ズレてる


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 朝の散歩から帰ってきて、朝風呂にした。さて今日は書くぞと決めてはいたが、ボロアーニの盤とこれとどっちにしようかと迷ってしまった。ボロアーニのは『黒と褐色の幻想』でもう入手して随分とたってしまったが、これもまあそんなようなもんで、どっちだって良いようなものだが、ボロアーニの方ので気に入っているのが、ベースのARES TOVOLAZZIだ。彼のベースはヴォイス入りで面白いのだ。言葉では表現しにくい。嘗てスラム・スチュアートというベイシストがこういうことをやったのだが、あれはレスター・ヤングの時代であった。ドラムのタイミングもまた面白い。微妙にずれたタイミングのドラミングなのだ。変形スウィングとでもいうのだろうか。ここまで書くと、もうボロアーニの方にしちゃおうかなとも思うが、彼は最近某ジャズ雑誌で随分と取り上げられていて人気を博しているようだが、こうなると僕はへそが曲がる。彼の存在を知ったのが、まだ日本では取り上げられる前で、それこそ「人が聴いたら蛙になれ」という心境であった。僕だけが贔屓にしていたかった。それが何だ。今や、新星扱いされていい気になりやがって。しかし、このドラムはホントに面白い。WALTER PAOLIというドラマーだ。彼とTOVOLAZZIのことを書いてやろうと思うが、それもへそ曲がりだなと思う。
 さて本題に入ろう。じゃあ、今までのはなんだったの?ドラムのスウィングの仕方を強調したかったので、ボロアーニの盤を引き合いにしたまでのこととは屁理屈なり。スウィングすると言っても、一通りじゃない。「ちょっとズレ型」と「かなりズレ型」があるのだろう。面白いのは「かなりズレ型」だが、心地よく心浮き立つのが「ちょっとズレ型」だなと思う。どっちも好きである。ジェフ・ハミルトンと言えば、「ちょっとズレ型」である。やっぱり幾分ずれてる、少しもたつく感じで重いのだ。ストトンというブラシで叩く叩き方に重量感がある。もともと4ビートというのは若干ずれていて当たり前田のお殿様。それが如実に感じとれて、ああだから重く感じるのかと納得する。彼は、知っている人は知っていると思うが、知らない人は知らない。当たり前田の殿様だが、モンティ・アレクサンダーとやった有名な盤がある。
 こっちの盤の方のベースも面白い。2曲目のWhisper Notでアルコで弾いているし、5曲目のブルースの出だしのソロがぐっとくる。この味が抜群にいける。
 更に欲張って言うと、このピアニストLARRY FULLERが良い。スウィングするのも良いが、3曲目で聴かせるバラードやなんてとろけるし、ブルースを弾かせても良いのだ。良い(東武))野田線。何を言っているのかてんでいかれてる。

JEFF HAMILTON / hands on

JEFF HAMILTON:ds
LARRY FULLER:p
LYNN SEATON:b
Oct.1996
MONS
1.Juicy Lucy
2.Whisper Not
3.Somewhere
4.Move
5.000 Miles ago
6.Daahound
7.To You
8.Spit Season Blues