Copyright(c)
2001.9.1-2003
JAMAL.
All Rights Reserved


Lee Morgan
The Sidewinder

Lee Morgan:tp
Joe Henderson:ts
Barry Harris:p
Bob Cranshaw:b
Billy Higgins;ds
BLUE NOTE 4157
Recorded Dec.21.1963


1 THE SIDEWINDER
2 TOTEM POLE
3 BOY, WHAT A NIGHT
4 GARY'S NOTEBOOK
5 BOY, WHAT A NIGHT
6 HOCUS-POCUS

今年はLee Morganの没後30周年だそうだ。
ってわけでもないのだけれど改めて聴くと色々驚くことがあったので今回選んだ。
何がってまずはBob Cranhawのベースに吃驚。
The Sidewiderの出だしもそうだけど途中のソロ部分での彼の無骨とも思える音と弾き方にある種惹かれるものを感じたんだ。
それとJoe Hendersonのテナー。良いのだ。
加えてBarry Harrisのピアノがまた良い。
何でこんなに吃驚してるのかと言えば、実は何を隠そう僕はこのテーマ曲が酷くダサイと思って毛嫌いしていた。
8ビート?それってジャズじゃないじゃん・・・って思っていたのが約20年前。その思いが僕からこのアルバムを遠ざけていた元凶だったわけ。
でも、ここ1,2年でそのビートがジャズじゃないとは思わなくなったことが、少しお近づきになる要因だった。でもあと一歩。テーマのダサさが残った。
ところがつい最近、イイじゃんに変わったのは、さっき言った3人に注目したからなんだ。
ブルー・ノートのあれこれ聴いているうちにこのテーマだってそうダサくはなく聞こえるから不思議。
しかもMorganのソロだって凄く良い。格好いいのだ。Joe Hendersonに至ってはメロメロ。このうねり方やブローが酷く良い。
加えてBarry Harrisのピアノが独特の味わいを持っている。彼がこんな弾き方をするのかと少し吃驚もした。少々押さえ気味のファンキーさ。
で、一番驚くのがBob Cranshawのベース・ソロだ。まさに無骨。これがヒットした理由がポップ的であったからかもしれないけれど、永年ジャズ・ファンやっていて初めて気づいた新鮮味だ。
次のTotem Poleだってかなり妖しくも麗しいではないか。ノスタルジーで良いと思っているわけではない。今時新鮮なんだ。時代は繰り返すじゃないけど、ホント良い。
各人のソロ部分は以下同文でおいしい。
ジャズ批評の「リー・モーガン大全集」を紐解くとこのアルバムのコメントを山下泰司氏が書いている。これがおもろい。
「僕も若い頃は『カッコエエ!』と愛聴したレコードだが、今聴くとリズムが平板でフロントとのインタープレイなどハナから放棄しているようにも聴こえる。(中略)何でも出来ちゃうモーガンはそれまでのジャズに飽きちゃったんだ、きっと。」
ってね。まあ、そのまんまかもしれないけれど、今の僕には実に麗しく聴こえるアルバムだな。