詰める。

ラルゴの鎌の届く範囲ぎりぎりの所で勢いを殺さず、上へジャンプ。

そのままラルゴの頭上を通り過ぎる、当然鎌が届かないぎりぎりのところをだ。

よし、予定通り。そのまま背を向けて着地、ラルゴは此方に向きを変え、鎌を振る動作に入っているが、放置(ぉ

再びダッシュ!シンク目掛けて(ぁ

 

「なんだと!?」

 

ハハハ、甘いよラルゴ君!

 

「だから何なのさ!」

 

シンクの位置はラルゴと少し距離がある。シンクはその光景を見ていたが、驚いてはいたが正面から迫る俺に対し冷静に剣を構えている。

が、コレも予定通り♪

 

「まだまだ甘いって♪」

 

今度は、シンクの剣が届くぎりぎりの所で前に魔力を少し放って、自分の勢いを止め、尚且つバックステップ&反転。

 

『魔神剣!』

 

ガイと俺の声が重なる。目標はラルゴだ(ぁ

 

ズガアン!

 

「ぐはぁっ!」

 

前後からの同時攻撃に、直撃を受けるラルゴ君。

 

「ボクに背を向けるなんてお笑い種だよ!」

 

…ふ、だから、甘いって♪

 

「ノクターナルライト!」

 

ティアが詠唱をキャンセルし、3本の短剣を扇状に投げつける!

 

「ちっ!」

 

キンッ!キンッ!ザシュッ!

 

シンクは2本程短剣を叩き落した。

…3本目は俺の肩にささってた。

 

「…」

「…」

「…大丈夫かい?」

「…多分、毒とか塗られてなければ」

「災難だったね」

「まったくだ」

 

いや〜、シンクとは意外に波長が合いそうだ。

 

《おい、あんまり気を落とすなよ》

《…彼女は仕様の名の下に存在するからな。しょうがない

 

アッシュまで心配してくれた(ぉ

 

「さて、再開するか」

「肩はいいのかい?」

「あぁ、片腕で十分だろ」

「言ってくれるね」

 

再び剣を構えあう俺とシンク、でも何だかシリアスじゃない。

 

「…」

「…」

 

何だか一対一みたいなことになってるな〜。

お互い、どちらも動かず、相手の出方を見ていると…

 

リミテッド(ボソ

 

ズガアアンッ!

 

「ぐはぁっ!」

 

うあ〜、空気読めてねぇ〜よ(汗

 

「敵、ルックス5%以下。雑魚と認識しました」

 

しかも”人工生命体の人形”装備済み!?

…だったらXバスター使ってくれよ(ナニ

 

「アニス、どうせならプレセアが俺は好きだ」

「時間は戻ってこない…」

 

装備かえるの早っ!

って、分かる人にしか分からないネタはこの辺で止めよう(ぁ

 

「くっ…!」

「ぬぅ…っ!」

 

うむ、とりあえず2人は戦闘不能に追い込んだ。

 

「二人がかりで何やってんだ!屑!」

 

アッシュは…なんで俺目掛けて走り出すかな〜。

 

『双牙斬!』

 

お互いの技がぶつかり合い、相殺する。

 

「お前、やはり…」

「決まってるだろうが!同じ流派だからだよ、ボケがっ!俺は「アッシュ!やめろ!」…」

「アンタはほっとくとやりすぎる。剣を収めてよ」

 

シンクが熱くなったアッシュを止める。

 

「取引だ。こちらは同士を引き渡す、その代わりここでの戦いは打ち切りたい」

「このままお前らをぶっ潰せば、そんな取引成り立たないな」

 

ガイの言う通り。だがそれは、別の場所での場合だが…

 

「ここが砂漠の下だってこと、忘れないでよね。

アンタ達を生き埋めにすることも出来るんだよ」

「無論こちらも巻き添えとなるが、我々はそれで問題ない」

 

シンク、ラルゴ。2人の態度からして本気だろう…

 

「ルーク、取引に応じましょう。今は早くイオン様を奪還して、アクゼリュスへ急いだほうがいいわ」

「そうだな。陸路で進んでいる分遅れてるからな〜」

 

イオン回収完了。

 

「…迷惑をかけてしまいましたね」

「気にスンナ。お互い様だし?」

 

ナデナデ

 

「…ありがとうございます」

 

うふふ、イオン。かわい……はっ!?い、今俺は何を考えていた!?

もう重傷なのかもしれない(崩

 

「そのまま先に外へ出ろ。

もし引き返してきたら、その時は本当に生き埋めにするよ」

 

皆、素直に歩き出した。

 

「…あのような下賎な輩に命令されるとは、腹立たしいですわね」

「ナタリア、ここはこらえてくれ」

「分かっています。今の私は王女の身分を隠して旅をしているのですもの」

 

言ってる時点で隠してないし!

 

「ナタリア…?」

 

そこで、反応したのは意外にもラルゴだった。

 

「…なんですの?」

「ナタリア、行くぞ」

「えぇ…」

 

ふぅ、イオン奪還成功♪

アクゼリュスに向けてしゅっぱ〜つ!

はぁ、靴の中に砂が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれがナタリア王女か……。因縁だね、ラルゴ」

 

残った六神将の3人。アッシュ、ラルゴ、シンクは居た。

 

「…おい、ラルゴ。てめぇ、ナタリアと何か関係があるのか?」

「……さて、昔のことだ。忘れてしまった」

 

アッシュあ愛しのナタリアの事なだけに、ラルゴを突っつきだす。

ソレに対するラルゴは、すっとぼけた。

 

「六神将は互いの過去を知る必要は無い。アンタだってそれが身に染みているだろ?

”聖なる炎”の燃えかすである、アンタならね…」

「…ちっ」

 

シンクばっかり知っている気がしてならない(ぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。やっぱり暑くても、砂だらけで埃っぽくても外のほうがいいっ」

 

遺跡の外へ脱出した途端、アニスがそんな事を言い出した。

 

「皆さん、ご迷惑をおかけしました。僕が油断したばかりに…」

「そうですよ、イオン様!ホント大変だったんですから!」

 

アニスの言う通り!…もう砂だらけってのは懲りたぞ。

 

「ところでイオン様。彼等は何をさせていたんです?ここもセフィロトなんですね?」

「…はい。ローレライ教団ではセフィロトを護るため、ダアト式封咒という封印を施しています。

これは歴代導師にしか解呪できないのですが、彼らはそれを開けるようにと…」

 

セフィロトねぇ…

 

「何でセフィロトを護ってるんだ?」

「それは……教団の最高機密です。でも封印を開いたところで、何も出来ないはずなのですが…」

 

いやいや、何も出来なかったらこんな事してないって。

 

「ん〜、とりあえずだ。さっさと街へ行こうぜ。ここに居ても干からびちまうだけだ」

 

皆は俺の言葉に同意し、ケセドニアへ向かった。