予想以上だな。ここまで瘴気が充満してるとは…

さっさと瘴気を中和しないと、被害者が増えるな。

 

「さて、ヴァンの言ってたことを始動するかねぇ〜」

「ルーク!?」

 

反応したのはナタリアだった。

そういえばナタリアは牢獄でヴァンと俺の会話を盗み聞きしてたな〜。

 

「ルーク。お前一体何をするつもりだ?」

「ガイ、覚えてるか?以前、ティアがやった事と同じだ」

 

手のひらの中に超振動を少しずつ発生させる。

よし、瘴気の固定振動測定完了。

一気に開放!

 

「ヒ○ベルトエフェクト、発動」

 

そんな偽台詞に続き、淡い光がアクゼリュスを包み込んだ。

その結果。無事、瘴気は中和されちゃいました♪

 

「よし、全員手分けして病人の手当てを。特に濃度の高い場所へ行ってくれ。…正直いって長くは持たない」

 

ははは、寿命が縮む〜♪

パワーオーバーだから、体に響くであります!

 

「今のはあんた達がやったのか?」

「ん?あぁ、キムラスカの使者だ。ピオニー陛下からの依頼で救出作業にきたんだ」

「ああ!グランツさんって人から話は聞いています!自分はパイロープです。

そこの坑道で現場監督をしています。村長が倒れてるんで自分が代理で雑務を請け負っているんでさぁ」

「グランツ謡将と救助隊は?」

「グランツさんなら坑道の奥でさぁ。あっちで倒れている仲間を助けてくださってます」

「よし、今の内に奥にいる人たちを助け出すぞ」

 

皆なにやら言いたげな顔でこっちを見ているが、それど頃ではない事も分かっているため、その場は直ぐに救出作業にはいった。

あ〜、しんどい(ぉ

 

 

 

 

 

 

最奥へ繋がる坑道の前に到着すると、兵士から声が掛かった。

 

「グランツ響長ですね!自分はモース様に第七譜石の件をお知らせした、ハイマンであります」

「ご苦労様です」

「第七譜石?まさか発見されたのですか!?」

 

まあイオンが一番動揺するのは当たり前か、導師だし。

 

「はい。ただ真偽のほどは掘り出してみないとなんとも…」

「ティア、あなたは第七譜石を確認してください。

僕はルークたちと先遣隊を追います」

「わかりました。この村の皆さんをお願いします」

 

てことで、ティアさんはパーティーから外れた。

悲しいぞっと(泣

とりあえず、坑道へ潜入。まだいる人を救出しないといけないしな。

 

「…はぁ」

「ルーク?!すごい汗じゃないですか!」

 

あら、イオンに気づかれるとは…

 

「ん?大丈夫だ」

「ですが…」

「俺の心配はいい。今は救出が先だ」

「ルーク。救出する側が倒れては意味が無いですよ」

「わかってる、ジェイド。今はまだ大丈夫だ」

「…分かりました。奥へ進みましょう」

 

もう、心配性なんだから♪

大丈夫だって、寿命が縮んでいるだけだから(ぉ

 

 

そして、最奥。そこには瘴気をすい過ぎて、動くことも出来ない人たちがいた。

直ぐに散開して。各々救出にあたる。

そこで気づいた、どういうことだ?先遣隊の姿が無い。

そして…

 

「ここで頭痛とは、何て不都合な体でしょうか…いてぇ…」

《そこから先に行くのはよせっ!》

 

アッシュか?

すまない、今お前の相手をする余裕は無い。

超振動の制御がいっぱいいっぱいで話をする余裕すらなかったりする。

 

ガヤガヤ

 

…はて、上の方が妙に騒がしい気がするな。

 

「ジェイド」

「……えぇ、上の様子がおかしい。見てきます」

「気をつけろよ」

 

直ぐにジェイドも行動にでる。

 

《奥に行くんじゃねぇ!取り返しがつかねーぞっ!言うことを聞きやがれっ!》

 

だ〜!今は話しかけてくんな!制御に失敗したら瘴気が出てくるだろうが!

 

「ようやく来たか」

 

最奥の一番端にとある人物を発見した。

 

「ギロロ伍長!」

「ケロロ、ペコポン侵略はどうした!?って違う!」

 

ヴァン、ナイスノリツッコミだ。

 

「ヴァン、お前はここで何してんだ?先遣隊はどした」

「別の場所に待機させている。――導師イオン。この扉を開けていただけますか」

「……これは、ダアト式封咒。ではここもセフィロトですね。ここを開けても意味が無いのでは」

「いいえ。このアクゼリュスを再生するためには、必要なのですよ」

 

えー、てかもう瘴気は中和したぞ?

他に何の様が…

 

「…わかりました」

 

いや、わかっちゃうの!?

 

《やめろ!行くんじゃねぇっ!アクゼリュスを滅ぼすつもりか!》

《うるせぇ!唯でさえ瘴気を中和するために超振動を制御してんだ!一々掻き乱すな!》

 

アッシュとの会話中、既にヴァンは中に入っていった。

……アッシュは言っていたな。アクゼリュスを滅ぼすと。

 

「ルーク、こちらへ…」

 

つれて来られたのは、…これはパッセージリングだっけ?

 

「さあ、ルーク。あの音機関――パッセージリングまで降りて、瘴気を中和するのだ」

「もうしてる。バカだろあんた」

「…」

「…」

 

アフォアフォアフォ〜

 

「ふん、ルーク。さっさとするんだ」

 

あ〜、そこ。イオンを人質に取るのはやめなさい。

 

 

 

 

 

 

ここはアクゼリュス上層、ジェイドが騒ぎを見に戻って来たところ。

 

「ティア!どうしたんです、この騒ぎは…」

「大佐!先遣隊が殺されていました!タルタロスを拿捕したオラクルが待ち伏せして先遣隊を始末したようです!」

「それで先遣隊の姿がなかったのですか。やはりアクゼリュスの救助を妨害するために…」

「いえ、彼等は私を連れ去るために、兄に命じられて停泊しているんです」

「どういうことです?」

「先程第七譜石を確認しに行った時、――結局あれは第七譜石ではありませんでしたが、

とにかくあの時、私はオラクルにさらわれそうになりました」

「どうしてあなたが…」

「兄です!兄が私を巻き込まないために…!

兄はどこですか!兄は恐ろしいことを実行しようとしています!」

「おい!そんなとこで喋ってる暇があるならあの屑をどうにかしろ!死ぬぞ!」

 

と、そこで急いで2人の横を通り過ぎたのはアッシュだった。

 

「…兄さんは…」

 

 

 

 

 

 

「よし、そのまま超振動をリングに向けろ」

 

ちくしょう、イオンを人質にとられちまった訳で…

 

「さあ…”愚かなレプリカルーク”力を解放するのだ!」

 

冗談じゃない。もう超振動を制御する力もたいして残ってないのに…

くそ、しょうがない。…First Protect …Release!

その瞬間、俺の気配が変わる。

よし、これでまだ制御できる。パッセージリングへ命令を書き込むか♪

本当言うと、ここでセフィロト崩壊を防ぐのがベストなんだが…、もう超振動を仕掛けたから正直崩落は逃れられない。

だったら、被害を最小限に抑えるしか方法がない。え〜っと、命令内容はアクゼリュスの”セフィロト崩壊直後、ゆっくり降下”っと♪

まぁ、単純だがこれで時間は稼げるだろ。あとは”瘴気の海”におっこちる前に全員安全な場所に移動すればいいだけだしな〜♪

 

 

 

 

 

「……兄さんは……

アクゼリュスを消滅させるつもりなんです!!」

 

 

 

 

 

そして、辺りは崩壊を始めた。

 

「…ようやく役に立ってくれたな。レプリカ」

 

まだ、気づいてないか。ゆっくり降下し始めただけと言う事に…

んでもって、本性でたねぇ〜。

 

「…うるせぇ、今すぐぶっ殺し「くそっ!間に合わなかった!」…最後まで言わせてくれ

「アッシュ!何故ここにいる!来るなと言ったはずだ!」

「…残念だったな。俺だけじゃない、あんたが助けようとした妹も連れてきてやったぜ!」

 

アッシュが喋っている途中にヴァンが、ピィ〜!っと口笛を吹くとヴァンとアッシュは魔物に捕まれていた。

 

「…放せ!俺もここで朽ちる!」

「イオンを救うつもりだったが仕方がない。お前を失う訳にはいかぬ」

 

あ〜ら〜ら〜、そのままアッシュ君連れて行かれちゃった。

 

「兄さん!やっぱり裏切ったのね!この外郭大地を存続させるって言ってたじゃない!」

 

そこで登場ティアさんです!

…そう言えば俺ってほったらかし?

 

「これじゃアクゼリュスの人もタルタロスにいるオラクルも皆死んでしまうわ!」

 

いや、大丈夫です。ここら辺は崩壊を始めちゃってるが、実はゆっくり降下中ですし♪

 

「…メシュティアリカ。お前にもいずれ分かるはずだ、この世の仕組みの愚かさと醜さが。

それを見届けるためにも……、お前にだけは生きていて欲しい。

お前には譜歌がある、それで…。」

 

そう言って、ヴァンも逃げ出した。

 

「さて、急いでアクゼリュスの住人をタルタロスへ運ぶぞ」

「ルーク!こんな時に何を言ってる!」

「あぁ、言ってなかったな」

 

さぁ、君たち。心底驚くがいい!

 

「実は、ゆっくり降下中なんです」

『は?』

 

あははは!皆その顔最高♪

あ、写真に収めよう。

 

「ま、まってくれルーク。分かるように説明してくれ!」

「ガイ、今はそんな事を言ってる場合じゃないぞ?

ゆっくり降下しているが、ここは穴だらけの鉱山なんだ。下に落ちたら”比べ物にならない瘴気に襲われる”ことになるんだ。

だから、今は頑丈そうなタルタロスへ全員で非難するのが先決だ。いいな?」

 

めんどいので殺気で全員を押さえ込んだ(ぁ

 

「あ〜も〜、さっさと動け!」

「…あ、あぁ。信じていいんだな?」

「…ガイ…俺はそこまで信用無いか」

 

まさか此処まで信用無かったとは…

俺もだめだめだ〜ね(悲

 

「分かりました。ここはルークを信じましょう」

 

激しく意外な人物が初めに声をあげた。

 

「…なんだ。ジェイドは俺を信じてくれるのか?」

「えぇ、この状況で嘘を吐く意味は有りませんし、

…何より、本当に崩壊、落下中ならこんなに自由に身動きは取れません」

 

そらそうやな〜。

 

「んじゃ、救出と言うか全員をタルタロス内に移動させてくれ。俺は先にタルタロスへ行って受け入れ準備をしてくる」

 

各々頷き、直ぐに動き出す。

さて、俺も行くか。

はい、しゅっぱ〜つ♪

転移術でタルタロスへゴー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はて、重いです。

 

「…ルーク様、タルタロスの奪還でいいんですかぁ?」

 

転移術で一気にタルタロスまで飛んできた訳ですが…

その際、皆に背を向けたのが悪かった。

術を発動させる瞬間、ちっこい子が背中にへばり付いて来た(ぉ

 

「…アニス、何で背中に?」

「え〜?だってぇ、一人じゃ大変ですよぉ?」

 

いや、そりゃそうだけど…

 

「…ま、いいか。とりあえず、ブリッジを制圧よろしくな」

「ルーク様わぁ?」

「俺は、…他の連中を裁いてくる」

「…分かりましたぁ♪アニス、いきま〜す☆」

 

…赤い流星か?…ア○ロじゃないのは確かだ。

 

…やろ〜てめ〜ぶっころす!

 

き、気のせいだな。うん(投

 

「…ま、悪い気はしねぇな〜

…ゴホッ…ゴホッ………定番だ。

なんじゃこりゃ〜〜!」

 

まぁ、吐血しただけです(ぁ

 

「さて、俺も行くか」

 

吐血の処理は置いといて、タルタロス内へ入った。

中には、まぁそれなりの人数が揃っていた。

え〜っと、全員で140人ぐらい?

 

「何だ貴様は!」

「俺の名は「やろ〜てめ〜ぶっころす!」………」

 

艦内放送ってすごいよね…

気を取り直して、お掃除開始!

 

「アビス」

 

まぁ、あれだ。亜空間への入り口だな〜。

吸い込まれたら最後、訳の分からん場所に放置されて魔物に襲われてそのままってやつだ(ぁ

 

「うわあああ!」

「い、いやだ〜!」

 

などと叫び声をあげて次々と飲み込まれていく兵士たち。

ちょっと可哀想だが、まぁ敵だし?

 

「ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽ〜ん♪ルーク様ぁ〜、ブリッジ制圧完了しましたぁ♪」

 

…自分でピンポン言うなって(汗

過去、管理人が、それを現実にした事がある(ぁ

 

「さて、こっちもさっさと終わらせよう」

 

急いで、残りの兵士も片付けていった。

とうぜん血を流さずに(ニヤ

 

 

 

よし、お掃除完了。

先程から、妙にうるさい艦内放送を止めるために、ブリッジへ向かっています!つーか到着。

 

「アニス、暇だからって歌わなくても…」

「あ!ルーク様〜☆アニス頑張っちゃいました♪」

「…やろ〜てめ〜ぶっころすって叫んでたしな」

「え゙?」

「…あのな、始めっから放送のスイッチ入ってたぞ?」

「あ、あははは…」

 

…素が出たな。

 

「まぁ、怪我も無いみたいだし。よかったよかった」

 

ナデナデ

 

「…あの、ルーク様。聞いてもいいですかぁ?」

「ん?」

「さっきの出来事について…、アニス教えてほしいなぁ〜☆」

 

…ぶりっ子、最近なれてきました(ぁ

 

「たいしたことはしてないと思うんだが…。

超振動で瘴気を中和して、制御が危なかったから力を解放してパッセージリングに命令書き込んで、タルタロス奪還。

ほら、たいしたことないぞ」

「…それ、十分凄いですぅ」

 

おぉ、アニスの額に汗が!

レアだ(ぁ

 

「あの、力の解ほ「おっと、話はここまでだ」…え?」

「避難してきた人たちの受け入れを始めるぞ」

 

タルタロスの周囲に人の気配が多数でてきた。

ぶっちゃけ扉開けてないから入れない!

 

「てことで、扉を開けてくれ。あと梯子も下ろしてくれ。俺はやり方がわからん」

「あ、はい♪了解しました☆」

 

うむ、誤魔化し完了。

あ〜つかれた。普通にぽっくり逝きそうって感じ?

 

「ルーク様♪扉、梯子、共に完了しました。話の続きを…」

 

バタッ

何かが倒れた音がブリッジに響く。

ん?…視界が横に?って倒れたの俺か(壊

アニスの叫び声が聞こえてくるが、内容までは分かんないよう…、さむっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと…

 

「知らない天井だ」

 

お約束な台詞を吐いてみた。

うむ、どこだここは…

 

「…起きましたか。調子はどうですか?」

 

俺の意識が戻ったことに気づいたのか、声を掛けてきた人物がいた。

視線を向けると、そこには見知った女の子の顔があった。

そして一言…

 

「アナタは死にました」

「は?」

 

何を言い出すんですか、この娘さんは(汗

 

「正確には魂をこっちの肉体に移動させたのですが」

 

なんですと?

 

「更に詳細を言うなら、前の肉体はまだ生きてます。

今は…、ユリア・シティの一室に寝かされています」

「寝てる状態って事か?」

「はい、魂を新しい器に乗せ変えただけです」

 

まったく、…余計なことをしてくれるねぇ。

まぁ激痛が走らないことには感謝するが(ぉ

 

「前の体はもうボロボロでしたから、ご勝手ながら私の意志で移しました」

「…まぁ、ありがと」

 

誰も見てないときに前の肉体と入れ替わっちまえば万事OK〜♪

ばれなきゃいいのさばれなきゃ(ぁ

 

「あの…」

「ん?」

 

どうした、複雑そうな顔をして。

可愛い顔が台無しだぞ?

 

「申し訳ありませんでした。…私の勝手な行動により、”スコア”がずれてしまいました」

「…修正は可能だ。ばれなきゃいいさ」

「で、ですが!アナタが詠んだスコアは絶対のはずです!私はそれを…」

「それは違うぞ?…俺はただ計画を立てただけで、スコアを詠んだつもりは無い。

俺が”先読み”したのは幾つも有る選択肢の中から可能性が高いのを並べただけだ。

だから、そんな顔すんな」

 

ナデナデ

 

「あ…。えへへ…」

 

く、可愛いねぇ〜。

 

「さて、直ぐにでも入れ替わるか」

「はい、この先も我々”ソルフェージュ”のバックアップは出来ません。ご了承を」

 

残念。

 

「まぁ、まだ表に出るにゃ早いからな。…つーか、最後まで出るな。むしろ最後が来ても隠れとけ」

「分かっています。我々は本来存在してはならない組織、重々承知しています」

 

それは結構。

さて、さっさと入れ替わるか。

 

「んじゃ、行って来るぞ」

「はい。お体に気おつけてください…ルーク」

「お前もな〜、”イオン”」

「…今は”フローリアン”ですよ。と言っても、まだ彼女に名前をつけて貰ってませんが」

 

苦笑、そんな笑いが彼女の顔ににじみ出る。

 

「…悪いな、体の事」

「構いません、むしろ都合がいいですから」

 

色々あって、男の体が女になっただけ(ぁ

…ところで、なんでそんなに嬉しそうに?(汗

 

「さ、早く行かないと、そろそろ前の体が停止しちゃいますよ?」

「ういうい」

 

と言う事で、ユリア・シティに横たわる体と入れ替わるため転移した。