愛玩する


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 使い捨ての時代に、なかなかものを愛玩するというのことが少なくなっているけれど、このところ同じCDを聴き、同じ著者のものを傍に置いて読むという風にしている。
 同じ著者と言えば、青山二郎や白洲正子であるし、陶器の写真が載っているムック本なども、ためつすがめつ眺めていたい。特に染め付けなどは何度みても愉しく、しみじみ味わったりする。とても高価そうで実際に手にとってみるなど、到底かなわないが、もし手に出来るのなら部屋の中に置いて時々眺めていたと思う。
 この頃腰が痛いからベットにごろっと横になって、最近値上がりした煙草をふかして部屋のあちこちに置いているものを眺めながら、いつまでもぼーっとしている。
 動くのが億劫なので、自然と同じものを繰り返し聴くはめになる。しかし、何度聴いても良いと思うものなら苦痛にはならない。
 年をとったらこうしようと思っていたのだが、ベッドの頭の方にある書棚にアンプとCDデッキを備えて、適当に数枚選んでおいたCDを繰り返し聴くというのを、今幸か不幸か腰のせいで実現している。
 さすがにノートパソコンを持ってきて打つのは、姿勢に悪いから出来ないが、自作のメモ用紙に思いついたことを、書き残すようにしている。へたくそな字で、後で読み返せるのかと思うぐらいひどい字で書いているが、まあなんとかなるだろう。
 で、今聴いているのが、BARRY HARRISのFIRST TIME EVERで、これなどは何度聴いても厭きない。
 悠々とした演奏で、気持ちもゆったりしてくる。どれもこれも良いのだが、丁度山の頂を4曲目のNASCIMENTOとすると、他のは馬の背という塩梅で聴く感じなのだ。
 HARRISのオリジナルのこの演奏が一番好きである。特に中間部から聞こえてくるLEROY WILLIAMSのシンバル音に、心浮き立つのだ。それとやはりGEORGE MRAZのソロは全部良い。
 無理して全部聴くことはないのだが、とにかく動けないから全部愉しませてもらうことになる。HARRISのピアノは嫌味のないものだから、全然苦痛でない。

BARRY HARRIS / FIRST TIME EVER

BARRY HARRIS:p
GEORGE MRAZ:b
LEROY WILLIAMS:ds
ALFA JAZZ
October 1,2 1996
1.UNO DOS TRES
2.FIRST TIME EVER
3.TO WALTER DAVIS Jr. with LOVE
4.NASCIMENTO
5.YOU GO TO MY HEAD
6.MOON SHADOW
7.K.G
8.SMOKE GETS IN YOUR EYES