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JAMAL.
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Peter Beets
New York Trio

Peter Beets(p)
Rodney Whitaker(b)
Willie Jones V

Recorded May 22.2001
1.Beets' Beet
2.The Game
3.First Song
4.It's Happning
5.The Nearness of you
6.The best thing for you
7.Admirable
8.the way you look tonight
9.Blues for The Apple
2002..3.25の記事
約1年ぶりに聴くのだけれど、果たして僕の中で何かが変わっているのか。
ジャズは毎日が発見とは同じ盤を聴いてる中であり得るのか。
それがこれを聴き直す意味合いとなっているんだ。
まずメンバーからして、僕の中で変化している。
Beetsは変わりないとしてRodney Whitaker:bはこの1年で随分と顔なじみとなってしまった。
彼の実力は大西順子の盤やCriss Cross盤で何度もお目にかかり実感している。
更にWillie JonesVは彼自身のリーダー盤で聴く機会があった。これといってど派手なドラムを叩く人ではない。
しかし彼がトリオあるいはカルテットなどではまさにリズムの要となってビシッと締めてくれる頼りがいのある男なんだ。
で、このアルバムを聴きなおしての率直な感想はこうしたベースとドラムのある程度キャリアを積んだ者がキャリア薄いBeetsの良きパートナーとなって手合わせしてくれているということなんだ。
Whitakerの重厚なベース、Willie Jones Vのグッドサポート、その上でBeetsが若者らしく自分を発揮したというのがこの盤の聴き所だと思うね。
軽快な@は思いの外Jonesのドラムが良い感じで前に出ていて勿論Whitakerの重厚ベースは嬉しくなるほどブンブン呻っている。
彼らのソロ・パートはキャリアを物語る抜群のテクニックを聴かせてくれている。
出過ぎず、引っ込み過ぎず適度にコントロールされた技量は見事だ。で、スウィングするリズム隊に乗ってBeetsは嬉しそうに弾く。
後はどれを聴いてもそれが反復されることを予測させる。テーマにより若干の緩急、リズム、色合いが変化するのを確認するだけなのだ。
最近聴いたアルバムでこういう手合いのはDan CrayのWho Caresだった。特段ハッとするようなものはないけれどジャズの素朴な醍醐味を味わうこと請け合いの盤だ。
一言だけ付け加えておくと、僕は冷めた耳で聴いているのではない。充分愉しんでいるのだ。
どこを切っても同じ金太郎飴でも、聴く価値はある。ピアノ・トリオの醍醐味がぎっしりつまったバレンタインデーのチョコのようにジャズを聴く幸せを届けてくれるからだ。
いいないいなって思える素朴さを忘れなければ、また同じチョコを貰っても喜べる。