「お、俺が何をしたって言うんだ…」

「ガルルルル…っ」

 

アッシュVSるい

超獣対決勃発っ!

なーんてタイトルに書かれてる本を読んでいるアリエッタの姿があった。

 

「…ふふ」

 

作者:レプリカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ルークっ!」

「は、はいっ!な、なんでしょうか。ナタリア様…?」

 

ダアト港へ向かう途中、の出来事である。

突然それは訪れえた。

ナタリアさん?何でそんな睨みを効かせて仁王立ちを(汗

 

「ちょっとこちらに来なさいっ」

「う、うい」

 

ナタリアに無理やり引っ張られ、皆から少し離れた場所につれて来られた。

殺気立つ姫様の意図が分からない(汗

俺、何かしましたか?

 

「ルーク。正直に答えなさい」

「…何をだ?」

 

ひぃ、どんどん殺気が膨れ上がってますよ(怯

 

「あなた、まだ何処かで女を引っ掛けやがりましたわね?」

「…は?」

 

何だソレは…

 

「今のアナタからセレニアの香水の匂いがしますの」

 

セレニア…………………、はっ、ティアか(ぁ

 

「しかも、クリフォトの娘ですわ」

 

うはっ、何でそんなピンポイントなんだよ(汗

 

「そのセレニアの香水はティア特製ですのよ?」

 

ぎゃーっす!

 

「あなた、ティアの友人に手を出しましたわね」

 

…ピンポイントずれかよっ!

 

「まてよナタリア。多分匂いの元は俺が寝てた場所が原因だ」

「どういうことですの?」

「俺は倒れた後、ティアのベットで寝ていたんだ。まぁソレを知ったのは少し経ってからだが…

だから、そこら辺が原因だぞ。匂いがついて来たんだろ」

「………………そうですか。その言葉、信じてあげますわ」

 

タスカッタ(疲

 

「ですがっ!私の目が黒いうちは浮気は許しませんわ」

「へ?」

 

なるほど、単なる嫉妬か。

 

「ははは」

「な、何で笑ってますのっ!」

「別に?…ははは」

 

まだキーキーっと吼えるナタリアを置いて、皆の事に戻った。

 

「なんだったんだ?」

「ガイって野暮天〜♪」

 

アニスにそんなことを言われるガイに同情だな。

 

「女は怖いって事さ」

「それなら分かるぞ」

「やっぱりわかってな〜い♪」

 

アニスにからかわれるガイを視界から外すと、何故かティアと目があったり。

 

「っ!」

 

何で目をそらすのさ(凹

っと、そんな事より…

 

「皇帝のいるグランコクマってここからだとどの辺になるんだ?」

「えっと、確か北西だよ」

 

ガイをからかう事をやめ、俺の疑問に答えるアニス。

 

「…ちょっと気になってたんだが、確かグランコクマは戦時中に要塞になるよな。港には入れるのか?」

「よくご存知ですねぇ。そうなんです」

 

ガイ、何でそんな事知ってるんだ?ジェイドは知ってて当然だろうが…

 

「まだ開戦はしてないが…、港に入る事は無理だろうな。

キムラスカの攻撃を警戒して外部からの進入経路を封鎖してるはずだし。

ジェイドの名前を出しても逆効果だろうな」

「アクゼリュス消滅以来、行方不明の軍人が、部下を全て死なせた挙げ句、何者かに拿捕された筈の陸艦で登場。

――攻撃されてもおかしくない」

 

ジェイドが俺の言葉の意味を説明する。

 

「やっぱ陸路か…。そうだな、確かローテルロー橋がまだ工事中だったよな?あそこから接岸して、歩いていくのが妥当だとおもうが…?」

「…それしかなさそうですね」

 

ジェイドの合意が他のメンバーにも納得させる要因。

何処までも半信半疑扱いってのは気に入らんが、まあいいか…

 

「決まりですわね。ローテルロー橋を目指しましょう」

「うは…歩くんだ…」

「安心しろアニス。疲れたら抱きかかえてやるから。ガイが」

「俺かよっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スガガガアアアンッ―― ダアト港を出発して、しばらく経った時に突然タルタロスが大きく揺れた。

 

「んあ?」

 

俺は一人、風に当たっていたため原因が分かった。

ほんの少しだけ上を見上げると、そこには一つの影が飛び去ったって行った。

どうやら誰かが足止めに攻撃を仕掛けてきた様だ。

しかし、あれは…

 

「…いや、まさかな」

 

この時に感じた少し懐かしい感覚が気になったが、ヴァンの刺客と判断したのが今後に影響する事になるとは思っていなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タルタロスの機関部の一部が破壊され、ガイの応急処置で何とか動けるが、修理のためケテルブルグに向かう事になった。

そのケテルブルグがジェイドの故郷だってことに驚いた後、更に驚く出来事が起こった。

タルタロスの修理のため、お偉いさんに話をつけるために来てジェイドの顔を見て驚きの表情を浮かべる一人の女性がいた。

 

「…お兄さん!?」

 

お兄さん?…え?…マジで?

…あぁ、確かにジェイドと似てるな。

 

「やあ、ネフリー。久しぶりですね。あなたの結婚式以来ですか?」

「兄さん!どうなってるの!?アクゼリュスで亡くなったって…」

「実はですね…」

 

ジェイドが何が在ったか説明する。

 

 

 

「…なんだか途方も無い話だけど、無事で何よりだわ。

念のためタルタロスを点検させるから、補給が済み次第、ピオニー様にお会いしてね。

とても心配しておられたわ」

「おや、私は死んだと思われてるのでは」

「お兄さんが生きていると信じていたのはピオニー様だけよ。

皆さんも出発の準備が出来るまで、しばらくお待ちください。

この街は観光の街ですから、危険はないと思いますがわ。宿をお取りしておきます。ゆっくりお休み下さい」

 

こうして、や〜っとフカフカのベットで眠れる事に…

 

「すみませんが、お話がありますので後ほどお一人でいらして下さい」

「ん?…了解」

 

なにやらお呼び出しが掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は皆と分かれ、再びネフリーのところへ戻った。

 

「すみません。あなたがレプリカだと聞いて、どうしても兄の事を話しておかなければと思ったんです」

「…何の話だ?」

 

レプリカ、ね。

 

「兄が、何故フォミクリーの技術を生み出したのか……です。

今でも覚えています。あれは私が不注意で、大切にしていた人形を壊してしまった日のことです。

その時兄は、フォミクリーの元になる術を編み出して、人形の複製―― レプリカを作ってくれたんです。

兄が九歳の時でした」

「九歳!?」

 

か〜、天才は違うねぇ〜。

 

「し、信じられねぇ…」

「そうですよね。でも本当です。普通なら同じ人形を買うのに、兄は複製を作った。

その発想が普通じゃないと思いました」

 

そうか?…まぁ不思議な発想ではあるが、ジェイドだし(ぁ

 

「…今でこそ優しげにしていますが、子供の頃の兄さんは、悪魔でしたわ。

大人でも難しい譜じゅチュ………」

「ま、まぁまぁ。かんだぐらいでそんなに落ち込まなくても…」

 

ナデナデ―― ごまかしに頭を撫でた(ぁ

 

…//

 

お、赤くなった。ってそうじゃなくてだな…

 

「コホン…。難しい譜術を使いこなし、害の無い魔物たちまでも残虐に殺して楽しんでいました。

兄には、生き物の死が理解できなかったんです。兄を変えたのはネビリム先生です。

ネビリム先生はセブンスフォニムを使えるヒーラーでした」

 

…ん?聞き覚えのある名前が出てきたぞ?

 

「兄はセブンスフォニムを使えないので、先生を尊敬していたんです。そして悲劇は起こった。

セブンスフォニムを使おうとして、兄は誤って制御不能の譜術を発動させたんです。

兄の譜術はネビリム先生を害し、家を焼きました」

「殺したのか?」

「その時は辛うじて生きていました。兄は今にも息絶えそうな先生を見て考えたのです。

今ならレプリカが作れる。そうすればネビリム先生は助かる」

 

…ジェイド、すごい事考えるな〜。

 

「兄はネビリム先生の情報を抜き、レプリカを作製した。でも、誕生したレプリカはただの化け物でした」

「本物は?」

「亡くなりました。

その後、兄は才能を買われ、軍の名家であるカーティス家へ養子に迎えられました。

多分兄はより整った環境で先生を生き返らせるための勉強がしたかったんだと思います。」

「だが、今は生物レプリカをやめさせた。何故だ?」

「ピオニー様のおかげです。恐れ多い事ですが、ピオニー様は兄の親友ですから」

 

そうか。陛下とジェイドにそんなつながりがあるのか。

 

「でも本当のところ、兄は今でもネビリム先生を復活させたいと思ってるような気がするんです」

「そんな事ないと思うが」

「そうですね。杞憂かもしれない。それでも私は、あなたが兄の抑止力になってくれたらと思ってるんです。

話が長くなってしまいましたね。聞いてくださって、ありがとうございました」

 

 

 

ホテルに戻ると、ジェイドが立っていた。

 

「ネフリーから話は聞きましたね」

「別に?」

「悪い子ですね。嘘をつくなんて」

 

何故ばれる…

 

「まぁいいでしょう。言っておきますが、私はもう先生の復活は望んでいません」

「…レプリカには記憶が無いから、か?」

「えぇ、私はネビリム先生に許しを請いたいんです。自分が楽になるために。

でも、レプリカに過去の記憶はない。許してくれようがない」

「…」

「私は一生過去の罪に苛まれて生きるんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タルタロスの修理も完了し、ケテルブルグを出てローテルロー橋にタルタロスを接岸させて目的地に向かう。

 

「何の因果か…」

「我々ハ、再ビ…」

「剣、交える…か」

 

グランコクマへ向かう道中、合間見えることは無いと思っていた存在にエレカウントした。

 

「ルーク様♪お知り合いですかぁ?」

 

何を言う、アニス君も会った事があるじゃないか。コーラル城の帰り際で(ぁ

 

「あの時みたいにあっさりやられるなよ?」

「ヤレバ分ワカル事ダ」

 

化け物らしい数の多い腕には一本一本違う剣が握られている。

お互い、間合いギリギリでにらみ合う。

そして…

 

…リミテッド

 

ズュガアアンッ!―― また空気の読めてない娘さんがいらっしゃいますが…

 

「…あれ?効いてな〜い♪」

 

直撃を受けた魔物は、平然と立っていた。

 

「流石アンノウンですね」

 

ちょっとそこのネクロマンサー。コンフィグ開いて戦闘ランクの設定を上げたでしょ!(ぁ

って、あ!ガイが一瞬で瀕死の重傷に(ぉ

 

「万物に宿りし生命の息吹をここに。…リザレ「ぐああああああっ!」…」

 

あ、ティアの回復間に合わずか。

ガイ、戦闘不能。

 

「彼の者を死の淵より呼び戻せ。レイズデ「ほれ、ガイ。ライフボルトだ」…」

「サンチュー、ルーク。助かったぜ」

 

キュワン―― ガイ復活。

 

「…セヴァードフェイトっ!」

『ぐあっ!』

 

…ティアさん。どうしてガイと俺を巻き込んで攻撃するんですか(泣

あ、ガイの奴また戦闘不能に…

 

「ほら、ガイ。ライフボルトですよ」

 

ジェイドが余りに哀れむ視線をガイに向けながら回復アイテムを投げた。

 

「た、助かったぜ。ジェイド」

「ガイ、ほれ」

 

俺はガイに向かって投げた。

”クジグミ”を!

 

「サンチュー、ルーぐああああっ!」

 

あ、ガイがまたしても戦闘不能に(ぁ

どうやらガイのTPが回復したようだ。

でも俺の名前はルーぐあああじゃないのは確かだ。

 

「もう放って置きましょう」

 

ジェイドの厳しい一言でガイの放置が決定した。

 

「ですが、この魔物はどうしますの?…ガイ抜きでは倒せませんわ。

…ルーク、あの時の業で倒す事は出来ませんの?」

「無理だな。あの時とは状況が違う、条件を満たしてないから術すら発動しねぇ。

…いや、あの時の業にこだわる必要は無いんだよな」

 

うーむ、自力でするとアレだから、ジェイドに力を借りるか。

 

「ジェイド、全力で俺に向かって炎系の譜術を撃ってくれ」

「…分かりました」

「大佐っ!?」

「ティア、イオンのところまで下がってろ。ナタリアはガイを頼む」

「分かりましたわ」

 

引きずられていくガイが少々哀れに思えたのは仕様だ。

 

「業火よ、焔の檻にて焼き尽くせ…。イグニートプリズン!」

 

ゴガアアアアアッ!―― 地面から炎が俺を包み込む。

 

「ルークっ!」

「ティア、大丈夫ですわ。炎は彼の味方ですから」

 

飛び出しそうなティアをナタリアが止めに入る。

 

「焔を宿りし紅き剣よ。今ここに真価を現せ」

 

愛刀”朱緋”にジェイドの譜術を吸い上げる。

更に朱緋の炎を発動させ、火力を上げていく。

炎は刀の先に集中する。

よし、準備は万全だ。

 

「いくぜ。”剣の踊り”よ」

 

足に力を込め、真正面に走り出す。

 

「可憐・花火」

「ハアアアアアッ!」

 

ドガアアアアアアアアンッ!―― 互いの獲物がぶつかり合った瞬間、地上で花火が弾け飛んだように爆発が起きた。

え〜っと、二尺球ぐらいの(ぉ

 

「たーまや〜っ!」

 

うむ、俺も巻き込まれてぶっ飛んだのは周知の事実だ。

 

「ひでぶっ」

 

落ちた(ぁ

 

「ルーク、大丈夫ですの?」

「あぁ、殆どジェイドの譜術に頼ったからな。俺はコントロールしただけだ」

 

だから疲れテナーイ。

 

「ルーク、一度その武器を見せてもらえませんか?」

「ジェイド、時間が空いたときにならな。…分解、…いや、レプリカとかやめろよ」

「…フ」

 

フってなんだよ!否定しろよソコは(汗

 

「さて、ここで立ち止まってる暇はありません。先を急ぎましょう」

 

この場はジェイドがしめた。

ガイはアニスがレイズデッドで復活した、のはナタリアが引きずって歩いている事に気づいたときだったり(酷

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テオルの森。グランコクマへ陸から入るため通らなければならない森だ。

 

「何者だ!」

 

そこで警備をしているマルクト兵に止められた。

ジェイドは俺達に少しこの場で待てと指示を出し、兵士に歩み寄る。

 

「私はマルクト帝国軍第三師団師団長ジェイド・カーティス大佐だ」

「カーティス大佐!?大佐はアクゼリュス消滅に巻き込まれたと…」

 

兵士は驚き表情を変えた。

 

「私の身の証は、ケテルブルグのオズボーン子爵が保障する。皇帝陛下への謁見を希望したい」

「大佐お一人でしたら、ここをお通しできますが…」

 

やはり…か。正直怪しいからな俺達は。

俺が兵士の立場でもここは通さないだろう。

まぁ、イオンあたりならすんなり通れそうだが(ぁ

 

「えーっ!こちらはローレライ教団の導師イオン様であらせられますよ!」

 

兵士の対応に噛み付くアニス。

 

「いえ。これが罠とも限りません。たとえダアトの方でもお断りします」

 

随分と生真面目に仕事熱心だな。

 

「皆さんはここで待っていて下さい。私が陛下にお会いできれば直ぐに通行許可を下さいます」

「…分かった。たのむわジェイド」

 

ジェイドと兵士は森の奥へ入っていった。

残された俺達は、道沿いの草むらに座って待つ事になった。

 

 

 

 

 

「…ふぅ」

「ただ待つのも結構大変ですわね」

 

俺のため息を聞いて、ナタリアがそんなことを口にした。

確かに、何も出来ないで待ってるのは少々じれったいよな。

中々時間が経たな…!

 

ぐあああっ!

 

突然、遠くで誰かの悲鳴が聞こえてきた。

 

「悲鳴ですの…」

 

ミュウの不安そうな言葉を吐く。

 

「…先に行ってるぞ」

「ご主人様っ!?」

「お前達は兵士の所に様子を見に行ってくれ」

 

他の者の返事を聞く前に、俺の姿はその場には無かった。

 

 

 

 

 

 

もうすぐ出口だな。

どこに隠れやがった…

ん?あれはマルクト兵か。

俺が、兵士に近づこうとした瞬間、影が動いた。

上か…!

ズドンッ!―― 馬鹿でかい鎌を持ったラルゴの姿がそこには似合った。

 

「ほう、随分いい反応だな」

「おっさんこそ、その巨体で俊敏な動きをするぜ…。侵入者は六神将か。なんのようだ?」

「前ばかり気にしてはいかんな。坊主」

「ん?」

 

後ろを振り向くと、何処で追いついたのか、ガイが俺に向かって剣を降る姿が見えた。

 

「…っ!」

 

ズバッ!―― 交わし損ねたガイの剣で、俺の背中は切られた。

 

「…ちっ。ガイ、正気に戻れアフォが」

 

くそっ、あまり深くは無いが痛てぇぞコノヤロウ。

俺の心の内を知らないガイは追い討ちをかけてきた。

キンッ!キンッ!―― 迫り来るガイの剣を防ぐ。

 

「おっと、俺を忘れるなよ」

 

何時の間にやら俺の背後にいるラルゴ。

 

「別に忘れちゃいねぇ、ぞ!」

 

ガキンッ!―― ガイの剣を弾きながら体を回転させてラルゴへの攻撃に入る。

ラルゴはあっさりと俺の攻撃を受け止め一歩引く。

直ぐにガイが動き、更なる追撃に移って来る。…ジャマだな(ぉ

 

「悪いな、ガイ。ぶっ飛べっ!」

 

迫り来るの攻撃をかわし、ガイの腹に手のひらを添える。

ドゴッ!―― と鈍い音がした。

そして…

フアっとガイの体が浮き上がりそのまま上空へ飛んだ。

 

「ふ、ふはははははっ!やってくれるな、坊主!味方であろうと容赦なしか!」

「気絶する程度に手加減してあるぞ」

 

まったく、世話の焼ける…。

ズガガガガ…―― その時、何処からとも鳴く地響きが聞こえてきた。

 

「…地震か」

 

大地は大きく揺れ動き、ラルゴは体制を維持するので精一杯。

…!

 

「そこかっ!」

 

朱緋と横の木の上に向かって思いっきり突き投げた。

ズシュッ!―― 何かに刺さった音と共に転がり落ちてきたのはシンクだった。

未だにシンクの肩には朱緋が刺さっている。

 

「…地震で気配を消しきれなかったか」

 

思いっきり突き刺された割には、強がってるなシンク。…結構痛そうだぞ?

 

「やはりイオンを狙ってるのか…、それとも別の目的があるのか?

そもそも、大詠師モースの命令?それともヴァンか?

…どちらにせよ、イオンを必要としているのは確かっぽいな」

「アクゼリュスと一緒に消滅したと思っていたが…、大した生命力だな」

 

ん?シンクの今の台詞からして、まさかこいつらはまだ民間人が助かった事を知らないのか?

 

「陸を落としといて、よくそんな台詞が吐けるな」

「はき違えるな。消滅させたのはお前だろレプリ「模造品が喋るな」グアアアっ!?」

 

グシュッ!―― シンクの肩に刺さった朱緋を蹴ってつける。

傷は更に抉れ、流れる血の量は増えるばかりだ。

 

「ルークっ!」

 

そこにようやく他のメンバーが来た。

 

「ラルゴ、いったん退くよ!」

「やむをえんな…」

 

追いかける暇もなく、シンクとラルゴは早々に去っていった。

って、あ!朱緋を置いていけバカヤロー!

 

何の騒ぎだ!

 

さっきの騒ぎを聞きつけて、マルクト兵もやってきた。

 

「何だお前達は!」

「カーティス大佐をお待ちしていましたが、不審な人影を発見し、ここまで追ってきました」

 

ティアがすぐさまオラクル兵に説明する。

…俺たちも十分怪しいけどな(ぁ

 

「不審な人影?先ほど逃げた連中のことか?」

「オラクル騎士団の者です。彼らと戦闘になって仲間が倒れました」

「だがお前達の中にもオラクル騎士団の者がいるな。…怪しい奴らだ。連行するぞ」

 

…あえてここは抵抗してみたいと言う俺の冒険心が揺れ動いたりしたがソレが何か?

こうして、連行という形でグランコクマに入る事になった(ぁ