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なんでもお任せください。どうそリクエストをって感じかね。エンターテナーOscar Petersonのアルバムだ。一曲一曲をそつなくトリオが演奏する。一人の観客になったつもりで聞き入る。どうも、Petersonって苦手だった。って食わず嫌いなのが正直なところではあるけれど、これ見よがしのバカテクで食傷したのは過去何年か前のことだ。しかし、生来のエンターテナーであるなとは思う。そこんところは、サッチモに通じるものがあるようだ。だけど、ツボを押さえて聴かせる技にはかなわない。コロッといってしまうような何かを隠し持っているようだ。テクニックでも聴かせるし、歌心でも人を惹きつける。ツボを押さえている点では、Ray BrownだってEd Thigpenだって同じだ。ジャズ魂を擽る。擽られて、へたへたってなる。「参りました」ってとこだな。でも、このアルバムは、実に控えめなピアノを聴かせるところもあって、ごり押ししない点が気に入ったのだ。囁くように鍵盤を転がるPetersonのシングル・トーンが聞き所だ。それと、相まってRay Brownの骨太なベース、Ed Thigpenのブラシ裁きの巧みさ。こりゃあ、うまいコーヒーをすする感じだね。鼻孔にすっと入って来て脳みそ麻痺させる。グッドテイストだ。緩急うまく組み合わせてあるから、良いってことも言える。何はともあれ、Petersonを見直すことが出来て収穫だった。 |
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