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GRANT GREEN / IDLE MOMENTS

Grant Green
Idle Moments
BLUE NOTE 4514
Novenber 4,15 1963
Grant Green:g
Joe henderson:ts
Bobby Hutcherson:vib
Duke Person:p
Bob Cranshaw:
Al Harewood:ds
1.Idle Moments
2.Jean De Fleur
3.Django
4.Nomad

 

 

 

妙に耳に残るテーマIdle Moments。ムード歌謡とGreen。何の関係もない。しかし、連想してしまうテーマだ。ここに来ると、ちょっと吹き出す。続く彼のソロの哀愁感に浸る。とことんけだるく妖しい。バーのカウンターに酔った男が人生の悲哀を背中で表現している様が浮かぶ。ブルージーとはまさにこれだと思わせるフレーズの数々。そしてHendersonのテナーが地をはう。益々酔いがまわるようだ。
「マスター、もういっぱい」
僕の頭は聴き続けながらそんな妄想が次々と駆けめぐる。Hutchersonのヴァイブは酒のグラスを連想させ、余韻を残して再びテーマに戻ると、ため息が出る。
 ところが、どっこい。Jen De Fleurになって俄然はち切れる。なんでも新主流派への過渡期のGreenだという。なんでも良いが、GreenやらHendersonの勢いのよいこと。まさにジャズ的健全路線だ。Hutchersonだってさっきまでの酒のグラスが煌々と照るステンドグラスに変わった。洒落ている。
 またまた、暗いムードのDjangoのテーマだけど、アドリブに入ってからがブルージーで溌剌としたGreenのソロが聴ける。吹き鳴らすHenderson。いい。男臭い。HutchersonやPearsonとCranshaw 、Harewoodの組み合わせでの歯切れの良さが心地よい。
モード趣向のNormad。とめどなく溢れるHendersonのフレーズ。リズムセクションが刻むリズムが絶えず心地よくキープされる。その上を這いずるHutchersonのヴァイブ。めくるめく紡ぎ出されるGreenのフレーズに目眩をおこす。