朝一

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 朝一番に聴くものは、大抵良く聴こえる。心も体も新鮮になっているからだろう。心の襞に音が染みこんでくる。何を聴いても駄目なときは、あっさりやめて朝一に聴いてみる。この盤にしたって冒頭の瑞々しさがこれほどとは思っていなかった。染みる。ぐんぐん染みてくる。ベースの弾み具合、ドラムの適度な跳ね具合が徐々に起きたての神経を目ざめさせてくれる。徐々にテンションをあげドラムが激しさを増してくるあたりで、「よし」という気になってくる。ALL THE THINGS YOU AREをもじった2曲目からは、挑みかかるような早いテンポにこっちも、気合いが入ってくる。最早、暢気にしてはいられなくなる程、せき立てるような怒濤が来る。
 こんな具合で緩急を適度にうまく設えたアルバムとなっていて、90年代に出たフランスのピアノ・トリオの「幻の名盤」だとのことだが、ピアノ・トリオファンのツボを押さえてくる澤野の掘り出し物には違いない。
 怒濤の4曲目がイントロ的に終わった後に、次のWHAT IS THIS CALLED LOVEの怒濤に引き継がれる。荒れ狂うドラムが凄まじい。テンションの高いゴルシュの弾き方に惹き込まれる。
 さあ、完全に目ざめた。今日はこれくらにしておこう。

PIERRE-ALAIN GOUAICH / VOICI MA MAIN
PIERRE-ALAIN GOUAICH:p
CHRISTOPHE LEVAN:b
FRANK AGUTHON:ds
Nov 2,3 1996
1.MAMA
2.ALL THE ISLES UR
3.L'AU D'ELLA
4.LES FADOI
5.WHAT IS THIS CALLED LOVE
6.YAVE DEGUN
7.2 MINUTES
8.KARIBE
9.AROUND THE WEB
10.AROUND THE WEV8part 2)
11.NEUF MOIS
12.VOICI MA MAIN
13.WELL YOU NEED'NT