Seattle International Children's Festival(2005.5/9〜14)
アメリカのワシントン州にて。
このフェスティヴァルは1985年に始まり、世界中の音楽や劇場芸術を、これまで50万人以上の人々に紹介してきた子供の為のイベントである。
2005年の参加団体は、私達「The Hands Project」を含めて15組。
以下、パフォーマンスを観ての勝手な感想です。
●グループ名[パフォーマンスのタイトル]・・・国
パフォーマンスの説明。
木田敦子の感想
となっています。実際に見ないことには、伝わりにくいですね、、、。
●Labyrinth Circle [Vivace]・・・ドイツ
ジャグリングと'96オリンピック選手のリズミックな体操によるおもしろパフォーマンス。
室内楽トリオが生伴奏する。
我々の出番の前のグループだったので、ちゃんと観ることはできなかったけれど、客席の反応は舞台袖で聞いていた。毎回爆笑の渦だった。演じている人たちは、いかにもヨーロッパの紳士風モーニング・コート姿。バックステージですれ違う時も、真面目な表情しか見たことがない。なのに爆笑させているなんて何をしているのか気になる。
ピアノの上にテーブルを置いて、演奏に合わせて卓球をしていた!・・・・・。
●Lelavision [Physical Music]・・・アメリカ合衆国
鋳物の球体、バンジードラム、ルミトーン(創作楽器)を使った「音楽サーカス」。
我々の出番の次だったので、急いで客席へ観に行った。
音楽技術と運動能力と、創作能力すべてに優れた2人のパフォーマンスには感動!
一歩間違えると大ケガや事故にもつながりそうなアクロバティックなステージ。
表情は笑顔でも、手足の筋肉が全力を注いでいることを物語っている。
手で弦をこすって音を出す巨大ハープは、音楽的にもかなり素晴らしかった。
まさに身体を張ったステージには、涙が出るほど感動した!!
◎楽器の調整が大変らしく、見かける時はいつもチューニングをしていました。
●Frederic Galliano and the African Divas・・・アフリカ、フランス
フランスのDJが、クラブミュージックとアフリカの伝統音楽、アフリカの4つの異文化ヴォーカル(セネガル、エチオピア、チャド、ギニア)の歌姫を融合させる。
ショートプログラムを観た。
4人の歌姫が個性的。小柄で可愛らしい人。美しく華のある人。浪花風迫力満載の人。スター的オーラを発する人。それぞれ良い。
大好きなコラを、ドレッド美青年が淡々と弾く姿がまた良い。
シーケンサーに頼り過ぎ?ちょっと安っぽい。あまり子供向けの感じはしないかな。
●Kevin Locke and Edmund Nevaquaya・・・北米インディアン
スー族のフープ(輪)芸と、フルートの熟達した技を持って戻ってくる。彼らは、アメリカ先住民の深く、陽気な伝統を提示してくれる。
ショートプログラムを観た。
フープの技はすごかった。ステップも楽しい。こういう伝統の技は、無くさずに伝わってゆくと良いと思う。
子供達も参加してフープを教わる時間があった。絶対にできそうにないステップをやらせている。子供達は、できてもできなくても楽しそう。
しかしなぜ、先住民族のフルートでブルースを演奏する必要があるのか、、、。まったく意図がわからない。威厳が減る。どこまで時代に迎合するのが良いか考えものだなぁ、気をつけよう!
●El Retablo [Animals]・・・スペイン
人形遣いによって生きているように動かされる物、再利用で作られた人形、家庭用品などを使って、可愛らしいお話を演じる。楽しく、遊び心溢れる感覚と想像の旅。
小さな舞台で、照明など最小限の装置が最大の効果を発揮していた。
素朴にして夢があり、想像の世界が広がる。子供にぴったりのパフォーマンス。
涙もの。
高価な玩具を与えられるより、身近で楽しい遊び道具を見つけ出せる子供は、きっと豊かな人間になると思った。日本のTVでも放送してほしいと思った作品。
◎ひとりで演じる男性は、スペイン語しか話さない非常にシャイな方でした。実直で温かそうなイメージ。
●Mercan Dede and Secret Tribe・・・トルコ
ターンテーブル(DJ用)を回転させ、ダルウィーシュ(イスラムの踊り)ぐるぐる回り、いにしえの楽器を操る。このトルコ生まれのDJは、イスタンブールの現在と過去の交差点にいる。
期待大にして観に行ったパフォーマンス。予想をはるかに越えて良かった。
DJは、なんとネイも吹く。しかもセンスが良い。これぞ伝統と現代のコラボ!
何でも一緒にやればコラボってもんじゃない!と常々思っていたけれど、これぞ伝統を重んじ、先端も行くのお手本。素敵です。
14歳にして超絶技巧のダルブッカ少年も素晴らしかった。
ダルウィーシュも良かった!照明変わったところでスカートの裾のテープが光って見える演出は、ヤラレタってかんじ。
◎DJの方は、金色の短髪に迷路みたいな刈り込みをしていて、存在感がありました。彼らとは、もっと色々とお話がしたかった。