不滅

ART BLAKY AND THE JAZZ MESSENGERS /INDESTRUCTIBLE !



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 最近でたJOE FARNSWORTHのIT'S PRIME TIMEにカーティス・フラーが参加していて唖然となった。既に隠居しているか、最早この世の人ではないと思っていたからだ。このアルバムには、フラーの曲が2曲入っていて、冒頭のと2曲目がそうである。勿論彼のトロンボーンは他のフロント陣と共に生き生きとした音を披露している。カーティス・フラーと言えば、FIVE SPOT AFTER DARKというベニー・ゴルソンの名曲をBLUES ETTEというアルバムに吹き込んでいるが、そのアルバムの印象とここでのフラーの音は違う。勢い良く吹くトロンボーンは、ともするとチューバでも吹いているのかという感じでBLUES ETTEのソフトな感じがない。豪放という感じだが、そのチューバさながらの音色をFARNSWORTHのアルバムで聴いて、矍鑠としているないう気がした。ちなみにFARNSWORTHのアルバムにはゴルソンも参加している。

 ジャズ・メッセンジャーズは、メンバーこそ色々変遷があるが、演奏のスタイルは一定に近い。タイトな3管のヴォイシングを聴かせるテーマから入って、それぞれのソロが順繰りに来て、大抵ブレイキーが最後にドラムソロをやって、締めくくりは同じくフロントによるテーマが来る。そしてこれぞハードバップというエネルギーを発散して圧倒する。しかし、これがメッセンジャーズのBNに残した最後のものとなる。だからこそ「不滅」という思いなのだろう。巨人軍を引退した長島茂雄も「不滅」の言葉を残した。

 フラーの曲であるアフリカをイメージした冒頭THE EGYPTIANとヴォイシングを活かしたハードバップらしい2曲目のSORITE.。冒頭曲はモーダルなものかと思わせておいて、しっかりハードバップに仕上げている。
 フラー、ショーター、モーガンとフロントのソロが順番こそ変わるが、どれも爆発的なエネルギーをぶつけてくる。モーガンはメッセンジャーズに再帰しての演奏になるが、彼のリーダーアルバムの諸々の作品を経て来たという実績と貫禄はやはり感じられる。
 今回このアルバムを聴いて、何と言ってもショーターの荒々しいソロが印象的であった。何か意味不明のモソモソした感じがなく、すっきり吹っ切れている。
 
モーガンの曲CALLING MISS KHADUJAはファンキーな演奏だ。ここらは彼が経てきた実績が如実に出ている。ブレイキーの圧倒的なドラム・ソロが入っている。

シダー・ウォルトンのバラード、WHEN LOVE IS NEWでのショーターのテナーの音に伸びがある。ブツクサいった感じがなく好感が持てる。かといって抜けきらないのが彼のテナーだが。それに対してモーガンの音の張りは見事である。

 最後がブレーキーの切り裂くようなドラムから入っているショーターのMR. JIN。ここでもショーターの荒々しさが目立った。 

LEE MORGAN:tp
CURTIS FULLER:tb
WAYNE SHORTER:ts
CEDER WALTON:p
REGINALD WORKMAN:b
ART BLAKEY:ds
April 24 May 15 ,1964
BLUE NOTE 4193
1.THE EGYPTIAN
2.SORTIE
3.CALLING MISS KHADJIA
4.WHEN LOVE IS NEW
5.MR. JIN

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