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考えてみると、エリック・リードが何故今ハードバップかという疑問は、どうやら愚問だったようだ。寧ろ何故いまだにハードバップが生命力を持ち続けているのかという疑問の方が、意味がありそうだ。が、しかしそういったスタイルの是非など問い直しても無用のような気がする。ブルーノートの1500番代がいまだに劣ろいをみせず聴かれている状況がそれを物語っているからだ。 |
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WILLIE JONES V/ VOL..1...STRAIGHT SWINGIN' リードがどのようなスタイルにも柔軟に即応出来るということの査証になるひとつの例として、ウイリー・ジョーンズ Vのアルバムから。ここで彼は冒頭からマッコイ・タイナー風のモード手法を基本にやっており、コルトレーンサウンドを思わせるSTRAIGHT SWINGIN'である。次に急速調の早いパッセージを吹く2管のアルトの吹き交うBLUES FOR DAT TAZ。ここでもリードは、モーダルで激しい演奏を繰り広げている。中盤以降の2アルトのバトルがもの凄い。このアルティストは記憶に留めておきたい。次のJESSICA'S
THEMEでは一転して静かなムードのセンシティブなピアノを聴かせるリード。管の入らないピアノ・トリオの演奏を堪能出来る。シングルトーンを活かした繊細なピアノだ。4曲目WIDE
OPENのダイナミックなモード奏法、5曲目ORNATEのフリー・ジャズぽい演奏の中での荒削りなインプロバイズ、6曲目のしっとりとしたバラード。スロー・テンポの中で、微妙なテンションを持った演奏だ。7曲目のLITTLE
GS WALKはエリック・ドルフィー風のアルトが特徴だが、リードはフリー・インプロバイズかかったやや奇抜なピアノを聴かせる。 |
WILLIE
JONES V:ds |