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JAMAL.
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美旋律にへたるな

 
最近僕は自分のジャズ感ってのが疑わしく思えてきたんだ。ていうのも1年前の僕ならいいないいなって何でもOkな寛容なるジャズ・ファンだった筈が、些か嗜好が変わってきているばかりじゃなく、こんなもの聴けるかってものが多くなってきた。届いてくるCDをみんな紹介していたのは以前のこと。もはや自分の気に入らないものを敢えてコメントしようと思わなくなったのだ。そこら辺はまだ優しさを持っていると自負している。貶す為にコメントを書く気にはなれない。その線は譲りたくないと思っている。まあ、JAMAL日記に書き留めておこうぐらいで済ましている。ジャズマンだって人の子。真面目にやってて貶されちゃ立つ瀬がない。アルバム作るってのは本意でない場合が結構あるから、彼らだけの責任じゃないことは言うまでもない。プロデューサーに矛先を向けるべきだと思っている。レーベルカラーってのはかなりジャズマンの裁量を左右させるようだ。僕のお気に入りのCriss Crosstだって詳しいことはわからないけど、やたらと2管、3管いやそれ以上なんてのもあって、辟易している。誰のせいじゃと詰め寄りたくもなる。まず、トロンボーンが入ってたらパス。それからギターもパス。でなんとか絞って2テナーか、サックスとトランペットまでは許す。てな具合だ。で、注目するのは誰がドラムを叩いているのかってこと。これが今僕の最重要ポイントになっている。けどいくら贔屓のドラマーが叩いていてもてんこ盛りのホーンが被さってるくるともう駄目だ。そこが取捨選択のカギとなるわけ。でも、これはホントは視聴できたらそんな心配はご無用になる筈なわけだが、中身がわからん品物を買うってのが、このCDの特徴なわけだ。こんなこと許されるのかってとこで、視聴機を良心的に置いているところや、サイトでサンプルを聴かせるって傾向は出てきたから、少しは和らいだけど、それも出来ないとなったら、他人のサイトを覗いてコメントを読むっていうしかない。あるいは、CD-Rで誰かが焼いてくれたものを聴くしかない。レンタルCD屋なんてこのジャンルに関しては全然駄目だ。で、少し話が脱線ぎみだけど更にCCCDなんてこと話だしたら元に戻れなくなりそうなのでまたいずれってことで。
 で、話は寛容なるジャズ・ファンだった僕がこんなもの聴けるかが増えてることを進歩ととるのか堕落ととるのかってことだな。病はかなり進行している気もする。てのも美旋律てのがどうも駄目になった。て、前に書いたかもしれないけど、ピアノ・トリオ大好き人間だったのが、ピアノで美旋律を弾かれるとへたへたと床に伏したくなる。頭がぐちゅぐちゅと腐れてくる感じがする。こんなことは前には考えられなかった。「いやぁ、胸に染みる」とか絶対言ってた筈なんだ。素直に受容できない。でも美旋律と言ってもピンからキリまであるわけだ。例えば超有名盤のBlues etteの5曲目Love your spell is everywhereなんていまだに痺れるわけ。で、一方なんじゃこりゃリチャード・クレイダーマンかいみたいなのは許し難いってことだな。まあ、ともかくどうせやるんなら美旋律じゃなくてゴリゴリ、ビシバシがいいなっていうのが本音なわけだ。何事も一概には言えない。更にこの気持ちも一時かも知れないし。て、思っていてつい最近おいおいこのままだと只のアホジャズ・ファンに成り下がるぞと反省したわけ。で、結論を急ぐといいないいなと思った最初の頃の気持ちを忘れるなってこだな。そこら辺はjAML日記やECCE HOMO JAZZにも書いたのでそっちに譲ろう。
 

Jazz徒然
ドラム好きこの指止まれ!

Ralph Peterson
Subliminal Seduction

Criss Cross

December 19,2001
Ralph Peterson:ds
Jeremy Pelt:tp,flh
Jimmy Greene:ts.ss
Orrin Evans:p
Eric Revis:b

1.Traials of trust and treachery
2.The Vicious cycle
3.The Fifth inside
4.Tears I cannot hide
5.Essence of the wizard
6.But I never left
7.The seventh inside
8.Social resphonse
9.I only miss her when she's gone
10.Synergy
11.Subminal seduction
これはJAMAL日記にも書いたけど、Ralph Petersonってやんちゃなドラマーに負けじとフロントの2管やピアノが前へ前へ出てくるのをおーっと思って聴く盤だなと思う。1曲を除いてこのメンバーのうちPetersonとPeltが曲を書いてるのだけど、殆どPeterson自身のもので占められていて、どこまでもPetersonが頑張っちゃった盤なわけだな。で、聴けばわかるように彼のドラム・ソロやらドシャメシャなドラムが俺を聴けってな具合で、ドラム好きには堪らないけど、嫌いな人もあろうからなんてうるせードラムだって怒り出すかも知れない。そこのところは心して選んだ方が良いとは思うね。でも、さっき言ったように他のメンバーが俺だってって具合でしゃしゃり出てくるからこいつ等大したもんだと誉めてやりたくなる。言っちゃあ、そんな盤さ。曲はハードもあればソフトに聴かせるものもあってバラエティさもあるな。で、僕が嬉しいのはOrrin Evansのピアノなわけ。ずっと彼のことを注目してきて、リーダー盤も随分と聴いたけど、サイドマンにまわってもやっぱり力あるなって思うよ。で、この盤では多分新人なんだろうけど二人のフロントにお目にかかることになった。こういう実力のあるのを見つけてくるのがCriss Crossってレーベルのいいとこだな。彼ら新人を発掘し、力試しさせてみる。よかったら、どんどんリーダーものも挑戦させるってことだと思う。で、オランダのレーベルなのに殆どがアメリカ系のハードバップものが多いのもこのレーベルの特徴だな。
ハードなものが多い中で1曲だけスタンダードをしっとりとやってくれている。これが嬉しい。I only miss her when she's goneだな。Jimmy Greeneがグッと来るテナーを聴かせるね。
まあ、でもドラム好きこの指止まれって盤だな。やっぱり。