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STRAGE DELAITE / LOOKIN' UP
Serge Delaite
Lookin' up

Sawano
Feb.2000
Serge Delaitep
Pierre Verne:b
Jea-Marc Lajudie:ds
1.Lookin' up
2.TinTin Deo
3.Interface
4.Eclypso
5.Ballade Iriandise
6.Lady be good
7.Sea Changes(take 1)
8.Cubano Chant
9.Cetral Park West
10.Mac Coy
11.Come Subday
12.Sea Changes(take 2)
絵画の善し悪しは、観た人が決めるものだ。音楽とて同じ。観たり聴いたりする人の出来具合による。これは凡作だと決めてかかるのは、その人の出来が「凡人」だからだと言えなくもない。この盤などは、随分と試される気がする。心地よさがあるが、いまいち「芸術性」に欠ける等と言ってしまいたくなる。そんなものは、とんと捨て置いた作なのかも知れない。「芸術、芸術」と言って求めるのは、どういう心の持ちようなのか。和めればそれで良いではないかと反省する。そう思って聴くと、ああそうかと腑に落ちる。心根の優しさが伝わるなと気づく。どこにもギスギスした気負いとか、衒いもない。優しく心を撫でられているような心持ちがしてくる。気負い立つ心に歯止めが利く。
「いいから、いいからまあ、ゆるりとお休みください」とこっちの心を見透かされたうえに、静かな持て成しを受けたような安堵感がある。そう思って聴いていると、意外や軽快にスウィングするところ等あって、心浮き立つ。
 懐かしいRay BryantのCubano Chantなんてのもあって、ホホーっとほくそ笑む。ざっと選曲を眺めると、ピアノ・トリオの名演を振りかえされるものが連なっているなんて、今頃になって気づく。ははー、この人はホントにピアノ・トリオの名作を愛した人なんだなと思った。彼と僕たちは同じ穴のムジナってわけだ。演奏者である前に、良き聴き手であったんだ。
一曲だけ、彼のオリジナルがあって、これだけは心引き締まる演奏だ。
 気負い立った気持ちを和ませてくれる。これは心優しさを感じさせる盤だ。