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このノリが堪らない!
Sonny Clark
Blues in the Night
BLUE NOTE 1618 December 7.1958
Sonny Clark:p
Paul Chambers:b
Wes Landers:ds 1.Can't we be friends
2.I cover the waterfront
3.Sombody loves me
4.Dancing in the dark
5.Blues in the Night
6.Blues in the Night
7.All of you
余計な話だろうけど、まず言っておきたいのが、この盤はもう日本では入手困難になってきている。え、なんでと言いたい。こんな麗し盤がどうして。何度も嫌になるほど出てくる再販ものがある一方でどうしてと怒りさえ覚える。聴けば聴くほど悔しい。じゃ何でおまえもってんだと言われそうだが、また某所からの入手もの。じゃあ、コメントなんかするなよと思うけれど、書かずにいられない。いや、あるところにはあるんだから是非探してくださいとしか言えない。
まあ、ちょっと後ろ髪引かれる思いだけど、ジャズ批評を読むと輸入盤で「スタンダーズ」というのがあるらしいから望みの綱をそっちに託してコメントさせて貰おう。
シングル盤のために録音されたものらしい。で、Wes Landersというドラマーに今回は驚かされた。Clarkマニアなら良く知ってることだけど、Baddy
DeFrabcoのバンドで一緒だったらしい。僕は初めて聴いたけれど、これが抜群に味のあるドラムを聴かせてくれる。特にブラシの味ったらない。で、勿論ClarkやChambersは最高。何度聴いても飽きないほど良い。いや、ちょっと聴きすぎで、少し間開けないととは思ったけれど。
で、良く知っている曲ばかり。この良く知っているというのが宝だとつくづく思ったね。彼Clarkが弾くとホントに頬ずりしたくなるほど良いからまた嬉しい。どうして本国アメリカじゃ彼のことが評価されないのか、良くわからない。実際Alfred
LionがBLUE NOTEのハウスピアニストにしてる程高く評価されてるのに何故と思う。謎だ。僕はClarkマニアという程注目していたわけではないけれど、色々サイドマンとして登場するから結構聴いていた。聴く度に彼が弾くピアノにコロッといってしまう。で、この盤を手にしてからマニアをめざそうとさえ思った。
ま、そんな話をし出すときりがなくなるので本編に入ろう。
最初のCan't we be friend。僕はどうしてもLita ReysのJazz Pictureを思い起こしてしまう。彼女のハスキーヴォイスにやられたって感じだった。で、この盤は旦那のPim
JacobsのトリオにKenny Clarkがドラムを叩いているこれまた麗し盤なんだ。こっちは有名だし容易に手にはいるから結構みんな持っている。持ってない人は是非と言いたい。
脱線したけれど、こうしてヴォーカルでも何でもイイから一杯知ってる曲を持っているというが幸せなジャズ人生になる条件だと敢えて言いたいね。いや、これも余計なお世話だった。
で、Clarkがさっき言ったWes Landersの小気味よいブラシに乗っかって最高の演奏をしてくれている。Chambersのベースだってこれまた良いからホント幸せ。別に何の小細工もしてない。ピアノ・トリオの美味しいところを遺憾なく発揮しているだけのこと。
で、不思議に思ったのが次の I cover the waterfrontに移ってる筈なのに同じ曲をやってるように聞える。で、よくよく聴くと確かにああそうかと思う。それくらい同じテンポで同じ弾き方をしてるんだ。
次は明らかに違うテンポなんで良くわかるけど、ご機嫌にスウィングしているSombody
loves meだね。この曲もヴォーカルでもインストでも良く聴く曲だ。
次のDancing in the darkが凄くいい。何たって好きな曲だから。で、いいテンポでスウィングするテーマからClarkのソロが目映いね。で、3人の抜群の相性。これだね。
次がBlues in the Nightを2テークやってる。気怠いテンポでClarkのダークな味がいいね。やっぱりLandersのブラシがいい味出してるし、Clarkのソロがそれに乗ってご機嫌なブルースを弾いてくれる。こういうのなら2テーク弾かれたっていいやって気分になる。こういう時に飲むコーヒーは格別美味い。で、紫煙に囲まれてこのノリに体を任せていたいって気分。いい情景じゃないですか。
最後がAll of you。抜群にスウィングする演奏だ。何度も言うようだけど、曲を知ってるからこういうノリでやってくれると嬉しくて堪らなくなる。やっぱりトリオの妙を最高度に堪能する。これに限るね。