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Donald Byrd Royal Frash Donald Byrd:tp Pappaer Adams:bs Herbie Hancock:p Butch Warren:b Billy Higgins:ds BLUE NOTE 4101 Recorded 1961.9.21
「決定版ブルー・ノートブック」によれば、Cat Walkで頂点を極めたByrdのファンキー路線が、モーダルなものへと様変わりしつつあることを捉えた作品だそうだ。 で、Herbie Hancockがモード・コンセプトを持ち込んだらしい。じゃあ僕はどっちが好きかって言えばどうも軍配は微妙だな。 その「しつつある」ってのが微妙な表現でもあって聴くと、確かに微妙だ。これってモーダルかい?っていうのもあるし、ああ、確かにモーダルかも知れないなと思うのもある。 つまりは玉虫色の煮え切らない盤だ。って言っちゃえばもともこもなくなるけどね。 で、なんだいこのジャケットは。タイトルのまんまじゃん。こういうのは確かにユーモアていや聞こえが良いが、どうもEric AlexanderのHeavy Hittersと同じ発想だね。 これならCat Walkの方がまだいい。前に「ブルーノート再入門」て本でラズウェル細木氏がブルーノート・ジャケット研究てのでこのCat Walkも出していて、「車」編の例でちょっとだけ書いている。 まあ、そんな余談はそのくらいにして本題だ。 今朝一で聴いてるんだけど、まあ爽やかだわね。て、これは出だしのところだけど。 こういうのは雰囲気で聴くに限るね。ファンキーさがまだ残っているところだ。 で、次がしっとりとByrdが吹くI'm a fool to want youだ。 この人は一時期音楽学校の講師をしていたようでさすがに抜群のテクニックだと思うよ。 ハートを表現するのにも技術がなけりゃ話にならないってのの最たるものだね。 ゆっくりめの演奏でロング・トーンを多用しているけど、こういうのは技量が試される。 でもってハートに染みるものを聴かせるってのは凄いなって思うよ。 次は4000盤代によく出てくるタイプのものだね。Papper AdamsとかHerbie Hancockあたりのソロの雰囲気を愉しもう。 その後は結構勢いのあるトラックでここら辺がモーダル路線の兆しがあるね。ByrdやAdamsのソロがそれを如実に出している。 Herbieが持ち込んだだけあって彼のソロも刺激的だな。ここらがやっぱり山場的なところだね。Higginsのドラムが激しい。 次ぎもモーダル。こういうのも雰囲気で聴くものだな。何か妖しい感じもあってスリル感も備わっている。懐のナイフを潜ませてるってかんじもするな。 Herbieの話になるけど、彼はこの盤の少し後に自分のリーダー盤Takin' offを出すんだ。で、このRoyal Frash以前にはざっとみわたしても彼の名前は出てきていない。 てことはByrdがかれを見いだしたのかな。そこら辺の資料が今ないので良くわからないけど。 まあ、そんなんでファンキー路線とモーダルなものとが混在したものだってことだな。 *Cat Walk