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音楽学校出の優等生はジャズマンとは言えないのか

 
僕は寺島靖国氏を敢えてジャズバカと呼ばせて貰う。いやこれは彼のことを卑下してるのでは決してない。愛すべきという言葉を頭につけた「ジャズバカ」なのだ。でも、時々ヘンな事をしれっと言う。そのひとつが音楽の英才教育を受けた者を嫌いだと言うことなんだ。何かそういう輩はジャズ・マンの資格がないかのようなニュアンスで語ることがある。僕はこれはかなり辻褄の合わないことを、平気で言っている気がして、まさにジャズバカだなって思うのだ。彼はとにかく教養のないジャズしか出来ないようなそれこそジャズばかをこよなく愛していると思われる。(かなり僕も言葉を選んでシンケイ使って書いているつもりだから、断定的には言わないでおこうと思っていて、些か疲れるのだが)でも、そういうのしか聴かないのかと言えばそんなことはない・・・のだ。
 端的に言うと、彼は大西順子を筆頭に知って知らずか、知らない振りをしてか音楽学校出の優等生を随分とこよなく愛してしまっているのだ。で、嫌いの理由となると決まって、どこかの国で英才教育を受けたとか、バークレー(だったかな?)に火をつけてやるとまで言っているのは、ホント・・・バカと言いたくもなる。何度も言うが僕は彼のことを「寺島のオヤジ」と勝手に呼ばせて貰っている日本一好きなジャズ・ライターなのだ。でも、しれっとそういうとんでもないチグハグなことをいうから、あら、また言ってると少々呆れることがある。こまったオヤジである。
 ひとつ例を挙げよう。これは最近出た「聴かずに死ねるか!JAZZこの一曲」の中のTony Perezのことを書いた文で、同じキューバ出身のGonzalo Rubalcabaのことを引き合いに出してる。
「いまや、世界的に有名なキューバのピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバはここで(国立高等音楽院)で徹底的に英才教育を受けた。
 どうりで。どうも違和感を覚えっぱなしだっだが合点がいった。英才教育のジャズだったのだ。最もジャズに反することではないか。
 もう聴くのはやめよう」
 これだもの。ホント困ったジジイだ。(オヤジがジジイに昇格した)こんな調子のことはあっちこっちで散見されるのだ。いやはやというしかない。僕は惚けた爺さまの介護をしてる息子の心境になる。「ったくもう、この糞オヤジ」という心持ちだ。
 で、僕が言いたいのは、彼のジャズバカのことではホントはない。つまり、英才教育を受けていようがいまいが、イイものはいいのだ。そこのところをこの惚け爺様に言ってやりたい気持ちで一杯なんだ。そんだけ。

Jazz徒然
まさにヘビーだ!

Elvin Jone/Richard Davis
Heavy Sound

impulse

1968
Elvin Jones:ds
Richard Davis:b
Frank Foster;ts
Billy Greene:p

1.Raunchy Rita
2.Shiny Stockings
3.M.E
4.Summertime
5.Elvin's Guiter blues
6.Here's that Rainy day
僕はすべからく曲を大事にしたいって言う意味では、この盤ではShiny StockingsやSummertime,そしてHere's that Rainy Dayがどんな風に出来上がっているのか気になるわけだ。で、気持ちが飛びついたのがShiny Stockinsの演奏だな。そしてHere's that Rainy Dayなんだ。それとSummertimeはちょっと聴いたところでは、Richard DavisのアルコやらElvinのドラムがやや凝りすぎの感もあってどうかなってところなんだ。で、意外に面白そうななのがElvinがギターを弾いて始まるElvin's Guiter Bluesってそのまんまだけど、結構サウンド的に面白そうなんだな。他のはちょっと今いちの感じだった。いずれも頭聴きしただけだからまだ何とも言えないけどね。
 で、イントロ的にちょっと話すと、実はもうひとつ聴きたかったアルバムがあって、これもElvinとRichard Davisが組んで、更にCharlie Mariano,Hank Jones,Roland HannaっていうパーソネルでやったDear John.Cというもの。これが本当のところコメントしたかったのだけど、例のアンプがアナログの対応がまずいってことで、今別のアンプにしてるんだけど、アナログにはそれこそ全然駄目というものだから修理が終わったらコメントすることにして、今回はこの盤にしたってわけ。
 言い訳はそのぐらいにして、早速聴きたいものから堪能しよう。
まず、Shiny Stockingsだ。DavisのベースとElvinのドラムが塊になって飛び出してくる感じが凄いね。てことはFosterのテナーが幾分ひっこんだきこえるくらいだな。こういう構図は僕は嫌いじゃない。いや、寧ろ面白い。ど迫力のDavisのソロにElvinのブラッシュ・ワークはもう嬉しくなるような絡み具合。Fosterがそれに加わって吹いてるんだけど奥でゴソゴソやってるようにしか聞こえない。それだけこの二人の迫力は満点だね。これまたアンプのせいか?って違う違う。アンプは取り替えたんで正常。
 ポーンととんでHere's that rainy dayだ。これは結構Fosterが活かされている。グッと来るテナーだよ。あまりドラムもベースも出しゃばってないな。だから、聴かせどころで誰をピックアップして音をとるかって工夫がされていると思うね。エンジニアはBob Simpsonか。ちょっと気になる人だね。impulseの録音関係には疎いので良くわからない。ピアノのBilly Greeneもいいピアノを聴かせてるね。このトラックはやっぱり唸るね。
 次が戻ってSummertimeだ。出だしのところはさっき言った通りだから省くけど、結構何度か聴くとDavisのアルコが味わいがあっていいよ。これきっと漫然と頭から聴くと印象悪いかもしれなけど、こういう聴きたいのから順番に聴いていくとまた違って聞こえるから不思議だね。で、Davisがアルコから普通の弾き方になるんだけど、これまた凄い。ベースの呻り具合がいいね。Elvinは静かにブラシて来てる。Davisの独壇場かと思いきややっぱりElvinの出番になるんだな。重い感じのドラム・サウンドが腹に染みるね。熱気が高まってくる感じが堪らないな。で、最後の方はフリーな感じもあったりで凄い。止まることを知らないって感じの2人の演奏だ。意外やこれがこの盤の山場だったりもする感じだね。とにかく重厚だなデュオだよ。終わってほーってため息出たよ。
 次のElvin's Guiter Bluesは前のトラックの興奮を静める感じかな。Elvin一人でギター惹くところから始まってその後カルテットの演奏になってFosterがいいテナーを聴かせるよ。
さて、残りはトップのRaunchy RitaとM.Eだ。
意図的にはこのトップが聴かせどころだったんだと思う。調子がファンキーで軽いんだけど、サウンドはやっぱりヘビーだな。Heavy Soundsってのはここから来てるのかね。Fosterが結構いい馬力で吹いているよ。やっぱり聴き方だね。頭からこれ聴いたらまた違った印象だったと思うよ。どんどん演奏が盛り上がって来てElvinなんて暴れる寸前まで来てる感じだ。FosterもElvinにプッシュされる感じで熱を帯びてくるね。ピアノのBilly Greeneもファンキーな感じで惹いてるね。Davisのベース・ソロも凄いね。ヘビーそのものだよ。