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*エッセイ(1)酔狂*

 人気のない我がサイト”かんのラジオ”ってご存じ?そこに書き綴ったエッセイのいくつかをこれから、不定期で(姑息ながらネタ切れの代用で)載せて行こうというわけ。読んで頂けたら幸い。

狂という言葉がある。元々は酒に酔って常軌を逸することなのだが、一般的にはもの好きな人のことを言う。私は酒を飲めない。正確に言えば飲んではいけない人なのだ。つまり「アル中」、今の医学的な言葉で言えば「アルコール依存症」。何故飲んではいけないことになったかと言えば、まさに酒に酔って常軌を逸した諸々の出来事があったから。それをつらつら書けば辛くなるので省くけど、そういう時期が割と短期間で集中的に行われて終わった・・・のだ。終わったとは言えいまだにその関連の病院には通っている。しかし自慢げに言いけれど優等生なのだ。病院の先生からも誉められ半年目、1年目と証明書を頂いた。この人は1年間酒を飲まずに過ごしましたという証明書。有り難いようなくすぐったいような。
 
 小沢昭一という俳優さんがいるけれど、彼が長年ラジオで「小沢昭一的こころ」という番組がやっていてそれが本になっている。で、始めて知ったのだがあの方、下戸つまり酒が飲めない人なのだ。どう見たって飲んべえか助平に見える。助平はともかく酒が飲めないなんて信じられないが、ホントの話。彼が始めて酒なるものを飲んだ時の話があって、「酒のバージンを破る」心境だったという話を長々としているわけ。50男にしてバージンというのはかなり可笑しいのだが。
 酒を飲めないと人生つまらないと酒飲みは言う。酒を断った私にはそれが方便にしか聞えない。飲めなくても充分愉しんでいる。私はジャズを聴くのが趣味だが、ジャズ聴きにもそういう方便を垂れる方がいる。「最近のジャズ・マンは酒が飲めない奴が多い」と嘆いたりもしている。酒が飲めないとジャズも上手く演奏出来ないかのように。昔のジャズ・マンは酒はおろか麻薬など日常茶飯事。それで身を滅ぼす人が沢山いた。麻薬をやるとインスピレーションが沸くというのが大方の理由だ。それがホントか嘘かは確かめたことがないので何とも言えないが、酒に酔った勢いというのはわかるのでそういう感じなのかも知れない。私一応楽器も出来たのだが、例えば酒を飲んでサックスを吹こうとする。とてもじゃないけれど心臓がバフバフいってまともに吹けたもんじゃない。ところがプロのジャズ・マンの中には豪傑がいて飲みながらステージをこなすという人もいるわけです。これは呆れるどころか敬服してしまう。さすがプロ、実に粋だと。
 いや感心している場合じゃない。酔狂もほどほどに。(かんのラジオより一部改訂)

 

Jazz徒然

 

ピアノ・レスを聴け!

 

 

John Coltrane
Lush Life
Prestige
May 31 & August 16.1957

John Coltrane:ts
Earl May:b
Arthur Taylor:ds
1-3
John Coltrane:ts
Donald Byrd:tp
Red Garland:p
Paul Chamber:b
Louis Hayes:ds
Al Heath:ds-5

4-5


1.Like someone in love
2.I love you
3.Tranes's slow blues
4.Lush Life
5.I hear a rhapsody

 

いやぁいいなこれ。ピアノ・レスでしかもArthur TaylorがLike someone in loveじゃ出しゃばってないからベースとのデュオみたいでColtraneが蕩々とテナーを吹いている。味わい深い。
で、そのあとはTaylorも出てきてうねるColtraneのアドリブが良い、良い。Earl Mayってベースは聴いたことなかったけれど、良い味を持っているね。で、彼のウォーキングからはいるソローなブルースが黒い。ブラックって感じで苦み走っているね。(我ながらテキトーなこと書いてんな、まあいいか)やっぱり中盤あたりでMayのベース・ソロが聴けて、これが極渋。Taylorも頑張ってソロやってんね。
 その後はRed Garlandのピアノ入りでメンバーも変わってのLush Life。これも蕩々とテーマを吹くテナーが良いね。で、Louis Hayesのブラシがおいしいじゃありませんか。おっとり刀って感じのブラシ。この間がいいね。で、徐々に盛り上がってくるとブラシも力強くなる。言うことなしの味わいだ。しかもGarlandのシングル・トーンはいつ聴いてもジャズ魂を擽る。おっと忘れておった。Byrdがいたんだって感じで驚くよ。輝きを持ったTpだ。これで雰囲気がガラッと変わった感じにもなって刺激的だな。Coltraneも少し煽られた感じになって来る。まあ名演だな。(これもテキトー!)テンポアップしたI hear a rapsodyも良い感じでスウィングする演奏。まあ、聴いてよ。