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日本人を惹きつけるクラークの色彩感
Sonny Clark
Leapin' and Lopin' BLUE NOTE 4091 Recorded 1961.11.13
Tommy Turrentine:tp
Charlie Rouse:ts
Sonny Clark:p
Butch Warren:b
Billy Higgins:d
1.Somthin' special
2.Deepin a dream
3.Melody for C
4.Eric walks
5.Voodoo
6.Midnight Manbo
これはどうしても引用したい文章がある。ジャズ批評の「特集ソニー・クラーク」から樫斉勘太氏の書いた「ハードバップの『不易の力』って奴だ。その中でClrakの魅力について「いろいろな色を混ぜ合わせた深い鼠色のようなピアノ」という言葉だ。抜粋して書くと
「ニューヨークでもまれているいるうちにしみ出てきた肌寒さやほのかな暗さを適度に備えた湿り気のようなもの。ファンキーっぽくても暑苦しくもないし、冷静で淡々でもないし、真っ黒くもなく、当然白くもない。グレー、しかもいろいろな色を混ぜあわせた深い鼠色のような。(中略)本国アメリカでは冷遇され、日本人受けしたピアニスト云々の記述をどこかで目にするたびに、太陽の国でもなければ、厳寒の国でもない、四季折々の微妙な肌合いを愛するこの地の人々のティストにソニー・クラークはマッチした。」云々。
これは唸るコメントだなと思う。こういう風に書いてみたものだと感心する。僕は鼠色云々はともかく、四季折々の微妙な肌合いを愛するっていうところにClrakの魅力を言い当てる深い感性を感じたんだ。四季を感じ取れる国柄に彼はマッチしたんだと。彼の弾くピアノにはハードバップの怒濤感に添える「隠し味・スパイス的な」持ち味があると言えよう。
前置きが長くなったけれど、この盤にして然りと言いたい。
もう出始めのClrakのオリジナルの味わいからしてそうなのだ。彼の書く曲に盛り込まれたスパイス。これを堪能することをお薦めする。ホーンの二人。Tommy
Turrentine:tpとCharlie RouseそしてClarkのピアノ、それをバックするHigginsのシンバルの音そしてButch Warrenのベース。朝露が葉っぱからこぼれ落ちるような感触がその後のトラックにも続いていく。
Deep in a dreamのClarkのピアノ、そしてここだけIke Quebbecがテナーを吹いているけれど、この持つ味わいは四季を感じる「わびさび」のわかる日本人なら聞き逃すことの出来ないものだろう。
後は言わずもがな。堪能あるのみ。