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*雑感-CDは6曲45分を最大とすべし*

 
CDが出てきてどのくらいになるのか。最近またCCCDなるわけのわからんものが出てきたけれど、僕は何でも良いけど、CDの中に入れる曲数は最大6曲、時間にして45分が最大が適当と考える。ハッキリ言って今のCDの容量一杯に詰め込む気持ちがわからない。多くデータを詰め込めるメリットは聴く者にとって冗長に過ぎて僕にはデメリットの方が大きいと思っている。人間の集中力がどの程度なのかを無視したありがた迷惑だ。その点LP時代は片面が大方ジャズで3曲、時間にして一曲6〜7分としても20分程度。これが最も集中出来る最大だというヒトもいる。僕はそこまでは言わないが、LPで言うA面B面あわせた6曲40分が良いところだと思う。
 CDのメリットはコンパクトさだろう。嵩張らず収納がまさにコンパクトなのだ。ものの多い時代にこれは有り難いとは思っている。確かにLP盤のジャケットの魅力はがた落ちだけれど。音の面でも結局のところCDのビット数をあげるということはアナログのレンジに近づける為だ。要は元の音に近づこうとしているのである。
 だから、CDにして良かったコンパクトさに僕は音の面とデータ量の限界を設けるべきだと思っている。
 そういうわけで、最近出たCDは最大6曲しか聴かないことにした。後どれだけはいっていて、たとえ名演が隠されていたとしてもそれはなかったことにしてしまおうと思っている。些か馬鹿げたことを言ってるなと思うかも知れないが、僕はそうすることに決めた。
 その変わり6曲40分程度は集中して聴く。妥協点としてそのCDに入っている曲数から6を引いたところから聴き始めるなんてのも良いかも知れない。それがボタン1つで楽に出来るメリットは活かそうというわけだ。

 

Jazz徒然

 

日本人を惹きつけるクラークの色彩感

 

 

Sonny Clark
Leapin' and Lopin'
BLUE NOTE 4091
Recorded 1961.11.13

Tommy Turrentine:tp
Charlie Rouse:ts
Sonny Clark:p
Butch Warren:b
Billy Higgins:d


1.Somthin' special
2.Deepin a dream
3.Melody for C
4.Eric walks
5.Voodoo
6.Midnight Manbo

 

これはどうしても引用したい文章がある。ジャズ批評の「特集ソニー・クラーク」から樫斉勘太氏の書いた「ハードバップの『不易の力』って奴だ。その中でClrakの魅力について「いろいろな色を混ぜ合わせた深い鼠色のようなピアノ」という言葉だ。抜粋して書くと
「ニューヨークでもまれているいるうちにしみ出てきた肌寒さやほのかな暗さを適度に備えた湿り気のようなもの。ファンキーっぽくても暑苦しくもないし、冷静で淡々でもないし、真っ黒くもなく、当然白くもない。グレー、しかもいろいろな色を混ぜあわせた深い鼠色のような。(中略)本国アメリカでは冷遇され、日本人受けしたピアニスト云々の記述をどこかで目にするたびに、太陽の国でもなければ、厳寒の国でもない、四季折々の微妙な肌合いを愛するこの地の人々のティストにソニー・クラークはマッチした。」云々。
これは唸るコメントだなと思う。こういう風に書いてみたものだと感心する。僕は鼠色云々はともかく、四季折々の微妙な肌合いを愛するっていうところにClrakの魅力を言い当てる深い感性を感じたんだ。四季を感じ取れる国柄に彼はマッチしたんだと。彼の弾くピアノにはハードバップの怒濤感に添える「隠し味・スパイス的な」持ち味があると言えよう。
前置きが長くなったけれど、この盤にして然りと言いたい。
もう出始めのClrakのオリジナルの味わいからしてそうなのだ。彼の書く曲に盛り込まれたスパイス。これを堪能することをお薦めする。ホーンの二人。Tommy Turrentine:tpとCharlie RouseそしてClarkのピアノ、それをバックするHigginsのシンバルの音そしてButch Warrenのベース。朝露が葉っぱからこぼれ落ちるような感触がその後のトラックにも続いていく。
Deep in a dreamのClarkのピアノ、そしてここだけIke Quebbecがテナーを吹いているけれど、この持つ味わいは四季を感じる「わびさび」のわかる日本人なら聞き逃すことの出来ないものだろう。
 後は言わずもがな。堪能あるのみ。