JAZZ徒然
2003.6

AHMAD JAMAL/ IN SEARCH OF

AHRMAD JAMAL:p
IDRIS MUHAMMAD:ds
JAMES CAMMACK:b
BIRDLOGY
AUGUST 22-28 2002
1.In SURCH OF
2.SHOULD I
3.EXCEPERINGS
4.WHISPERING
5.ISLAND FEVER
6.I'VE NEVER BEEN IN LOVE BRFORE
7.WHERE ARE YOU
8.WHERE ARE YOU NOW
9.YOU CAN SEE
10.I'LL ALWAYS BE WITH YOU

 

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I

 

 よっぽどの数奇者でもなければJAMALなど聴くものなどない。でも、彼は帝王が帝王になる前のMILES DAVISを虜にした男である。JAMALが持つ「間」の美学に引き込まれたのだ。これはそのJAMALの最新作である。彼の一大発明である「間」はここでも健在である。一聴すると、そんなことはないと思うかも知れない。流麗に流れるピアノに聞き惚れていると、突如として「ふっ」というあの「間」が出てくる。これだ。これだ。ドラムもベースも息をのむように一瞬音が止まる。まさにこれがJAMALの美学だろう。何故こんなことをするのだろう。流れと空白の作り出す妙なテンション・・・なのだろうか。インプロバイズのマンネリ化を打開するこのコロンブスの卵的な発想が、MILESを驚喜させ白熱させたのだろう。以来彼は♪パラリラ〜ラリラリではなく、♪パッパーと音を省略し、絶妙のテンションを生み出すことになる。MILESを帝王たらしめたこの♪パッパーの生みの親がJAMALなんだということだけは、覚えておこう。敢えてJAMALなど聴いてごらんとは言わない。しかし一度はまると抜けられない罠を持っているのがJAMALだ。このピアノトリオの組み合わせが特段なものとは思わないが、JAMALの罠にはまってみようかなと思うのなら、僕は彼のBUT NOT FOR MEを薦める。JAMALはいつだってJAMALだ。
抜群にアグレッシブな冒頭のIN SURCH OF、千鳥足と巨人の大闊歩が入り乱れるSHOULD I。そこはかとないIDRIS MUHAMMADのシンバルと大音響のドラムの炸裂。EXCEPERINGSは音の迷路を思わせる。唯一ヴォーカルの入るWHISPERING。腹の底から歌い上げるO.C.SMITH。これぞJAMALの真骨頂的演奏のISLAND FOREVER。独特のスウィング感にハッとするI'VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE。これも間のなせる技。JAMALらしさをやや誇張した感じのWHERE ARE YOU。テーマの愛らしさと対照的な演奏の力強さにインパクトがある。等々。


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