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心地よい! | |||||
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これのライナー・ノーツを読むと「ダン・クレイをめぐる熱烈対談」てのが載っている。寺島、小山、笠井のお三方。ジャズ喫茶メグの関係者とガッツプロの代表だね。で、これが切れの悪いウンコみたいで、寺島のオヤジが鎌賭けて若者?を弄んでいるわけだ。いいのか悪いのかなんてことで。で、結論は「自然体」な演奏だったというところに落ち着く。で、最後にまたまたオヤジがいい加減な発言で締めくくるわけだ。 「ジャズ・ピアノっていうのは、やっぱり、楽しく、心地よく、これに尽きるね・・・」 なに言ってんだかってかんじだけど、まあ、そうかなとも思うな。で、話の中にもあるけれど、「普通+α」って言葉だな。僕は聴いてみて「これって普通?ああ、それにαがつくわけね」ってことで煙に巻かれた感じもして、ジャズ聴くってのは、人によっていかにいい加減に評価されるかってことがヒシヒシと感じられた。僕も随分とそのいい加減さに甘えてテキトーなことを書いてきたもんだと思うけど、まあ、そんなものかな。大体「まあ」なんてフレーズ自体がいい加減を象徴してるね。 で、本題だけど彼のことはサイトをあれこれ探してみたけれどシカゴの俊英だってことしかわからないというし、彼のオフィシャル・サイトでもあまり良くわからんという感じ。だから、まだ話題騒然という一歩手前にいる存在ってとこかな。まあ、あとはご自分の耳で確かめてよって投げ出された感じだったわな。 で、選曲をみるとまずC.Paekerを持ってきていて、後は良く知られたスタンダード曲が多い点が特徴だね。1曲だけCrayのオリジナルが入っている。 演奏スタイルはというとトリオとしての纏まりが良くて心地よいね。実にタイトという感じだ。あまりあれこれアレンジを弄くるということはしてないようだ。ここらが「普通」といわれる所以かな。まあ寺島オヤジの言う通りかも知れないな。こういう雰囲気をどこかで聴いたなと思ったら、吉田桂一だよ。彼のMusic Foreverのアルバムの雰囲気に良く似ている。彼はバップ中心にやってるけど、このCrayの演奏聴いてると、同じだね。とっ始めからParkarだろ。今時のピアノ・トリオが色々変化球を投げているなかでちょっと貴重な存在かもしれないな。これって澤野盤によくあった雰囲気かも知れないな。嘗て澤野がこうであって、今の澤野はもっとアグレッシブなものを出してきてる点では、ちょっと面白い構図だね。 4曲目のElsaでおーと思ったね。これがそれまでの雰囲気からリリカルなものになっている。まさにBill Evansがやったままという感じでほーっと思ったね。心地よい。旋律美が良く出ているね。 5曲目以降はスタンダードが続くけど、アレンジが緩急を変えて変化をつけている。つまりOld devil moonとWho cares?がガッツな演奏で、I've grown accutomed to her faceと最後のI cover the waterfrontは静かなリリカルさやピアノソロのうま味をを出してる。こういうバランスって必要なんだ。このガッツさの中でもClark SommerのbやGreg Weyer-Pratteのdsがちょっとおーっと思うようなソロをやってたりする。 リリカルなI've grown ...なんて張りのある音使いで心地よいね。甘くたらーっという感じじゃないところが引き締まってしていいよ。そこらはやっぱりベースとブラシの加減なんだな。ここでもSommerの今度は歌うようなソロを聴かせてるね。いい雰囲気を醸し出している。 全体的にコンパクトな演奏になっていて、冗漫な感じにならないところが好感持てるね。 まあ、持っていて損はない盤だと思うよ。 |
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