JAZZ徒然

2003.6.22

THE BAD PLUS
THESE ARE THE VISTAS


IREID ANDERSON:b
ETHAN IVERSON:p
DAVID KING:ds
SEPTEMBER 30 OCTOBER 5 2002

 

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1.BIG EATER
2.KEEP THE BUGS OFF YOUR GLASS AND THE BEARS OFF YOUR ASS
3.EVERTWHERRE YOU TURN
4.1972 BRONZE MEDALIST
6.GUILTY
7.BOO-WAH
8.FLIM
9.HEART OG GLASS
10.SILNCE IS THE QUESTUION
11.WHAT LOVE IS THIS

I

 

 まさに体感的である。道化であろうと荘厳であろうと委細構わず体感すべしというものだろう。旋律のヘドロモドロしたものと躊躇ない強いビートとのごちゃまぜ。突如として突飛な音を発するドラムやら弦がまるみえになるベース音とが、ピアノの前に出しゃばってくる。
 一歩間違えると雑音になりかねない瀬戸際で、踏みとどまっている塩梅のバランス。しかし、豚やら蛇やらアヒルやマントヒヒやキリンや象なんかが百鬼夜行という様相を呈している感じもする。
 お好きですかって?好きも嫌いもない。感じてりゃあいいのさ。ほら、ピアノの鍵盤やらシンバルなんかが吹っ飛んでいって、ベースの弦はこんがらかってぐちゃぐちゃだ。拾って!拾って!
 腹を抱えて笑っている奴もいりゃ、わけわかんなくなって頭抱えている奴らがそこいらにいるよ。
 どうすりゃいいんだ。このジョーキョー!まじめな面してカンショーしてる場合じゃない。
 些か何を意図しているのか端倪すべからずってやつだ。
 ま、そういうことで・・・ところでどう思います?
 少し落ち着いて、まじめに話そう。
 こういうのはBRAD MEHLDAUのLARGOなんかをブリキ缶に喩えると、それをちょっとばかしけっ飛ばしてへこました感じかなと思う。くそ真面目にやっている大げさな大道芸っていう言い方も出来るかな。聴けば聴くほどイマジネーションのゼンマイがビィヨヨーンってなっちゃう感じだ。
 しかしだ。よくよくスピーカーの前に端座して聴くと、よくよく出来た構成であることに気づき始める。つまりはロックとフリー・ジャズと現代音楽やらクラシックの要素が渾然一体となって、それをどう融合したのか判然としない程彼らの脳髄からわき出て怒濤音と化している3曲目のEVERYWHERE YOU TURNなどはかなり唸るし、哀愁感もあるしダイナミックさもある1972 BRONZE MEDALISTなどは、ぐっと胸に迫るという塩梅で、よーく聴きなさい。助さん角さん・・・だよ。GUILTYにしてしかりだ。力強いリズムに乗ってインプロバイズが融合したり飛び離れたりしながら突き進んで行く様は凄い。
 そんなんでひとつひとつよーくお聴きなさい。体感的であると同時に融合、離脱、拡散、集中といったエモーションが蠢いているわけで、いやはや凄い。

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