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David Hazeltine
Waltz for Debby

David Hazeltine:p
George Muraz:b
Billy Drummond:ds
Venus

Recorded 2001


1.Waltz for Debby
2.Peri's Scope
3.Time remembered
4.Show type tune
5.Very early
6.Bill at peace
7.Funkallero
8.The two lonely people
9.Turn out the stars .Without a Song

冒頭からビシバシ来るのにはまいった。Hazeltineも張り切っているが、何せDrummondのドラミングが凄い。

出だしの内省的なテーマがこんな展開になるとは思いも寄らない。

なにせEvansのイメージがあるからだ。

最初僕は、彼がこれを取り上げるコンセプトが理解出来なかった。なにを今更と思っていた。

が、しかしである。

Evansトリオの生き写し的なPeri's Scopeなんてのもある。でもこれはDrummondの太鼓の叩き様を聴くとあのKeithのスタンダーズ・トリオのDeJonetteを思い浮かべざるを得ない。

それにしても凄まじいまでの叩きっぷりには圧倒される。

次々と立ち現れるEvansの幻影。と思いきやというところがこの盤の特徴だろうか。

しかし、やはりHazeltineのタッチはEvansを模した感がある。若きピアニストが辿りがちな道筋だ。

あの木住野佳子がそうだった。Evansのタッチを我がものにし、且つそれを越えて自分の持ち味を探求した。

Hazeltineにしてしかりだろう。彼のそうした記録として聴くという意味合いに納得する。

となればEvansの存在が如何に抜きがたく、多くのピアニストに影を落としたのだという査証にもなる。

只、やはり共にしたベーシストとドラマーが単にEvansトリオのそっくり大賞に終わらせなかった意味合いも大きい。

そう思いながら聴くとなるほどと思う。

だからこそこれはこれでしっかりと独自性を持ったアルバムとなり得たのだ。

そのことを思って堪能しようではないか。