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WILLIE PICKENSってのはあまり知られた人ではないようだ。国内発売のもので2枚のリーダーものがあった限りだった。マニアックな人はEDDIE
HARRIのサイドマンとしてピアノを弾いていたことを知っている程度だろう。僕も全然しらなかったし、サイドマンのGEORGE
MURAZとJOE FARNSWORTHの方が馴染みであったぐらいだった。で、随分と以前に入手していながら全然聴こうとしなかった盤であった。まあ、そんなことはどうでも良いのだが、副題がウィントン・ケリーに捧ぐというので目にとまったわけ。しかし、聴いてわかるがケリーらしさが殆ど感じられない。でも、そこはかとなく滋味溢れるものや、結構勢いの良い演奏が耳にとまってこのところ続けて聴いている。滋味溢れるといえば、冒頭のDARK
EYESやPOLKA DOTS AND MOONBEAMS,DO NOTHING TIL YOU HEAR FROM MEなんかそんなところだろう。でも、これで結構アドリブに入るとトリオ全体の緊張感があって勢いが良い。やっぱり僕はドラム派だなって思うのだが、MURAZよりはFARNSWORTHの歯切れ良さに惹かれる。PICKENSも張り切った演奏で、次のSOMEDAY
MY PRINCE WILL COMEもテーマはともかくアドリブに入ってからの激しさはかなりのものだ。いやあ、MURAZも良いには良いのだが。 3曲目のDON'T EXPLAINが妙に耳に残る。言うまでもなくBILLIE HOLIDAYの名唱で知られた曲で、実は僕は彼女の隠れファンだった。別に隠すこともないが。この悲しげなテーマがPICKENSによってうまく料理されているのだ。そう、HOLIDAYの長年の伴奏者だったMAL WALDRONを彷彿とする弾き方だと今気づいた。 PICKENSのピアノスタイルはWYNTON KELLYとはやっぱり違って、ライナーにも書かれているが、ハロルド・メイバーンでありマッコイ・タイナー風である。おとなしく納まっているようなタイプじゃない。結構ガンガン行くタイプだと思う。加えてサポートする2人の組み合わせだからかなり聴き応えがあると思う。そこら辺はMR.P.CやUN POCO LOCOで顕著だ。 疾走感のあるMR.P.C。実に腹にこたえる演奏だ。ベース、ドラム、そしてピアノがズシンズシンと来る。 そして度肝を抜かれたのがUN POCO LOCOだ。BUD POWELLの演奏で超有名だが、音がいまいちだったBLUE NOTE盤の印象が覆った。トリオ全体がうねる。ど迫力の演奏だ。 最後のBLUES MARCHは結構ズシンズシン来るのだが、どうもあのアート・ブレイキーの大口をあけたスタイルが目に浮かんでしまい腹の中でクスッと笑ってしまった。でも、これでなかなか迫力もあって良いですよ。 |
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