目玉はBjork の曲
2002年4月1日
今日からいよいよ4月です。新しい年度を迎えて新規一転お互いに頑張りましょう。4月からは新企画「ジャズ新名盤を探せ!」が始まります。これがアップされるのは5月か6月ですからもう2回〜3回目に入っていることでしょう。私はいくつかのアルバムを既にピックアップしています。気が早いというか時期遅れになってしまう畏れはあるのですが、まあ許して貰いましょう。原稿が間に合わないよりはましかと思います。
今日からブロードバンドが使えます。もっと早く使えたはずなのに契約の行き違いで1ヶ月待たされました。いやあ待ち遠しかった。これで快適に過ごせます。それから続々とCDが届く予定です。これまた嬉しい。まあお金のかかることは致し方ないのですが。かみさんも何か良いものを手に入れたようで、これでおあいこです。文句の出しようがない。こんな風だから我が家はいつまでも金が貯まらないわけです。
今回の紹介盤はAkiko Graceの「From New York」です。既にGDになっていますから皆さんもご存じの盤です。かなり売れた様ですね。私としては日本人女性ピアニストというのは秋吉敏子以来です。何と50年来ということになるのかも知れません。大西順子がいたではないか。山中千尋がいたではないかと仰られるかと思いますが、どうもピアニストの女性というのは手が出なかった。男尊女卑も甚だしいわけです。ピアノを弾くヴォーカリストはいました。しかしあくまでヴォーカリストとしての評価です。そんなわけで罪滅ぼしというか心あらためると言う気持ちで拝聴致したいと思います。
まず私はアルバムのオリジナルとスタンダードの割合をみるのですが、この盤ではオリジナル5曲にスタンダード4曲その他1曲となっています。その他1曲が今回の目玉。なんとBjorkの「I’ve seen it all」が入っているではないですか。よくぞ取りあげてくれたと言う感じです。しかもこの盤一番の9分という長い演奏です。切ない情感が伝わってきます。いわずと知れた映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の挿入歌です。これは新スタンダードになりうる曲です。もうこの曲1曲が入っていることで合格点です。多分彼女もこの映画をみて同じ女性としての共感から取りあげたのではないかと勝手に想像しています。スタンダードの中でもルグランの「You
must believe in Spring」を取りあげているところなんかさすがというと言うところです。何といってもビル・エヴァンスの晩年の名演で知られている曲ですから。さて彼女のオリジナルの方ですが、6曲目「The
last smile of you」などは素敵な曲です。7曲目も幻想的な良い曲です。4曲続けてオリジナルを揃えて飽きさせないかという疑問はどうでしょう。前回メルドーが13曲続けてオリジナルであることに比べればどうってことないのですが、やはり気になるところです。8曲目は少し女性としての気負いを感じますが、9曲目複雑な構成の曲ながらなかなかの演奏です。10-11曲目はスタンダードで締めています。ほっとする瞬間ですが「My
favorite Things」等は意欲的なオリジナル性を感じる演奏です。そして最後はエヴァンスの影を落とした曲と演奏で締めています。
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