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世相雑感
 
 先月息子の受験の付き添いで新潟に行ったんだけど、旅先で色々なことを感じた。
まずは千歳までの車中。いつものことだけど、禁煙席が殆どで愛煙家の僕は非常に居心地が悪かった。で、コーヒー飲んだって半分くらいしか愉しめない。どうやら喫煙コーナーで運良く車内販売が通過して、立ちながらだけどまあまあ助かった。なんでこんなに惨めなんだろうって思う。もう愛煙家の人権は正々堂々と主張できないのかと悲観する。ちょっと大袈裟かも知れないが、愛煙家だって人の子だ。世間に迷惑がられるようになったのはいつの頃からなんだろう。それまで、別に何とも言われなかった。勿論煙草嫌いには迷惑だったに違いないけれど。まあ、そんなことがひとつ。
 で、久しぶりの客席というのが狭いなと痛感。本を読むかヘッドホーンで音楽聴くぐらいが関の山。他に何も出来るようなスペースがない。あたりまえだけど。でも、じっとしているのが些か苦痛であるというのは正直なところだった。それがふたつめ。
 それから週刊文春のコラムが面白いと誰かが言っていたので、買って読む。確かに面白いのもあった。けれど、某氏のコラムで中島みゆきが紅白に出ていて感激したというのがあった。僕は同郷のよしみで彼女のことは昔から知っているが、幾分卑下していた。あのおどろおどろしい歌はなんだ。背筋が寒くなる。某氏の言い分も半分はわかるが、半分は馬鹿馬鹿しく思って読んでいた。で、後日サイト漁りをしていて、中島みゆき専門カラオケスナックというのを発見する。これが東京にあったのだ。もう、こうなると笑うしかない。僕は綾戸智恵のことも同じように感じていた。ところが、ある時1枚のCDを親切に貸してくれる人がいて、これいいからというので渋々聴かなきゃ悪いなって、いつものお人好しで聴く羽目になる。ところが確かに大阪のババアいや控えめにおばさんだと思っていた彼女の歌に惹かれていくのを感じてしまったのだ。こりゃ何かの陰謀だ。そんな筈はない。でも、その巧みな英語のイントネーションというか歌い方にしてやられたという気がしたんだ。こりゃ本場仕込みだと。そんな食わず嫌いの話がみっつめ。
 で、今回の旅には僕としては珍しくパソコンを持参しなかったんだ。でもiモードで掲示板の書き込みだけは出来るから携帯で発信していた。でも、これが慣れてないからまるでオヤジの将棋のような打ち方。とても親指一本でなんか打てない。で、ややこしいことにヘンな書き込みが刺さり込んできたんだ。悪意もろだしでケチをつけることが目的のものだった。別に放っておけば良かったのが、ついつい相手をしてしまった。これが運の尽き。もう滅茶苦茶論旨は変えてくるし、ちょっと僕も切れてそれ以上書くと消去すると警告したら、そいつ自分で全部消しやがったもんだから、後に僕の応酬記事だけが下駄の歯のように隙間だらけで繋がらないものが残ってしまう始末。ふざけやがってと思ったけれど、もう相手しなくて済むからとほっとしたのものだ。こういうオタク的なジャズ聴きの中にはとんでもない奴がいるなと痛感した。まあそんなことで些か疲れた旅だった。

Jazz徒然
このノリが堪らない!

Sonny Clark
Blues in the Night

BLUE NOTE 1618

December 7.1958
Sonny Clark:p
Paul Chambers:b
Wes Landers:ds

1.Can't we be friends
2.I cover the waterfront
3.Sombody loves me
4.Dancing in the dark
5.Blues in the Night
6.Blues in the Night
7.All of you
余計な話だろうけど、まず言っておきたいのが、この盤はもう日本では入手困難になってきている。え、なんでと言いたい。こんな麗し盤がどうして。何度も嫌になるほど出てくる再販ものがある一方でどうしてと怒りさえ覚える。聴けば聴くほど悔しい。じゃ何でおまえもってんだと言われそうだが、また某所からの入手もの。じゃあ、コメントなんかするなよと思うけれど、書かずにいられない。いや、あるところにはあるんだから是非探してくださいとしか言えない。
 まあ、ちょっと後ろ髪引かれる思いだけど、ジャズ批評を読むと輸入盤で「スタンダーズ」というのがあるらしいから望みの綱をそっちに託してコメントさせて貰おう。
 シングル盤のために録音されたものらしい。で、Wes Landersというドラマーに今回は驚かされた。Clarkマニアなら良く知ってることだけど、Baddy DeFrabcoのバンドで一緒だったらしい。僕は初めて聴いたけれど、これが抜群に味のあるドラムを聴かせてくれる。特にブラシの味ったらない。で、勿論ClarkやChambersは最高。何度聴いても飽きないほど良い。いや、ちょっと聴きすぎで、少し間開けないととは思ったけれど。
 で、良く知っている曲ばかり。この良く知っているというのが宝だとつくづく思ったね。彼Clarkが弾くとホントに頬ずりしたくなるほど良いからまた嬉しい。どうして本国アメリカじゃ彼のことが評価されないのか、良くわからない。実際Alfred LionがBLUE NOTEのハウスピアニストにしてる程高く評価されてるのに何故と思う。謎だ。僕はClarkマニアという程注目していたわけではないけれど、色々サイドマンとして登場するから結構聴いていた。聴く度に彼が弾くピアノにコロッといってしまう。で、この盤を手にしてからマニアをめざそうとさえ思った。
ま、そんな話をし出すときりがなくなるので本編に入ろう。
 最初のCan't we be friend。僕はどうしてもLita ReysのJazz Pictureを思い起こしてしまう。彼女のハスキーヴォイスにやられたって感じだった。で、この盤は旦那のPim JacobsのトリオにKenny Clarkがドラムを叩いているこれまた麗し盤なんだ。こっちは有名だし容易に手にはいるから結構みんな持っている。持ってない人は是非と言いたい。
 脱線したけれど、こうしてヴォーカルでも何でもイイから一杯知ってる曲を持っているというが幸せなジャズ人生になる条件だと敢えて言いたいね。いや、これも余計なお世話だった。
 で、Clarkがさっき言ったWes Landersの小気味よいブラシに乗っかって最高の演奏をしてくれている。Chambersのベースだってこれまた良いからホント幸せ。別に何の小細工もしてない。ピアノ・トリオの美味しいところを遺憾なく発揮しているだけのこと。
 で、不思議に思ったのが次の I cover the waterfrontに移ってる筈なのに同じ曲をやってるように聞える。で、よくよく聴くと確かにああそうかと思う。それくらい同じテンポで同じ弾き方をしてるんだ。
 次は明らかに違うテンポなんで良くわかるけど、ご機嫌にスウィングしているSombody loves meだね。この曲もヴォーカルでもインストでも良く聴く曲だ。
 次のDancing in the darkが凄くいい。何たって好きな曲だから。で、いいテンポでスウィングするテーマからClarkのソロが目映いね。で、3人の抜群の相性。これだね。
 次がBlues in the Nightを2テークやってる。気怠いテンポでClarkのダークな味がいいね。やっぱりLandersのブラシがいい味出してるし、Clarkのソロがそれに乗ってご機嫌なブルースを弾いてくれる。こういうのなら2テーク弾かれたっていいやって気分になる。こういう時に飲むコーヒーは格別美味い。で、紫煙に囲まれてこのノリに体を任せていたいって気分。いい情景じゃないですか。
 最後がAll of you。抜群にスウィングする演奏だ。何度も言うようだけど、曲を知ってるからこういうノリでやってくれると嬉しくて堪らなくなる。やっぱりトリオの妙を最高度に堪能する。これに限るね。


Rita Reys/Jazz Picture